やっぱり有機野菜は甘くて旨い 大栄町 浅井 寛さん
ミレーのすぐ近くに畑がある大栄町の浅井寛さんは「みみずの会」の設立当初からのメンバーです。何度か取材をお願いしたのですが、「どうぜ取材すんなら、野菜がいろいろある時の方がいいよ」ということで、浅井さんのお野菜がたくさんある日を待ってからの取材となりました。
大栄町の浅井寛さんにお話を伺いました。

 

ミレー風子)
こんにちは~。残念なことに雨が降っちゃいましたね。この天気だと畑の写真があまり撮れないので、納屋で作業している様子などを撮りながら、お話を聞かせてくださいね。今はどんなお野菜を作っていらっしゃるのですか?

浅井)
今はけっこういろいろあるぞ。里いも、長ねぎ、ミニとまと、かぶとか、他に葉物もいくつかあるよ。今日は雨が降っているけど、里いもの出荷があるんだよ。それで今、里いもバラしているところだから見てってよ。

ミ)
浅井さんの里いもは、掘ってすぐ塊のまま作業場まで運んでくるのですか?

浅)
まあ、いろいろだよ。畑でバラしてくる時もあるけど、昨日はさ、掘ってる最中に雨が降ってきちゃって、そのまま土と一緒に積んできちゃったんだ。

ミ)
里いもはいつ頃から収穫できるのですか?

浅)
この里いもは早生(わせ:早い時期に収穫できる品種)だからさ、9月の上旬から収穫が始まるんだよ。早生の収穫は10月末には終わるんだけど、今度は晩生(おくて:遅い時期に収穫する品種)ができてくるから、里いもはしばらく続いて2月頃まであるかなあ。

ミ)
早生と晩生とでは味も違うものなんですか?

浅)
不思議なことに植える時期は4月中旬でそう変わらないんだ。だけど、早生は成長が早いというかね、早く収穫できるんだよね。味は早生はさっぱり味、晩生はコクがある味・・・という感じで、ちょっと違うかな。

ミ)
里いもは収穫してから袋詰めするまでに、いろいろ手間がかかる野菜だと聞きましたが・・・。

浅)
そうなんだよ。親芋は食べられないからね、バラバラにしなくちゃいけないし、表面についている根っこや毛もキレイにしなくちゃいけないから、袋詰めするまでにとても時間がかかるんだよ。ここにある機械は毛取り機なんだけど、ここにバラバラにした里いもを入れていくとさ、キレイになって下から出てくるんだ。見たことあるかい?

ミ)
はい。前に他の農家さんのお宅で見せたことがあります。それにしても便利なものがあるんですねえ。

浅井さんは、話しながら里いもをどんどん機械の中に入れていきます。機械が動いて羽が回転しはじめると、下から根と毛が取れてキレイになった里いもが出てきます。

浅)
昔はさあ、これが手作業だったんだから、里いも作ってもいくらも出荷できなかったんだ。竹のヘラで毛を取っていくんだよ。ばあちゃんなんかはずっとそうしてきたんだ。

ミ)
おばあちゃんも袋詰めなどいろいろお手伝いしてくださっていいですね。

浅)
袋詰めだけじゃないよ。うちのばあちゃんは80歳近いけど、今でも俺たちと一緒に畑に行ってくれる立派な働き手なんだ。うちはばあちゃんがいなかったら経営が成り立たないねえ。

 

 

生産物:里芋、長ネギ
生産地:千葉県香取郡大栄町

 

浅井 寛さん
大栄町の浅井 寛さんにお話を伺いました。

 

納屋
あいにくの雨でしたので、納屋での出荷作業の様子を取材しました。

 

かぶ
時期よく、たくさんの野菜を見られました。かぶです。

 

ミニとまと
ミニとまとです。

 

長ネギ
長ネギなどもありました。

 

有機栽培に切り替えてから、作業が増えて休む暇もありません。

 

ミ)
すごいですねえ。昔の方は体の鍛え方が違う!(・・・とひたすら感心する風子)ところで里いもはどのように育てていくのですか?

浅)
4月中旬に、この小芋をマルチを敷いた高畝(たかうね:高めに盛り土した畝)の土の中に植えていくんだけど、これは機械じゃできないんだ。だから1個1個、手で植えていく。それが結構大変だね。20日くらいで芽が出てくるから、その後は脇芽を摘んで一番勢いのいい芽を残しておくんだよ。

ミ)
里いもの葉は大きくて丈夫そうだから、雑草にも強いのですか?

浅)
大きいけどさ、夏を越さなくちゃならないでしょ。だからもう雑草との闘いよ。最初は畝と畝の間をかんり機という草取りの機械を入れていけるからいいんだよ。でも芋は地下に根を張って育っていくから、ある程度したら、もう機械はいれられないんだ。その後はずっと手で取っていくしかなくて、暑い夏の時期はちょっと油断すると草ボーボーになっちゃって、もう大変だね。

ミ)
害虫などにはやられにくいのですか?

浅)
虫はねえ、何が原因で大量に発生するか、よくわからないんだけど、時々すごい勢いで発生して葉っぱを食べちゃうんだ。でも今年はたまたまかもしれないけど、そんなに多くはなかったね。やっかいな害虫には、葉を食べるハスモンヨトウという虫がいるんだよ。大量発生したらもう何にもできない。薬もかけられないし、有機や漢方の忌避剤はもう発生してしまった後にはきかないんだよ。だからそうなったら手でつぶすしかないけど、手でつぶせる量じゃないから、もうお手上げって感じだよ。

ミ)
今年はあまり害虫が出なくてよかったですね。虫が少なかったので里いもの出来もよかったということなのでしょうか?

浅)
わかんねえなあ。虫が少なくても実際に掘ってみて、食べてみるまで本当にわからねえ。虫が少ないから豊作だとも限らないんだよ。有機農業は慣行栽培の半分の量が採れたらいい方だって思っているからさ。まあ、雨がちょうどいい塩梅に降ってくれたから、去年よりはいいかもねえ・・・ってくらいにしか言えねえな。豊作なんてことはまずないんだからさ。

ミ)
やはり有機農業は難しいですねえ。堆肥などはどうされているのですか?

浅)
みみずの会ではみんなぼかし肥料を使って作っているんだよ。配合は個人個人で少しずつ違うけど、板橋(みみずの会の代表)の家に機械があっただろう?あれでかくはんするんだよ。それと、堆肥は牛糞を入れているよ。

ミ)
肥料や堆肥は里いもを植える4月前に畑に入れるのですか?

浅)
そうだよ。2月くらいから堆肥を入れて、その後にぼかし肥料を入れて、うちではその後に糠なんかも入れている。寒い時期から土作りの準備をしておくんだ。

ミ)
浅井さんも「みみずの会」ができる前は慣行栽培の農家をやっていらしたのですよね。どうして途中で有機農業に変えていこうと思ったのですか?

浅)
みみずの会の代表である板橋とは同級生で青年団の頃からの付き合いなんだ。それにメンバーにも同級生が多くてさ、一緒にやんねえかっていうから、まあ、やってみっかって感じで、徐々に切り替えていったんだよ。

ミ)
切り替えていって今はどうですか?

浅)
ああ、大変だよ。思うように収穫できないしさ。昔うちはトマトとキュウリをハウスで作っていたんだ。だから作業量が決まっていて、ある程度やったら体を休めることもできた。だけど有機農業をはじめてからは、作業の量も手間もものすごく増えたよ。みみずの会でも多品目を出荷していかなくちゃいけないし、体を休める暇がないんだ。だからずっと大変だよ。今でもさ。

 

 

毛取り機
里芋の根っこや毛を取る、「毛取り機」を見せていただきました。

 

カゴから里芋を入れる
毛取り機に、里芋を入れていきます。

 

里芋を入れる。
少しずつ手で里芋を入れていきます。

 

根と毛が取れた里芋
機械の下から、根と毛が取れた里芋が出てきます。

 

おばあちゃん
80歳近いおばあちゃんは、一緒に畑作業をしてくれる貴重な働き手だそうです。

 

語る浅井さん
有機農業に転向してから、作業が増え苦労されているそうです。

 

土ごと運んできた里芋
里芋は、土と一緒に運んできて、後から分けることも多いそうです。

 

やっぱり有機野菜は本当に甘くて旨いです。違いがわかります。

 

ミ)
味の方はかわってきましたか?

浅)
そりゃあね、甘くなってきたよ。有機の野菜は本当に甘くてコクがあるんだ。それは土づくりがしっかり出来てきたからなんだろうね。そういう畑で作られた野菜はやっぱり旨いよね。特に根菜類は違いがはっきりしてくるね。時々近くの農家さんから野菜をもらったりするんだけど、たとえば大根なんか辛いだけで甘くないから、最後まで食えないんだよね。やっぱり有機野菜は甘くて旨い。

ミ)
皆さんにお伝えしたいことはありますか?

浅)
一生懸命、手間暇かけておいしい有機野菜を作ってるんだからさ、食べる人も浮気(?)をしないで食べ続けて欲しいよね。よそで野菜が安くなったら、無農薬の野菜は高いから買わないなんて言わないでさ、おいしい!と言って食べてくれる人がいるから作っていけるんだよね。

ミ)
私は逆に消費者として、野菜を作ってくださる生産者の方々がいるからこそ、美味しい野菜が食べられるので、いつも有難いなあと思っています。

浅)
この前もずっと雨が続いていて長ねぎを出荷する時、カッパ着て雨ん中、畑で泥だけになって長ねぎを抜いたんだよ。畑の土は雨が降るとぬかるんで足がズボズボもぐっちゃって大変なんだよ。でもあまりにドロドロで、抜いたあと長ねぎが乾かなかったんだよ。ずっと扇風機を回してたんだけどさ。あの時はそういう野菜しか出荷できなかったんだけど、クレームも特に来ていないみたいだったから、みんなこういうドロドロになった野菜でも文句も言わずに食べてくれたんだなあと思ったら、なんだか有難いなあと感謝したよ。

ミ)
本当に安心して美味しい野菜を食べたいと思っている人たちは、そういうことも含めて農家さんのことを応援していきたいなあと思っているのではないでしょうか。農家さんだって悪条件の中でもできる限りのことはやってくださったのだし、天候などの気象条件はどうすることもできないですものね。

浅)
だけどさ、都会の人が泥だらけの野菜を洗って食べてくれているんだなと思うと、洗う方も大変だろうなと思っちゃうよ。本当に有難いね。

ミ)
これから里いもが美味しい時期になってくるので、私も浅井さんの里いもを食べるのが楽しみです。泥がついている方がおいしそうに見えますよ。まだ土も乾かないくらい新鮮だって証拠ですもの。私も浮気しないで無農薬野菜を食べ続けるし、おいしいお料理を一生懸命作りますので、浅井さんもたくさんお野菜を作ってくださいね。楽しみに待っていまーす!どうもありがとうございました。

取材の日はあいにくの雨で畑に行くことができなかったのですが、浅井さんの納屋と作業場で野菜の袋詰めの様子を見せていただきました。里いもを収穫した後、袋に詰めて出荷するまでに、大変な時間がかかっているのだということがわかりました。秋も深まり、野菜がとても美味しくなってきました。みなさんも浅井さんの里いもをほっくりと煮てみませんか?

取材:2005年10月25日

 

 

かぶを持つ浅井さん
「有機の野菜は甘くてコクがある」浅井さんは言います。

 

取れたての里芋
元気な土のなかで、無農薬で育った里芋です。

 

ぜひお召し上がりください。
「一生懸命、手間暇かけて作っています。」

 

里芋
コクがあって甘い里芋をお召し上がりください。

 
お客様の声
 


 
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