「まじめ」なお豆腐、お届けします
豆腐・大豆加工品
丸和食品 成田工場長 高橋 史人 さん
◆安心な大豆製品を作り続けて
今回は高橋史人工場長より説明を受けながら、丸和食品さんの工場を見学させていただきました。ここ成田工場では、1990年の設立以来、ずっと国産大豆を原料に、消泡剤を使わない、安心・安全の美味しいお豆腐を作り続けています。工場内に異物が入らないように全員、白衣と帽子、マスク、白長靴という厳重な出で立ちで十二分に手洗いをしてから工場内に入りました。
———会社設立の経緯を教えてください。
「明星学園の授業の一環として生徒と先生、そして親御さん達でお豆腐作りの体験をしたことが設立のきっかけなんです。その後、美味しくて安全な豆腐を食べ続けたいというご要望にお応えできるよう『とうふ日本一』という名前の豆腐を製造販売する会社を創業しました」
最初は豆腐から始まりましたが、今では油揚げ、厚揚げ、がんもどき、豆腐ドーナッツ、味付けいなりなど商品ラインナップも充実し、食の安心を気に掛けるお客さまの期待に応えています。
丸和食品さんが評価されているのは、やはり安全・安心へのこだわり。大豆は北海道産、東北産を中心とした国産品のみを使用し、一般的な豆腐に使用される消泡剤と言われる添加物は不使用。その他の原料についても、揚げ物の菜種油に至るまで遺伝子組換えのものは一切使わない徹底ぶりです。
また、味付けいなりなどは醤油に含まれる小麦粉まで国産にこだわり、化学調味料を使わず、かつお出汁で丁寧に煮ています。
「泡が出ると材料となる豆乳が減ってしまうわけですから、豆腐のできる量が減るし、泡がなければ効率よく大量生産できるから一般的には消泡剤を使用して泡を消すんです。ただ、この製法だと泡に含まれているサポニンという苦味成分が豆腐に交じってしまうんです。うちは豆乳を煮る時に、時間はかかりますが泡を出し切ることによって消泡剤を使わないで美味しい豆腐ができるように研究しました」
◆美味しい豆腐ができるまで
———豆腐の基本的な作り方を教えていただけますか?
「一晩浸水した大豆をすりつぶして、茹でます。その後、おからと豆乳を分けて、豆乳ににがりを打って混ぜ、型箱に流し入れ重石をかけて木綿豆腐ができます。絹豆腐の場合は一度豆乳を冷やしてからにがりを打ちます。これらのできあがった豆腐を元にして、がんもどきや厚揚げ、油揚げなどを作っていきます」
機械化が進んでいるとはいえ、豆腐作りは重労働。この工場だけでも20人のスタッフがいます。工場長の高橋さんは、毎日深夜に出勤し、夜中の12時に工場を稼働させるのだそう。
浸水した大豆からスタートして豆腐ができるまでの約90分の工程を何度も繰り返し、朝7時半からの出荷にそなえて4,000〜5,000丁の豆腐を作るそうです。毎日毎日お豆腐を作り続けているので、お正月以外は年中無休とのこと。
———(床いっぱいにあふれた泡を見て)あ、これが先ほどお話のあった消泡剤を使わない代わりに泡を出し切るという行程ですね!
「そうです。消泡剤を使わないとこんなに泡が出るんですよ。実はサポニンにも抗酸化作用などの効能はあるんです。それに泡も豆乳の一部なので、これをまとめればまた豆乳になるという人もいますが、実際にこれだけでは美味しくないですよね(笑)」
———揚げ物の油もこれだけ大量に使っていても油臭くないなあと思いました。
「さすがに一日中、油の近くにいるとキツいですけどね(笑)。うちは菜種油を使っているし、定期的に交換しているので、油の状態はいつもいいんですよ。定期的に廃油の回収業者さんが回ってくるのですが、うちの油はとてもキレイだと評判がいいです。油が酸化していないので、油揚げや厚揚げは湯通して油抜きをしなくてもそのまま使えるんです。お味噌汁などに加えると旨味が出ますよ」
◆「まじめなお豆腐」お届けします!
———丸和食品さんの製品は一般的なスーパーでは見かけませんね?流通先にもこだわりがあるのですか?
「原料や製法にこだわっているので、とても一般のスーパーのものと同じ価格にはできません。逆にどうしてそんなに豆腐が安く売れるのか信じられないほどです。当社も機械化は進めていますが、基本は昔ながらの製法を守っています。豆腐は日本食の基本ですし毎日食べる方が多いので、本当に安全なものを食べていただきたいんです。食文化としても重要ですから、国産大豆を使うことで、日本の国内農産物の自給率を維持していく一助になればとも思っています。このような考え方を理解してくださる、ミレーさんや生協さんのような流通業者だけに取引をお願いしているんですよ。」
———食べてくださるみなさんに一言お願いします!
「おからや厚揚げの煮物、揚げ出し豆腐などお袋の味と言われて久しいですが、日本の食生活には欠かせないものなので、ぜひ安心で美味しい豆腐を食べ続けてほしいです。特に味付けいなりは、本当にこだわりの調味料で味をつけたおすすめ商品ですよ!」
安心して食べられて、しかもたんぱく質豊富な栄養食品。お料理のバリエーションもたっぷりで、忙しければそのままでも食べられる。豆腐って、なんて優秀な食品なんだろう!と思います。丸和食品のお豆腐、ぜひお試しくださいね〜。
(風子)
【取材後記】
「この油揚げおいしいね」
最初に違いに気付いたのは料理中の妻でした。妻に続き、私も子どもたちも、油揚げが入ったごく普通のお味噌汁を、他の料理そっちのけで食べたのが丸和食品の初めての衝撃でした。それからは家族そろって丸和食品のファンで、豆腐も厚揚げも豆乳ドーナツも、どれもヒットです。
決して特別な商品ではないのに、はっきりと分かる味の違い。なんでこんなに違うのかと不思議でしたが、今回の取材ではっきりとしました。
とにかく材料にこだっている事と、原料費や製造量よりも、安心と味の良さを大切にするものづくりを守っている事、そして何よりお会いした高橋工場長をはじめ、丸和食品を支えている営業の方、そして工場の皆さん全員が、とても温かい人柄で、商品に絶対の自信を持っていました。
心からおすすめします。
編集責任者 中村 彰宏
青菜と油揚げの和え物
- ■材料
- 青菜(小松菜、かぶの葉など):1束
- 油揚げ:1枚
- だし醤油:適量
- 粉辛子(お好みで):小さじ1/2
①油揚げはオーブントースターで軽く焼いて千切りにする。
②青菜はさっと塩茹でして2センチほどに切り水気を切る。
③出汁醤油に辛子を溶かして油揚げと青菜を和える。
青菜はどんなものでも大丈夫♪ 油の香りが食欲をそそります。今の季節はかぶの葉っぱなどが良く合いますよ。
レシピ担当:古民家空間「風楽」店主 風子