春大根 大師

今回はみみずの会の代表である板橋一夫さんの畑に行ってきました。もう何度も取材に伺っているのですが、畑に行っても板橋さんはどこかで農作業中の様子。いくら探してもお姿が見えず、思わず「板橋さ~んっ!」って畑の真ん中で叫んでしまいました。

みみずの会代表の板橋さんに春大根「大師」のお話を伺いました。

板橋さん)
こっちだよ。あれれ、取材に来るのは今日だったけかな。このところずっと忙しかったので忘れてたよ。すいません。今の時期、種まきも多いし、冬に蒔いた野菜がどんどん育っているから、とにかくやることがいっぱいあるんだよ。

ミレー風子)
お忙しい時期にすみません。よろしくお願いします。今回は大根の取材なのですが、大根はハウスの中で作っているのですか?

板橋一夫さん
成田市みみずの会代表の板橋一夫さんです。
ハウスの中
ハウスの中は、大根の葉っぱが一面に広がっています。一棟に2000本くらい植わっています。

大根を抜く板橋さん
早速、一本抜いていただきました。大きく立派に育っています。

板)
そうだよ。12月に蒔いたものなんだ。ミレーにももう出しているけれど、4月いっぱいいけるかなあ・・・。

ミ)
随分たくさん育っていますが、ハウス一棟にどのくらい植えてあるのですか?

板)
一棟で2000本くらいだね。春大根なので、いつもよりは株間が狭いんだけど、今年は暖かかったから、元気に育ってこんなに大きくなってしまったよ。

 ・・・と言って板橋さんは大根を土の中から抜いてくださいました。

ミ)
スゴイ!!大きいですえね~。春大根はわりと中ぶりのものが多いのですが、冬大根に負けないくらい立派に育っていますねえ!!

板)
大根はね、植えたままだと、そのままずっと成長し続けるんだよ。出荷する時期と成長していく度合いが、いいタイミングで合うといいんだけど、1週間ずれただけでも相当違ってくるからね。この大根も充分大きくなっているから、早く出荷させたいなあ。

ミ)
この時期はハウスと言っても、中にトンネルもかけていないし、横のビニールも開け放っているので、開放的ですね。

板)
そうだね。寒さよりもハウスの中が暑くなりすぎる方が心配だからね。とにかく暖かいから、どんどん育って土の上から大根が頭を出してくるんだよ。早く食べてくれ~って言っているみたいだね。

春は虫が発生するので大変です。農薬に代わるニームを使って防虫します。

ミ)
大根はアブラナ科でしたよね。今は春だし、このまま土から頭が飛び出して葉っぱが伸びていったら、それが菜の花になったりしないのですか?

板)
春大根はね、葉っぱが出る時期が春なので、とう立ち(抽苔:ちゅうだい。花を咲かせようと、株の中心にとうが立つこと。)しにくい品種に改良されているみたいだね。春だからと言っても、とう立ちしたら出荷できなくなっちゃうよ。

ミ)
今作っている大根は、何ていう品種なのでしょうか?

板)
「大師」という品種でね、冬に蒔いて、春にできる春大根の仲間なんだよ。この大根はもともと白首大根の系統なんだ。今は青首の方が主流だけど、日本に昔からあったのは、実は白首大根だったそうだよ。だから比較的原種に近いものなんだろうね。

ミ)
このハウスを見ていると、蒔いた種のほとんどが無事に大きく育つことができたって感じがするのですが・・・。

大師
春大根「大師」は白首です。冬の大根に引けをとりません。

板)
まだ今の時期は虫も草も少ないからね。でももう時間の問題で、一日ごとに虫の発生は増えていくよ。それに、みんな大きく育っているように見えても、土から抜いてみるとね、二股に分かれているものや、コガネムシにかじられているものなど、いろいろあって、無農薬栽培の場合は100%出荷できるなんてことは絶対にないんだよ。

ミ)
ぱっと見ただけでは判断できないものなんですね。土の中にも虫たちがいて、しっかりと栄養を取ろうと獲物を探しているんですねえ。

板)
根っこだけでなく、葉っぱも虫に食われちゃうからね。

大根の葉
大根の葉を食べる虫が悩みの種です。

語る板橋さん
農薬の代わりに「ニーム」を使って防虫しています。自然のものゆえ、劇的な効果は期待できませんが、それでも虫は少なくなりました。

ミ)
葉っぱを食べちゃう虫も、もう発生しているのですか?

板)
そうだね。コガネムシ、タネバエ、ハモグリバエなんていう奴もいるんだよ。小さいからよく見ないと見つけられないけど、葉っぱの成長点を食べちゃうから困るんだ。

ミ)
毎回、思うのですが、本当に虫との戦いですねえ。

板)
でも、1年くらい前から、虫の防除にニームかすを使い始めたんだ。インドセンタンという木の実でね。うちではその実の絞りかすを使っているんだけど、ニームオイルとか顆粒になっているものとか、実際にニームの木を植えたりとか、使い方はいろいろあるみたいだね。ニームの木に含まれているアサゲイラクチンという成分が、幼虫の脱皮や羽化を妨げると言われていて、この葉を食べた虫は餓死してしまうそうだよ。

ミ)
前に岡田君の畑に行ってニームのお話を聞いたことがあります。自然に生えている木の成分に除虫効果があると知って、農薬の代わりに使えたらいいなあと思いました。

板)
ニームは自然のものだから、劇的な変化と言うほどの効果はないんだけど、使い始めてからは、何となく虫が前よりは少ないかなって感じているよ。

甘くて柔らかくてサラダにも使いやすい美味しい大根です。お試しください。

ミ)
このハウスはずっと大根を植えているのですか?

板)
前はちんげん菜を植えていたよ。基本的に連作はしないんだ。連作が続くと、どうしてもカビや細菌が発生しやすくなるのでね。

ミ)
これだけハウスにも畑にも野菜がたくさんあると、本当にこれから野菜の出荷で大忙しになりますね。

板)
そうなんだよ。キャベツやレタスやにんじんや玉ねぎ・・・・・。仕事がなかなか追いつかなくてね・・・それに草取りもしなくちゃいけないからねえ。

ミ)
お忙しい時期に申し訳ありませんでした。最後にミレーのお客様に一言お願いします。

板)
大根はやっぱり冬が一番美味しいのですが、この大根は白首の品種で甘くて柔らかくてとても美味しいです。春になってもたくさん大根を食べてほしいなあ。サラダにしても柔らかくて美味しいですよ。それと、この時期の大根は、栄養たっぷりの大根の葉も、状態が良ければ付けたまま出荷するので、一緒に茹でて食べてください。菜っ葉のように柔らかくて食べやすいです。すぐに葉っぱを食べない場合は、大根からカットして別々に保存しておくといいですよ。

出荷を待つ大根
板橋さんはこれから出荷に大忙し。甘くて柔らかい春の大根です。ぜひいっぱいお召上がりください。

大根のとまとスープ
大根のトマトスープを作りました。「大師」は柔らかいのでサラダに使っても美味しいです。ぜひお試しください。
風子

板橋さんの畑はたくさんの木々に囲まれて、畑に行く道にも水仙などの花々がたくさん植えられています。とてものどかで、春らんまんという感じでした。だけど、そんな季節は農家さんにとってはのんびりムードとはほど遠い時期なんですね。畑で元気に育っている野菜たちを見るだけでも農家さんの仕事量の多さはわかりました。皆さんも板橋さんが一生懸命育っててくださった大根をたっぷりお召し上がりくださいね!

取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2007年4月6日
 
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