れんこん 小貫信二さん

無農薬でれんこんを作っている小貫さんの蓮田へ取材に行ってきました。蓮田に到着すると、ちょうど小貫さんがれんこん掘りを始めたところで、ゴムの作業服を着て、胸まで水の中に入ってれんこんを引き上げていました。作業小屋の方では、掘り上げたばかりのれんこんを、奥さんが水槽の中で洗ってカットしているところでした。小貫さんが蓮田から上がってくるまで奥さんにお話をお聞きしました。

無農薬でれんこんを作っている小貫さんにお話をうかがいました。

ミレー風子)
こんにちは。私はれんこん堀りの作業をみるのは初めてなのですが、あんなに深いところまで入っていくのですね。ビックリしました。

小貫さんの奥さん)
最初のうちは畦道から近い場所を掘っていくのでいいのですが、掘り進んで行くとだんだん畦道から遠い場所になってしまって、蓮田の中を歩く距離が増えて大変なんですよ。

蓮田を進む小貫さん
池のような蓮田の中をかき分けるように進む小貫さんです。

ミ)
奥さんも一緒に蓮田に入って収穫するんですか?

奥)
私は怖くて入れないんですよ。足元はぬかるんでいて歩きにくいし、泥で重たいから中での作業は重労働なのよ。

ミ)
れんこんの収穫がこんなに大変だなんて・・・・。れんこんのお値段が他の野菜に比べて高いのも納得できる気がします。ところで、このれんこんはいつ頃植えたものなのでしょうか?

奥)
5月頃ですね。田植えの時期と同じ頃に代かきをして蓮田を整えます。その後、堆肥と肥料を入れます。れんこんは、新しく種を蒔いたりするのではなく、昨年のれんこんをそのまま残しておいて、芽が出てきたところを、水をはった蓮田に移しかえるような形で横向きに植えていくんです。しばらくすると節から新しい茎が出てきて、それが育ってれんこんになっていくんですよ。

れんこんの根をカットする
小貫さんの奥様は、収穫したれんこんの根を出荷できるようにひとつひとつカットしていました。

ミ)
今年のれんこんの生育はどうでしたか?

奥)
やっぱり春の日照不足が影響しているのかしらねえ。春頃にあまり大きく育たなかったから、今年は収量がすごく少なくて、収穫も早く終わってしまいそうよ。

奥さんはお話をしながらもずっと手を動かしていました。 まずは水槽の中かられんこんを取り出して洗います。そして、まな板の上で根っこをカットして、途中が黒くなっているものや傷んでいるものはよけていきます。奥さんとお話しているうちに小貫さんが蓮田から上がってきました。

いろいろと条件が厳しいため、有機認証を受けたれんこんは珍しいです。

ミ)
お疲れさまです。蓮田の中での収穫作業はとても大変そうですね。それにとても冷たそうです。

小貫)
そうだねえ、水の中は冷たくても、動いているのですぐに汗をかいてしまうんだよ。いい運動になるけど、やっぱり大変だね。今の時期はこの作業を午前中いっぱい週2回やっているんだ。

ミ)
あの雪の上で使うソリのようなものにれんこんを積んで運んでくるんですね。

小)
そうなんだよ。あのソリはボートと呼んでいるんだけど、泥の中を一本一本持ってくるのは大変でしょう? だから掘ったれんこんをあの上の乗せて、満杯になったら、こちらの畦道からロープで引っ張って取り込むんだよ。

小貫信二さん
収穫作業の合間に小貫信二さんにお話をうかがいました。

収穫したれんこんを載せるボート
収穫したれんこんを「ボート」に積んで陸揚げします。
計りにのったれんこん
一日に100kgくらい収穫することもあります。

れんこんの切り口
有機認証を取得したれんこんはめずらしく、貴重です。

ミ)
一度にどのくらい収穫するのでしょうか?

小)
多い時は100kgくらい収穫するんだけど、今年はできた量が少ないのでいつもよりはちょっと少なめなんだ。今日は60kgくらいかな。

ミ)
れんこんはどのように掘るのですか?

小)
収穫作業は10月頃から始まるんだけど、最初に葉先だけを切っておくんだ。葉先を切っておくとれんこんの渋みが抜けるんだよ。掘り上げる日になったらホースを引き伸ばして蓮田の中に水を流し入れると、その水圧で浮き上がってきたれんこんをまとめてボートの上に乗せていくんだよ。

ミ)
有機認証を取得しているれんこんは、本当に珍しいですよね。

小)
うちはあまり面積が広くないからできたのだと思うよ。れんこんの有機認証を取得するのは条件がいろいろと厳しいので、大規模にやっている所だと本当に取りにくいと言われているんだよ。

ミ)
農薬を使わないれんこん栽培は、どのような点が大変ですか?

小)
ザリガニがね、芽や茎をハサミで切って食べてしまうんだよね。ナマズを入れておくとザリガニを食べてくれるというので、田んぼの中に放っているんだけど、ザリガニの繁殖力がすごいのでいたちごっこだね。

奥)
それにほら、こうしてれんこんの表面が黒くなっているものがあるでしょう。これはれんこんの病気なので、こうなってしまうと出荷できないんですよ。

ミ)
でもこの黒い部分だけカットして料理すれば、何の問題もないと思うのですが・・・。

小)
やっぱり見た目も大事でしょう。みんながみんな黒いれんこんでもいいというわけではないからね。

歯ごたえがあるのに柔らかくて、甘くて美味しいれんこんです。

ミ)
どのようにすれば天敵や病気を防ぐことができるのでしょうか?

小)
石灰窒素などを入れると殺虫効果もあるみたいだけれど、そうするといい虫もみんな死んでしまうよね。私は、いろいろな生物が水の中に生きているから美味しいれんこんができると思うんだ。うちでは有機認証を取得しているので、鶏糞などから作られた有機肥料と、有機認証で指定された牡蠣殻石灰を使っているだけだから、水の中には微生物などがたくさん生きている。だから害虫や病気を防いだりはできないけど、安心して食べられる美味しいれんこんが育つのだと思うよ。

ミ)
小貫さんのお宅でもよくれんこんを召し上がっているんですか?

小)
収穫した時期や場所によって味も変わってくるんじゃないかなって思うから、自分の家でも週に2回はれんこん料理を食べているんだよ。作っているものの味がわからないと困るでしょ?

ミ)
それはそうですよね。野菜は季節によって味が変わりますからね。ところで小貫さんに蓮田の中でれんこんを持っていただいて写真を撮りたいのですが、もう今日は堀り終わってしまったのですよね。

小)
そうだね。それに蓮田の中では作業に追われていて笑うゆとりなんてないし、特に今年は収量も少なくてとてもニッコリなんて気分にならないねえ・・・。去年に比べたら4割くらい少ないんじゃないかな。

ミ)
じゃあ、本当に貴重品ですね。小貫さんの収穫が終わらないうちにたくさんいただかなくっちゃ。最後にミレーのお客様に一言お願いします。

小)
数が少ないからいつまで出荷できるかわからないけれど、薬を使わずに安心して食べられるれんこんなので、これから正月なんかにもいろいろ料理してたくさん食べてもらえたらと思っています。

れんこんとその他の野菜
お正月に煮物などに、とても便利な野菜です。

れんこんのハンバーグ
小貫さんのれんこんを使ってハンバーグを作りました。貴重な有機れんこんで、様々な料理をお楽しみください。
風子 今年のれんこんを風子も分けていただいて、ハンバーグやキンピラにしてたっぷりいただきました。歯ごたえがあるのに柔らかくて甘くて、とっても美味しいれんこんでした。これから正月にかけて大活躍のれんこん。どうぞたっぷりお召し上がりくださいね!
取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2006年12月25日
 
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