千葉県成田市 椿 幹夫さん

ミレーで1番人気の野菜、千葉県産にんじん。夏が終わり、秋も深まり、ようやく端境期が明けました!
そこで、待ちに待った収穫期を迎えたにんじん畑に早速お邪魔させていただきました。生産者は、おかげさま農場の椿幹夫さんです。

 取材の当日は、今にも泣き出しそうなどんよりした曇り空。畑に降り立つと、椿さんと奥様、跡継ぎの息子さんがにんじんの収穫に勤しまれていました。
「今日はたまたま息子が休みだったんで、手伝ってもらってるんだよ」
 畑の遠くで黙々と作業を進める息子さんと、その少し手前で掘り出したばかりのにんじんの葉をカットしていく奥様。
 よっこらせ、と畑の横に腰を下ろした椿さんに習い、私も邪魔にならないように腰をおろし、お話を伺うことにしました。
「うちのにんじんねぇ~・・・お客さんはみんなそう言うよねぇ、うまいって。俺はずっとこれを食ってるからよくわかんないんだけどね」
 なんとも贅沢な話です。
 これほど美味しいにんじんが育つのですから、何かきっとヒミツがあるに違いない!と質問すると・・・
「この辺の土によく合っているんだろうね。当たり外れはあるけど、大体よく育ってくれるから」
 と、ちょっと拍子抜けするお言葉が。

(写真上)親子3人でにんじんの収穫に勤しまれていました/(写真下)ふかふかの土。このビニールを敷くことで、雑草や虫の繁殖を抑えることができるそうです
 けれどその土地に合った作物を育てることは、土地に負担をかけることのない、極めて自然で最良の選択なのかもしれません。
  実際に畑に足を踏み入れてみると、土はふかふかと柔らかく、足で踏みしめるのを躊躇ってしまうほど。<土地のおかげ>と椿さんは謙虚におっしゃりますが、この土を感じてみればわかります。土地の力に頼るばかりではなく、椿さんご自身が長年に渡って努力されてきたということが。
「まぁそんなに面倒なことはないけどね。線虫にやられるのが一番やっかいかな。あれにやられると、全然育たなくなっちゃうから」
 こうしたトラブルや事例は、月1回行われているという、おかげさま農場の定例会にて報告し合っているとのこと。
「みんなベテランだから技術云々の意見交換はそんなにないけどね。話してると楽しいよね。人が好きだからさ」
 今の若い人は、メールやネットで人との交流を結ぶのが苦手な人が多くなってるといいますから、人が好きだと言って笑う椿さんがとても気持ちよく感じられました。

(写真上)18才のころから、この土地に立って生きてきた椿さん/(写真下)今年のにんじんは当たり年!大きくてとても立派です

 椿さんはもともと、おかげさま農場の代表である高柳さんと同級生で、それがきっかけで無農薬での農業の道に入られました。
 実家はもともと農業を営んでおり、椿さんが18歳の時にお父さまが急逝され、それからひたすら農業の道を歩まれてきました。
「もともと継ぐとは思っていたけど、まさかこんなに早くになるとは思わなかったね」
 20代の半ばごろまでは、会社員や運転手などいろいろな仕事をしながら兼業農家として暮らし、奥様と結婚されるころに農業一本に絞ったとのこと。
「不安がなかったかって言われると、まぁ、なんつうかね。他と比べてもキリがないしね。与えられたことをキチッとやるだけでさぁ」
 椿さんの話を聞きながら、奥様が言葉を継がれます。
「子育てとかいろいろあったからねぇ、ほんとあっという間だった」
 ご自身の話になると照れくさくなるのか、ごまかすように(?)にんじんの収穫作業に戻る椿さん。

 すぽっすぽっと、畑から次々とにんじんが顔を出してきます。どのにんじんもすらっとしていて大きく、とても立派です。
「今年のにんじんはねぇ、まぁ、悪くはない出来だよね」
 <悪くはない>とはまた控えめな椿さんですが、にんじんにも当たり年と外れ年があるそうで、今年は紛れもない当たり年とのこと。
「でもにんじんはね、時々ああいう風に形の悪いのが出ちゃうんだよ」
 椿さんの言葉を受け、奥さんが見せてくださったのは、足が三叉に分かれたにんじん。
「こういうのは出荷できないからね。ジュースにしたりするしかないんだけど、こういうのの方がうまかったりするんだよ。まぁ、人それぞれ事情があるだろうけどね。ちょっと見た目が悪くても、食べてもらえると嬉しいんだけどね」
 うんうん、と奥様も頷かれます。
「虫もね、私だって本当は嫌なのよ。でも仕方ないでしょう?いるんだものね」
「まぁ、虫も食うほどうまいってね!」
 ちょっとしんみりした空気を、椿さんのカラッとした笑い声が吹き飛ばしました。

 なんと、椿さんは来年で還暦を迎えられます。農業に関心が高まってきた、最近の世の傾向をどう思われているのでしょうか。
「関心を持ってくれる人が増えたのはいいことだと思うよね。うち(おかげさま農場)にも、みんな農業やりたいってくるけどね。実際にやってみると、そんなに甘い仕事じゃねぇんだよなぁ。なんていっても、食っていかなきゃならないでしょ」
 妻と子を守りながら戦後の激動の時代を生き抜いてきた、日本の男としての横顔が垣間見えます。
「いや~でもねぇ。俺ももう、『じ』だけどね」
 そう言って笑う、椿さん。『じ』とは何でしょうか?
「じぃじ(爺さん)ってこと!孫も出来たしさ。男と女」
 お孫さんもできて、跡継ぎもいて、あとはもうのんびりするだけですね~と笑うと、心底驚いたような声で椿さんは声を張り上げました。
「いやいやいや!のんびりしてたら年食ってっちゃうよぉ」
 がはは、と畑に笑い声が響きます。

(写真上)生涯現役!お肌もつやつやで、元気いっぱいの椿さん/(写真下)奥様とのやりとりは、まるで漫才のよう!何を話していても、息がぴったり合っていました

「今は仕事がどんどんなくなってるって言うでしょう?やることがあるってだけでも幸せなことだと思う。定年もないしね」
 椿さんの畑の周辺でも、たくさんの人が農作業をしているのが見えます。
「この辺でも高齢化が目立ってきてね。手をつけてない畑もいっぱいあるから、借りて俺が育ててるんだよ」
 収穫の際は、ご近所の人にお願いしてお手伝いをしてもらうことも多いとのこと。
「みんな時間があるからね、ここに来ておしゃべりするのを楽しみにしてくれてるのよ」
 と奥様もにこにこと微笑まれます。自分たちの畑が憩いの場になっているのを、お二人とも嬉しく思っているようでした。
「まぁでもね、この辺でも皆、まだまだ農薬を撒いてるよ。もう、じゃんじゃん。同じ畑でずっと野菜を作るから、土も痩せてくるでしょ?だから農薬や化学肥料を入れるわけ。悪循環だよね」
 椿さんは、その時々で土地を休ませながら、土の様子を調整しているとのこと。
「だって、化学肥料ってのは石油から出来てるんだから。そんなもの体に入れたら、いいわけがないよね」
 アトピーやアレルギーなんかも、そのへんから来てるんじゃないかなぁと椿さんは話します。
「アレルギーでもなんでもさ、子供に安心して食べさせられるってのはいいよね」
 今回、ミレーにお寄せいただいたお客さまのお声を、椿さんにお渡ししました。たくさんあるうちの1枚、野菜嫌いだったお子様が、ミレーの野菜を取り始めてから、野菜をどんどん食べるようになったというお声を読んで、椿さんの目元が緩みました。
「すごいよねぇ、子供ってのは。わかるんだね」
 体に良い・悪い以前に、純粋に「おいしい」ものを選び、それが自分の健康につながる。そういうものを自然に選ぶ子供の力に、椿さんも感心されていたようでした。
 こちらとは逆に、椿さんからお客様に伝えたいことはあるでしょうか?
「どうにかして、農家が豊かになれるように野菜をいっぱい食べてくれると嬉しいねぇ。豊かになれば、野菜もうまくなるし、いいことばっかりだよね」
 ここでいう<豊か>というのは、収入面でももちろんのこと、人の絆としての側面も含みます。椿さんの野菜を食べて消費者が笑顔になり、笑顔になったことを生産者に伝え、生産者も笑顔になる・・・。
「作ってるこっちが不健康だったら、野菜もおいしくなくなっちゃう。それじゃ困っちゃうわよねぇ」
 切々と語る奥様の言葉が、ずしりと胸に響きました。私たちミレーとしても、お客様への声を生産者さんへ、生産者さんの声をお客さまへお渡しすることをこれからも続けて参りたいと思います。そのため、皆様へご協力を仰ぐこともあるかと思いますが、これからも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

左の写真に写っているのが、見せていただいた「規格外」のにんじんです。最近は世の中の風潮も変わり、こう言った「わけあり」の作物もお客様に受け入れられやすくなっている、との声も聞きます。
ミレーでは、大きく育ち過ぎてしまったものを「2Lにんじん」としてお客様へお分けしています。今季も準備が出来次第ご案内させていただきますので、にんじんの収穫がひと段落付くまで、今しばらくお待ちくださいませ!
取材者:ミレー 内野
年月日:2009年11月10日

 
お客様の声
 
めぐちゃん様(2011年01月11日 02時50分)
初めてミレーのお試しセットを購入しました。
今、抗癌剤の治療中ですが、併用しながら栄養代謝療法を本を見ながら行なっています。
人参ジュースや野菜ジュースを毎日2リットル近くジューサーで作っています。
早速スーパーで購入した人参とのみ比べしてみました。甘かったです。りんごなどを入れなくても甘さが十分です
最低一日に人参を9本ほど使用します。
人参単品で定期的に購入することはできませんか。
スーパーで顔が見える生産野菜とありますが、ミレーさんのほうが安心です。


 
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