ミ)
やはりご自身も子供たちが生まれて、地域や社会との関わりをいろいろ意識するようになってきたのでしょうか?
高)
一応、この秋に30歳になって、いつまでも子供のままではいけないなあ・・・なんて思いましたけどね・・・。でも30歳という節目はやはり大きかったです。それに秋には3番目の子供が生まれ、ますますしっかりしなくちゃと思うようになりました。子供がすごく好きだし、自分も3人兄弟だったので、3人がいいなあと思っていたんですよ。
ミ)
武治くんは、子育ても一生懸命やっているいいパパなんでしょうね。
高)
秋に下の子が生まれて以来、2番目の梓が赤ちゃん返りしてしまったので、今、どこに行くにもボクと一緒なんです。だから畑にも一緒に行って、大根を抜いている時も畑で遊んでいたり、車の中で寝ていたりしています。
(お話している間もずっと武治くんは梓ちゃんを抱っこしていました)
ミ)
ずっと一緒だとお仕事するのも大変でしょう?
高)
自分一人だったら、収穫している時にじゃまされたりしたら、イライラしちゃうこともありますね。でもうちはじいちゃん、ばあちゃん、若じいちゃん、若ばあちゃんと4世代で住んでいるでしょ?そうするとじいちゃんたちはすごいんですよ。落花生の選別なんかしていて子供たちが横にいてイタズラしても、あまり怒ったりしないで、「よくできたね」なんて言っているんですよ。そういうのを見ていると見習わなくちゃって思うし、大家族っていいなあって思うんですよ。
ミ)
子育てをたった一人きりでやっていたら、さぞ大変だと思いますよ。私なんか核家族だったから大勢の中で子育てできてすごく羨ましいなあと思います。
高)
逆に大勢で暮す大変さというものもあるんですけどね・・・。でも世代がつながっていると代々の命みたいなものは感じます。堆肥を入れたり、麦を植えたりと、今やっている仕事が即、来年の作物の生育に反映されなかったとしても、少しづつ土ができてきて、いつか子供たちが農業をやる時にはちゃんとした土になっているかもしれないな・・・とか、長いスパンで物を見ることができるようになりましたね。今、家の裏にある山を切り開いて作った畑はまだ土ができていないんです。でもそれも何十年か先にいい土になっているかもしれない。そうしたら子供たちは家のすぐ近くの畑で野菜が作れるようになるんだな・・・そんなふうに思って仕事をしています。
ミ)
ミレーのお客様にお伝えしたいことは何かありますか?
高)
今、自分としては有機農業とか無農薬とかあまり意識して特別視しないようにしようと思っているんです。むしろ日本と言う国の中で農場をやり続けていくのはすごく大変なことなので、そんな中で有機に限らなくても、農業をやっている人たちがいるというだけでスゴイことなんじゃないかなと思って・・・。
ミ)
確かに日本は本当に農業を守ろうとしているのかなというのは自問だし、この先どうなってしまうのだろうかと不安もたくさんありますね。
高)
偉そうなことは言えませんが、食の現場をとにかく守りたいと思っています。それとある人が「子供たちに残せる財産は土しかない」と言っていたのですが、まさにそのとおりで、子供たちに何が残せるんだろう?っていつも考えながら、農業をやっていきたいと思います。
2番目のお子さんである梓ちゃんは本当にパパっ子で、お話の間もずっと武治君にべったり。武治君が畑に行こうとしたら、置いていかれるのではないかと泣いてしまったほど。でも赤い長靴をはいて一緒に大根畑に行ったら、すごくご機嫌になって「この大根、持っていかなきゃ、しゃーないよねー」なんて話しているんですよ。すごく可愛かったです。この子たちが大きくなってもこの畑ではきっとたくさんの野菜たちが育っていくことでしょう。
取材:2005年12月19日
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