大栄町 府間 冬樹さん

ミレーではすっかりおなじみとなりました、 美味しい野菜を作り続けている生産者グループ「みみずの会」の府間さんの畑におじゃましてきました。風子が府間さんの畑に行くのは2年ぶりのことです。

大栄町「みみずの会」の府間 冬樹さんの畑に行きました。

 

ミレー風子)
こんにちは。道を覚えていたつもりだったのですが、2年ぶりだったので、すっかり道を忘れてしまい迷っちゃいました。

府間)
ちょうど前回の取材も今くらいの時期だったかなあ。黒田五寸の人参を収穫していた時だったよね。

ミ)
そうですね。でもあの時人参を作っていたのは向こう側の畑だったような気がしますが・・・。

府)
そうなんだよ。みみずの会では、人参や他の野菜も栽培する畑の場所を毎回変えて作っているんだ。確かあの時は向こうの道路側で人参を作っていたよね。

ミ)
今は主にどんな野菜を作っているのですか?

府)
今はね、冬野菜全般。冬は野菜の数が四季の中で一番多いんだよ。ほうれん草、長ねぎ、人参、里芋、大根、白菜、たあ菜、キャベツ、かぶ。今の時期は、みみずの会の他のメンバーもたくさんの種類の野菜を作っているんだよ。

ミ)
この長ねぎはまだ出荷していないのですか?

府)
これはね、これからブンケツ(苗を分けること)していく「坊主知らず」という種類の長ねぎで5月に出荷するんだよ。まだまだこれから土の中で育っていくネギなんだ。

ミ)
5月に出荷するものが今からもう畑の中で育っているのですか?

府)
そうだよ。野菜によっては育つのに時間がかかるものもあるからね。これはミツバなんだけど、今年の5月に植えたものなんだ。けっこう状態がよくて来年の4月頃には美味しいミツバが出荷できると思うよ。

ミ)
もう美味しく食べられそうなミツバなのですが、まだ食べられないのですか?

府)
食べられないことはないけど、まだあまり香りも強くないし美味しくないんだよ。この後、培土(ばいど:作物の根元に土をよせること)すると、そこから新しい根が生えてきて、土の高さの分だけ根ミツバが育っていくんだよ。

ミ)
でも今年の4月に植えて食べられるのが来年の5月なんて、丸々一年がかりで栽培されたものになるんですねえ。

府)
ミツバは出荷までかなり時間がかかる野菜なんだけど、植えてから夏を越すからいつも虫にやられてしまって、なかなか思うように育たないんだよ。今年は比較的状態がいいから、大丈夫かもしれないけれど、難しい野菜だねえ。

 

 

生産物:人参、ほうれん草、長ネギ、里芋、大根、白菜、たあ菜、キャベツ、かぶ他
所在地:千葉県香取郡大栄町

 

府間さん夫妻
府間さんご夫妻にお話を聞きました。

 

府間さんの畑
府間さんの畑には、ちょうどたくさんの種類の野菜がありました。

 

たあ菜
たあ菜です。色が濃く、元気な葉を大きく広げています。

 

ねぎ
長ねぎは「坊主知らず」という種類だそうです。

 

無農薬栽培は、いつでも虫と草との闘いです。

 

ミ)
やはり無農薬で作っていると、害虫対策なども大変なのでしょうね。

府)
この白菜もそうなんだ。キャベツや白菜は葉が多いから虫が食べるところもいっぱいあって、薬をかけないで育てるのは本当に大変なんだ。特に今年の秋は9月頃まで暑かったからシンクイムシ、ヨトウムシ、アブラムシなどがたくさん発生してしまったんだ。その後はずっと曇りや雨が続いて、涼しくて日照不足だったせいか成長も遅かったよ。だから今年はけっこう外の葉が茶色くなっているものが多いんだよ。

ミ)
有機の忌避剤で害虫を退治することはできないのですか?

府)
ああいう有機の薬というのは、虫が発生する前は使えるけれど、いざ発生してしまった後は、もうどうすることもできないんだ。だからシンクイムシなどはピンセットでつまみ出して手作業で退治していくしかなくてね・・・。それでも気候条件がよかったりすると大丈夫なこともあるから、無農薬野菜は天候次第という部分も大きいんだよね。

ミ)
白菜にもいろいろ種類があるのでしょうか?

府)
これは「王将」という早いうちに出荷できる品種で、向こうは「としこし」と言って、寒さに強い品種で王将の後に出荷するものなんだ。両方とも甘くて柔らかくて美味しい白菜だよ。

ミ)
草取りなども除草剤を使わないで手作業で行うとなると、かなり大変な作業ですよね。

府)
あのネギの周りも草だらけでしょ?あれもこれから手で取っていくんだけれど、冬だからって安心できないんだ。冬草は冬草で伸びていく勢いがあるからね。放っておくとネギの高さを越えて、冬でもネギが見えなくなってしまうときがあるんだよ。

ミ)
冬の間も草がどんどん育っていくなんて、ちょっと信じられないのですが、すごいですねえ。冬草というのも・・・。

府)
だから一年中、草との闘いっていう感じだねえ。

 

 

ミツバ
ミツバは今年の5月に植えたもので、出荷は翌年の4月だそうです。丸1年かかります。

 

白菜
無農薬で作っていると、白菜はとくに虫に狙われやすいそうです。

 

語る府間さん
薬をかけないで害虫から野菜を守るのは、本当にたいへんだそうです。府間さんは語ります。

 

たとえ虫食いがあっても、安心して食べてくださいね。美味しくて元気な野菜です。

 

ミ)
こちらの人参は前に教えていただいた黒田五寸ですか?

府)
そうだよ。とても甘くて味が濃くて美味しい人参なんだよ。でも土に中で割れやすい性質があるから育てにくい品種なんだ。

ミ)
肥料などはたくさんいるのでしょうか?

府)
豚糞と籾殻で作っている堆肥を入れている。堆肥は1反歩あたりに2トンは入れているよ。肥料は糠、油粕、魚粉、牡蠣ガラ、籾殻などをミックスしたボカシを使っているのだけれど、みみずの会のメンバーはそれぞれ配合が違うんだ。土壌検査で土の成分の傾向を見てもらって、うちはカリウムが強いと言われたので、苦土(くど)などを加えて調整しているんだ。

ミ)
カリウムというのは窒素、リン酸、カリのカリウムですよね。三大栄養と言われているのに、多いといけないのですか?

府)
土全体のバランスなんだろうねえ。多ければいいというわけでもないみたいだね。根の方に行く栄養が偏ってしまうこともあって、成長する後半になって人参や里芋などが土の中で割れてしまうみたいなんだよ。不思議なもんだねえ。

ミ)
でもそうして検査しながら土を良い状態にして野菜を作っているから、みみずの会のお野菜は美味しいんですね。

府)
そう言ってもらえると嬉しいけれど、無農薬で作っていくというのは本当に大変でね。テレビで映されるようなキャベツ畑とか見ていると、1本も草が生えていないし、虫食いもないキャベツがずらーっと並んでいて、随分キレイなんだよね。ああいう畑を見てしまうと、無農薬野菜の畑に来たことがない人は、キャベツはあんなにキレイにできるものなんだって、キレイなのが普通なんだって思ってしまうよね。だけど、無農薬で作っていると、畑は草だらけだし、野菜は虫食いだらけだし、テレビのようにはいかないんだ。お客様にそういう生産現場を見てもらえたらいいなあと思っているんだ。

ミ)
私は草が生えている畑を見るとほっとしますね。むしろ、あんまりキレイな畑だと、さぞかし薬をたくさん使っているんだろうなあと思ってしまいます。

府)
こうして無農薬で作っている野菜をたくさんの人たちに食べてもら
えたら、それは我々生産者にとってはすごく嬉しいことなんだよ。だからちょっと形が悪くても虫食いがあったとしても、安心して食べてもらえたらなあと思っています。

ミ)
でも、たあ菜でも人参でも本当に美味しそうですね。このたあ菜なんて葉っぱがピンピンしていて、元気がいいですものねえ。みなさんにもこんなに美味しくって安心して食べられる野菜たちをたくさん食べていただけたらいいですね。どうもありがとうございました。

取材の日はとても寒い日だったので、畑で立ったままお話しているうちにすっかり冷えてしまいました。風子はその後、店に帰るからいいのですが、府間さんご夫婦は取材の後も、草取りやら野菜の収穫やらと農作業が続きます。寒い中を一生懸命育ててくださった野菜たちです。どうぞみなさんも美味しく食べてくださいね~。

取材:2005年12月6日

 

 

ねぎの周りに生えた草
除草剤を使わないため、草取りも大変な作業です。冬でも安心できないそうです。

 

人参を採る府間さん
府間さんに人参を採っていただきました。

 

黒田五寸
黒田五寸という種類の人参です。甘くて味がとても濃いです。

 

堆肥
堆肥は土のバランスをとるために、こまめに調整するそうです。

 

たあ菜をもつ府間夫妻
安心して食べられる、美味しい野菜をぜひお召し上がりください。

 

 
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