聖護院大根 北崎 農さん

北崎さんの取材は今回で3回目。でも、毎回畑の場所が違うので、今回もまた、待ち合わせの場所に着くまでに道に迷ってしまいました。やっと着いた畑で待っていたのは、優しい笑顔の北崎さんと大きく育ったたくさんの聖護院大根でした。今回は年末年始の人気野菜、美味しい聖護院大根の取材です。

成田市の北崎 農さんの畑にやってきました。聖護院大根が一杯です。
ミレー風子)
すみません。また道に迷って畑に来るのが遅くなってしまいました。北崎さんは毎回畑の場所が違うんですね。

北崎)
同じ畑で同じ野菜を作り続けると連作障害が発生してしまうので、なるべく同じ場所では作らないように、畑の場所を変えているんですよ。だけど、この畑は一番最初の取材の時にも来たんじゃなかったっけ?

(もしかしたら来たのかもしれないのですが、よく覚えていませんでした。すみません~北崎さん!)

北崎 農さん
成田市の北崎 農さんです。同じ畑で同じ野菜を作らないようにするため、取材先の畑の場所が前回と変わっていました。

ミ)
えっ!?ごめんなさい!!よく覚えていませんでした。さて、気を取り直して、今回は聖護院大根の取材なのですが、ミレーでも年末年始の人気野菜のひとつなので、とても楽しみにしてきたんですよ。

北)
最近の若い人には聖護院大根を知らない人もいるそうだけどね。風子さんは料理で使うことがあるの?

ミ)
あまり手に入らないので、よく使う野菜ではないのですが、もちろん知っていますよ。煮物にすると火が通りやすいのに煮崩れしにくいので、とても使いやすいなあと思います。丸いので冷蔵庫にも入れやすくて便利ですよね。

北)
それに何と言っても甘くてやわらかくてとろ~りとしているから、美味しいんだよね。

畑で育つ聖護院大根
畑で元気に育つ聖護院大根。

聖護院大根
ちょっと見ると大きなかぶにも見えますが、れっきとした大根です。

ミ)
そうですね。煮物にすると、大根というよりもまるでかぶのようですよね。聖護院かぶというのもあるようですが、北崎さんが作っているのは聖護院大根なんですよね。

北)
そうですよ。もともと京野菜なんだけど、あまり知られてないから、随分大きくなったかぶですね・・・なんて言われることもあるんだよ。去年なんか作ってもあまり売れなかったけど、おかげさま農場の中でも作っているのは私だけだから、今年も担当になっちゃったんだよ。伝統的な野菜だから、作り手がいなくならないようにしたいなあとは思っているんだけどね。

ミ)
青首大根と比べると、生育や栽培方法に違いはあるのですか?

北)
聖護院大根は短いから青首大根よりも成長が早いと思いがちだけど、実際はそうでもないんだよ。長く伸びない分、横に太っていくから、青首大根よりも成長は遅いくらいだね。それに、青首大根よりも病害虫にやられやすいようだね。丸く太った根の表面をよく虫にかじられてしまうんだよ。

そう言って畑に転がしてある聖護院大根の表面を見せてくれました。美味しそうな聖護院大根なのに出荷しないで畑にうなってしまうのだそうです。確かに傷はついているけど・・・。

煮崩れしないので煮物に最適。甘みが濃くて美味しいです。

ミ)
このくらいの傷だったら普段売られているものとほとんど変わらないように思うのですが、これはもう出荷できないのですか?

北)
傷の部分だけ取り除いて食べてもらえれば大丈夫なんだけど、私も生産者として、こういうものを出荷するのは嫌なんだよねえ。だから、たくさん種を蒔いても、結局半分くらいは、畑に残ってしまうんだよ。

ミ)
もったいない~。これ、私がいただいて帰ってもいいですか?

 ・・・と風子は畑に転がっているある聖護院大根を集め始める。

傷ついた聖護院大根
傷がついてしまった大根は、残念ながら出荷できません。
出荷作業
出荷作業中の北崎さんです。1月一杯は出荷します。

出荷間近の聖護院大根
今年はとくに大きく育っています。

聖護院大根と高野豆腐の煮物
荷崩れしにくく、甘くて柔らかいので、煮物に最適の野菜です。聖護院大根と高野豆腐の煮物を作ってみました。

ミ)
この大根はいつ頃に種を蒔いたのでしょうか?

北)
9月4日頃に蒔いたものなんだよ。ここは去年、にんじんを作っていた畑なんだ。にんじんが終わってから堆肥を入れて、その後、ライ麦を蒔いて緑肥にしたんだ。おかげさま農場では皆、麦や牧草を空いている畑に蒔いて、そのまま畑にうなって緑肥にするんだよ。隣の畑にも、まだ芽は出ていないけれど麦を蒔いてあるんだよ。

ミ)
今シーズンは、いつ頃まで出荷できそうですか?

北)
10アールほど作ったから1月いっぱいは大丈夫だと思うよ。聖護院大根は、地面の中で大きくなるから、種を蒔く間隔を27cmと広めにとってあるんだ。だから同じ作付け面積でも、青首大根に比べると収量は少なくなってしまうんだよ。

ミ)
こんなに寒くなってもまだ土の中で育ち続けているのでしょうか?

北)
今年は暖かいからね。まだ大きくなるよ。それにこれは「冬採り聖護院」と呼ばれている品種で、今の時期が一番美味しいんだよ。

ミ)
北崎さんのお宅ではどうやって召し上がるのでしょうか?

北)
味噌汁や酢漬けや煮物など、普通の大根のようにして使うけど、大根よりも甘みが濃くて美味しいと思うよ。

ミ)
煮物は何と煮るのがお好きですか?

北)
私はね、魚は生臭くてあまり好きではないので、うちではほとんど魚料理をしないんだよ。それでも缶詰なら大丈夫だから、よくツナ缶と合わせて煮たりしてもらっているよ。

とても美味しい野菜です。たくさん食べてください。

ミ)
今の時期、聖護院大根以外では何を作っていらっしゃるのでしょうか?

北)
里芋や白菜やにんじんを作っているよ。私は小さな葉物を作るのはあまり向いていないようでね、根野菜や大きなものが多いねえ。隣りの白菜もすごく大きいでしょ?

ミ)
よく見ると、聖護院大根の畑の中に葉が黄色くなっている部分があるのですが、あの部分は早く種まきした場所なのでしょうか?

北)
種まきの時期は同じなんだけど、この辺りはヘナ土(粘土質の灰色っぽい土)が多くて、黄色くなっている場所は特に水はけが悪いので、きっと地面の中に水分がたまっているのだと思うよ。それで傷むのも早くなってしまうようだね。

ミ)
同じ畑で同じように堆肥と緑肥を入れて作っているのに、場所によって変化があるなんて、野菜は正直なものなんですね。最後にミレーのお客様に一言お願いします。

北)
一生懸命、無農薬で育てている野菜です。今の人たちは野菜をあまり食べなくなったというけれど、とても美味しい野菜なのでぜひたくさん食べてほしいですね。

白菜
北崎さんは、白菜も作っています。聖護院大根と同様に大きく育っています。

ぜひお試しください。
一生懸命、無農薬で育てています。ぜひお試しください。
風子 北崎さんの畑は、どの畑に行っても土がふかふかで柔らかくて、野菜たちがいつも元気いっぱいに育っています。そして、にんじんにしても大根にしても本当に甘くて柔らかくて、ついつい食べ過ぎてしまうほど美味しいんです。聖護院大根・・・この伝統的な昔ながらの野菜がなくならないように、風子もどんどんお料理したいと思っています。ぜひお試しください!!
取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2006年12月8日
 
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