ごぼうも生産者もたくましい

昨年、寒い冬の時期に石上さんの取材に伺った時、「頼もしい若者だなあ、 これからこういう若者たちが日本の農業を担っていくんだなあ・・・」と、とても印象に残りました。あれから一年半。今回はごぼう掘りの日に合わせて取材に伺いました。ごぼうを掘るところを見たことがない風子は興味津々。長靴を履いて、張り切ってごぼう畑に向かいました。

大栄町の石上智洋さんの畑にやってきました。ごぼうの収穫です。

 

ミ)
こんにちは~。ここが石上さんのごぼう畑ですね。ごぼう堀りって長いごぼ うを折らずにまっすぐに抜くのがとても大変そうですが、どうやって掘っていくのですか?

石上)
昔はいたのかもしれないけど、今は手でごぼうを掘る人はいないんじゃないかなあ。根っこが長くてしっかり伸びているから手で抜くのはすごーく大変なんですよ。だから先に葉の部分を刈ってから、ごぼう掘り機で畝(うね)を掘り起こして収穫するんですよ。

ミ)
先週、田谷さんの畑のサツマイモ掘りを見せていただいたのですが、あれと同じように機械で掘ったごぼうが、ベルトコンベアーみたいなものにあがってくるのですか?

石)
ごぼうはね、どんな最新の機械を使ったって、最後には土の上に出てきたごぼうを手で集めて歩いていくんですよ。機械は掘り起こすだけなんです。まあ、これからやってみるので見ていてください。

石上さんのお父さん(石上巌さん)が、車庫からごぼう堀り機を畑まで運転してきました。

今日のごぼう掘りのために、畑の一部の葉はあらかじめ刈ってあったので、車庫入れのように畝の幅に合わせて、ごぼう掘り機をバックさせていきます。

その後、ごぼう堀り機は後ろについているシャベルのようなもので土を深く掘り起こしながら進んでいきます。

その後ろで智洋さんが土に上に出てきたごぼうを手で集めていきました。

ミ)
すごいですね。ごぼう掘り機の威力は・・・。あっという間に一畝、掘り起こしてしまいましたね!!

石)
実は、ごぼうは種を蒔く前にも半径1mくらいの大きなロータリーの爪で、畑を耕していくんですよ。土を柔らかい状態にしておくためです。畑の土が固かったら、そこで成長が止まってしまうからです。

ミ)
半径1mってことは直径が2m!ずいぶん大きなロータリーですね。でも万が一、耕した畑に足を踏み入れたりしたら、土がフカフカだから人が出られなくなったりしないんですか?

・・・とロータリーの爪の大きさを聞いて驚く風子!

石)
耕した後で、雨が降ってそこを踏んだりしたらハマってしまうかもしれないけど・・・。一応、種を蒔く場所は高く盛り土をしていて、その両脇は人がまたいで歩けるようになっているから大丈夫なんです。

 

 

生産物:ごぼう
生産地:千葉県香取郡大栄町

 

石上さんの畑
大栄町の石上さんの畑にやってきました。ごぼうの収穫です。

 

ごぼうの葉っぱ
ごぼうの葉っぱは意外と大きいです。

 

ごぼう掘り機
石上さんのお父さんが、ごぼう掘り機を運転してきました。

 

ごぼう掘り機をバックさせる
畝の幅に合わせて、ごぼう掘り機をバックさせていきます。収穫の始まりです。

 

葉っぱが虫に食べられてしまうと根のの成長も止まってしまうそうです。

 

ミ)
ごぼうの種はいつ頃蒔くんですか?

石)
4月中旬です。これは「柳川理想」という品種なんですが、食味がよくてとても美味しいごぼうなんです。うちでは6センチ間隔に植えていきます。種の間隔を空ければそれだけ太いごぼうが土の中で育つんです。今はシーダーテープというのがあって、そこに種が等間隔にならんでいて、そのテープ(土に溶けるもの)を伸ばしていけば種まきができるので、昔に比べたらラクになったようですよ。

ミ)
へえ~、便利なものがあるんですね。ところで収穫はいつ頃から始まっているのですか?

石)
まだ始まったばかりです。8月頃のごぼうは白くてまだあまり大きくなっていないので、手で簡単に抜けるんですよ。試しにそいつを食べてみたんです。でもごぼうの匂いがなくて、物足りない感じでした。やっぱり土の中でしっかり育っていかないとダメですね。

ミ)
これから寒くなっていきますけど、霜にやられても大丈夫なんですか?

石)
大丈夫です。このまま2月頃まで土の中でまだまだ太く成長していきます。でも暖かくなってくると、トウがたって花を咲かせてしまうので、その前に全部掘りあげて、その後は乾燥しないように専用のビニールの袋に入れて冷蔵庫で保存します。

ミ)
ごぼう作りはどんなことが大変ですか?

石)
草取りかなあ。ちょうど春に植えるから、成長する時期が、草が生える時期と重なるので、草取りが大変です。それと根が育つ前に葉っぱが虫にやられてしまうと、ごぼうの成長も止まってしまうんですよ。そういうのも苦労の一つかなあ。

ミ)
根菜は根っこだけが大きく成長すればいいのかと思いがちだったのですが、以前、根菜も植物なんだから葉っぱがないと光合成もできなくなり成長が止まってしまう・・・と、農家さんから聞いて、根菜も葉が重要なんだなあと思いました。

石)
今年は何だか虫が多いんですよ。元々ごぼうは連作できない作物なので、一度作ったら、4~5年は同じ畑でごぼうを作ることはできません。うちはごぼうだけでも4反歩作っているので、それを連作せずにあちこちの畑で場所を変えるなど、植える前にもいろいろ計画を立てていかなければなりません。

ミ)
この畑はごぼうを植える前には何を植えていたのですか?

石)
ここは最近では、春人参を作って、その後に緑肥の牧草を蒔いて、それから秋採りの大根を植えて、その後またライ麦などを蒔いて、それからからごぼうの種を蒔きました。

ミ)
おかげさま農場の皆さんはときどき麦を畑に蒔いていらっしゃいますよね。センチュウ(害虫)の対策になったり緑肥になったりするとお聞きしました。

石)
そうですね。でも今年はセンチュウがとても多く、先が二股に分かれていたり成長が止まってしまったりするごぼうが多いんです。麦の根が地中に長く伸びていくといろんな微生物が作用してセンチュウ対策になると言われているのですが、ごぼうは4月には種まきをするので、早くに麦をすきこんだせいか麦の根の生育が充分ではなかったんだと思います。

ミ)
畑の作物を輪作していろいろ作っていくのは、まるでパズルのようですね。でも天候や虫の害などがあるから、なかなか予定通りに行かないこともあるんですよね。

石)
そうですね。それにオレはまだ5年しか農業をやっていないから、まだまだわからないことだらけなんですよ。おかげさま農場の先輩達にいろいろ教えてもらいながらやっています。

 

 

ごぼう掘り機の爪
ごぼう掘り機の爪はこんなに大きくて、どんどん掘り起こしていきます。

 

ごぼう掘り機での作業
ごぼう掘り機が進むと、後ろにごぼうが掘り起こされます。

 

ごぼうを拾う石上さん
石上さんが、掘り起こされたごぼうをどんどん拾っていきます。

 

掘りたてのごぼう
掘りたてのごぼうです。

 

ごぼうを集める石上さん
ごぼう作りは草取りが大変だそうです。また葉っぱが虫に食べられてしまうだけで、根の成長も止まってしまうそうです。

 

ごぼうが掘られた後の畑
あっという間にごぼうが掘り起こされました。

 

野菜も生産者もたくましく成長しています。元気なごぼうをおためしください。

 

ミ)
今、他の作物もいろいろ作っていらっしゃるところなんですよね。

石)
うちの場合、秋から冬にかけてが、一番忙しい時期なんです。やっと人参が終わりましたが、ピーマンは木が元気でまだ花を咲かせたり実をならせたりしています。今年はピーマンのハウスにマッシュルーム堆肥というものを入れてみました。マッシュルームの菌床、わら、馬糞、鶏糞などをミックスしたものです。

ミ)
夏は葉物がなかったから風子の店(風楽)もピーマンはたくさん使いましたよ。肉が厚くてツヤのあるいいピーマンですよね。

石)
ピーマンは環境を整えてあげると、ずっと実をならしていくみたいですね。これからは里芋の出荷も始まるんですよ。その後はカブ、小松菜と次々に育っていきます。

ミ)
昨年お邪魔した時は、畑にはもう人参しか残っていない冬の時期でしたが、今年はたくさん野菜があるうちに取材に来ることができてよかったです。智洋さんもすごくたくましく成長している感じだし、これからもがんばってくださいね。どうもありがとうございました。

ごぼう掘り機の後ろについて、次々にごぼうを集めていく智洋さんの動きの身軽なこと!やっぱり若者はいいなあって思いました。

これからどんどん美味しくなるごぼうです。みなさんも食卓にたっぷり登場させてくださいね。

取材:2005年9月27日

 

 

そのほかの作物
ごぼうのほかにもピーマンなど、たくさんの野菜を育てています。

 

掘りたてのごぼう
こんなに立派なごぼうを収穫しました。

 

ぜひお試しください。
ごぼうも生産者もたくましく育っています。旬の味をお楽しみください。

 

 
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