春にんじん 北崎 農さん

前回、北崎さんの取材に行った時は ちょうど端境期(はざかいき)で、収穫できる野菜がない時期でした。それでも畑にはトンネル(保温の為に小さなビニールハウスのようなもの)がかかっていて小さなにんじんが芽を出していました。今回は北崎さんのお宅の前で待ち合わせをして、そこから車で10分ほど走った場所にあるにんじん畑で、お話を伺ってきました。

春にんじんを作っている北崎 農さんの畑に行ってきました。

 

ミレー風子)
こんにちは。お久しぶりです。ご自宅から随分離れた場所に畑があるのですね。

北崎)
車で10分ちょっとだから、離れているって言えば離れているんだけど、まあ近いもんだよ。にんじんの畑は毎年場所を変えて作っているので、いつも転々と移動しているんだよ。

ミ)
畑が遠いと作業の効率が悪くならないのでしょうか?

北)
もちろん家の近くにも畑はあるんだけど、私は一度にんじんを作った畑では4年間はにんじんを作らないようにしているから、どうしても自分の畑だけでは足りなくなってしまうんだ。それでにんじんだけは空いている畑を借りて作っているので、毎年、畑の場所が変わるんだよ。

ミ)
そう言えば前の取材の畑ともまた違った場所ですものね。でもどうして畑を借りてまで、4年もの間、同じ場所でにんじんを作らないようにしているのですか?

北)
にんじんは野菜の中でも連作が難しい野菜でね、連続して同じ畑で作ると、1年目はいいんだけれど、翌年から土の中の成分が変わるのか、細菌性の病気にかかりやすくなってしまうからなんだよ。それにこの辺りでは使われていない畑がたくさん残っているしね。

ミ)
今、作っているにんじんは、何と言う品種なんですか?

北)
向陽2号と言われている品種だよ。美味しさはもちろんだけど、とても丈夫な品種なんだ。春にんじんは雑草がちょうど生えてくる頃と成育時期が重なるし、虫も多い時期だから、丈夫な品種でないと育てられないんだ。向陽2号は冬にんじんに比べると割とあっさりしているけれど、香りがあって美味しいにんじんだよ。

ミ)
今の時期に春にんじんという呼び名をするのはちょっとヘンな感じもしますが、春に蒔くから春にんじんと呼ばれるのですね。

北)
そうだね。立春が過ぎた頃、2月5日頃からマルチ(雑草避けや保温の為に敷く細長いビニール)を敷いた畑に種を蒔いて、トンネルをかぶせて育てていくんだよ。4月上旬になっても急に冷え込んだりする事があるので、まだトンネルははずせないから、トンネルのビニールを持ち上げながら間引きをしていくんだ。その後、4月末頃になって霜にやられる心配がなくなった頃にトンネルをはずすんだ。植えたのは春でも出荷できるのはその後、120日くらいたってからだから、出荷時期にはもう初夏になっているね。

ミ)
そうすると、堆肥は立春のずっと前に入れているのですね。

北)
堆肥はお正月が終わった頃に畑に入れて、土をならしておくんだよ。

 

 

北崎 農さん
甘いにんじんが育っていると聞いて、おかげさま農場の北崎 農さんの畑に行きました。

 

 

北崎さんの畑
一面緑のにんじん畑。連作を避けるために、毎年畑を変えるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トンネル
冬から春にかけては、トンネルをかけて霜などからにんじんを守ります。

 

堆肥
堆肥は冬の間に入れます。

 

北崎さんのにんじんはジュースにも最適。甘くてコクがあります。

 

ミ)
今、私たちが食べているにんじんは、今年の年明け早々から準備が始まっているという事なんですね。その頃、私たちが食べているのはまだ冬にんじんですものね。

北)
にんじんは栄養たっぷりの野菜だから、私としては一年中出荷したいんだけど、どんなに作付けをずらしても、千葉県では秋になるとにんじんがなくなってしまう時期があるんだよねえ。

ミ)
最近では、健康志向の方が増えてきたので、朝食ににんじんジュースを飲む方たちが多くなってきましたね。風子のお店のお客様でも、一年中にんじんジュースを飲みたいから、にんじんが無い時期は本当に困るという方が、たくさんいらっしゃいますよ。

北)
私も、にんじんジュースは、にんじんがある限り飲んでいますよ。他の野菜も飲もうと思ってジュースにするんだけれど、やっぱりにんじんが一番美味しいし飲みやすいから、ずっと続けられるんだね。

ミ)
北崎さんはにんじんジュースにリンゴを入れたりするのですか?

北)
うちのはにんじんだけ。水もハチミツも加えないでそのままジュースにして家族全員飲んでいるよ。特に春にんじんはジュースにするとにんじん臭さもないし、それでいて甘くてコクがあって、すごく美味しいんだ。知り合いで体の調子の悪い人にもうちのにんじんをジュースにして飲んでもらおうと思って送っているんだよ。

ミ)
今年は日照不足と言われていますが、にんじんの成育には影響がなかったのでしょうか?

北)
やっぱり影響はあったよ。最初に出荷したものは、まだ大きくなっていなかったねえ。ここへ来てようやく成育が平年並みになってきたね。まだまだ土の中で成長していくよ。でも、気温が25度以上になると成長が止まってしまうから、あんまり急に暑くなってほしくないんだけどね・・・。

 

 

冬に植えたにんじん
冬に植えたときのにんじんです。

 

にんじんジュース
水もハチミツも加えず、そのままジュースにしてもおいしくいただけます。

 

 

 

 

 

作業中の北崎さん
今年は日照不足でにんじんの成長にも影響が出ているそうです。この日も、雨でした。

 

土の中から抜いたときに、にんじんの強い香りがしました。甘くておいしいにんじんです。

 

ミ)
さっき、北崎さんがにんじんを抜いている時に、近くで見ていたのですが、土の中からにんじんの姿が見えると、急ににんじんの香りがしてきました。香りがとっても強いんですね。色も冬にんじんに負けないくらい濃いですよ。

北)
まあ、霜にあたっていないから、どうしても冬にんじんの甘さにはかなわないけどね。でも時々、他で売っているにんじんの味をみるために買ってくることがあるんだけど、よそのにんじんはやっぱり味が薄いなあと思うよ。毎日食べているとよくわからないけれど、実際に比べてみると、ああ、味が濃いなあと思うね。

ミ)
おかげさま農場のにんじんは本当に美味しいですもの!特ににんじんとほうれん草は、味の違いがはっきりと分かるなあと、料理していて思います。

北)
そう言って食べてくれる人がいるのが嬉しいね。でも昔に比べて野菜の消費量は減っているみたいなんだよ。おかげさま農場でも、特に里芋やごぼうはだいぶ出荷量が減ってしまったようだね。どうしてかなあ? 健康のことを考える人たちが増えているのに、野菜を食べる量が減っているというのは不思議だなあと思うよ。

ミ)
ミレーのスタッフから、泥つきの野菜をマンション住まいの方が敬遠なさる事があるという話を聞いた事がありますよ。排水管が泥で詰まってしまう恐れがあるからなんだそうです。だけど泥がついているからこそ、日持ちもするし美味しいんだと思うのですが・・・。

北)
泥がついたままの状態で置いておく方が、確かに長持ちするよね。

ミ)
そうですよね。私のお店でも、にんじんは使う量がいちばん多い野菜なので泥がついたまま野菜かごの中に転がしてありますよ。たくさんあっても長持ちするので助かっています。最後にミレーのお客様に何か一言お願いします。

北)
無農薬で安心して食べられる野菜を作っているので、野菜をたっぷり食べて欲しいなあと思っています。

北崎さんはとても穏やかにゆっくりとお話してくださる優しい雰囲気の方でした。お二人いる娘さんも農業をやることになって、奥様と4人、
家族揃って農業をやっていらっしゃるそうです。こんなに優しいお父さんだからこそ、娘さんも一緒にやりたいと思うのでしょうね。

本当に美味しいにんじんでした。みなさんもたっぷり食べてくださいね~。

取材:2006年6月20日

 

 

土から抜いたにんじん
土から抜いたときに、にんじんの香りが漂いました。美味しい香り、自然の香りです。

 

 

にんじん
まるでくだもののような、一味違うにんじんです。

 

 

 

 

 

ぜひお召上がりください。
無農薬で安心して食べられます。ぜひお試しください。

 

 
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