千葉県旭市  林 完治さん

ミレーから車で20分。きゅうりやトマトなどの生産がさかんな千葉県旭市という場所に、地元でも「大変おいしい」と噂のトマトを育てるトマト名人がいます。林完治さん。その技術の高さと味の良さから、千葉県一と表彰された経験もお持ちの、トマト一筋25年の農家さんです。

トマトが好きだから

「トマト栽培は簡単ではないけど、でも僕はトマトが好きでね。おいしくて毎日食べたいと思えるトマトを作りたかったんですよ。」
ぷっくりおいしそうにふくらんだトマトを前に、にっこり笑顔で話す林さん。

トマトは、果物と同じく生のまま食べることが多い野菜です。味の良いものが求められていますが、実はトマトの栽培は難しく、水や肥料の調整を違えただけで実をつけなくなるなど育てるだけでも大変なため、なかなか「味」に注目する農家さんがいないのも事実。
それでも、林さんは25年間、トマトの「味」、そして「安全性」を重視して栽培に取組んでいます。

トマト一筋25年。林さんのハウスを訪ねました(写真上)/穏やかな眼差しでお話しくださる林さん(写真下)
噂のトマト おいしさの理由
丁寧に手入れされたトマトの樹(写真上)/トマトが育つ土台は全て林さん手作り。決して人任せにしないのが林さん流(写真下)

トマトハウスに入ると、まず目に飛び込んでくるのが、丁寧に手入れをされた丈夫なトマトの樹。太陽の光がしっかりと当たるよう、トマトの葉は適度に剪定され、その下にはつやつやに輝くトマトが収穫を待っていました。

「トマトは太陽の光をゆっくり当ててあげるとおいしくなるんです。もちろん、毎日様子を見ながら適度な温度で肥料と水を与えて(※)、樹を元気に育てることも大切ですよ。おいしくなるだけでなく、病気にもかかりにくくなるから、農薬も通常の三割くらいで済むんです」
と林さん。
さらりと言葉にする一つ一つの作業に、25年間の工夫と経験が光ります。


かける手間は人一倍。使う肥料も、トマトを育てる土台も、さらにはハウスを温める装置まで、林さんは決して人任せにはしません。
必要があれば設備も手作りし、最適な環境を作るためなら何でも自らやってしまうのです。

※安定的においしいトマトを育てるため、林さんは養液栽培という方法を採用しています。土の代わりに岩石やコケから作られた資材を用い、適度な水分と養分(化学肥料)を与えて育てます。

夜、トマトを保温するためのネット。さらに温かくなるようにと2枚重ね。愛情を感じます(写真上)/環境への負荷が低いヒートポンプでハウスを加温。ここまで出来る農家さんは滅多にいません(写真下)

味を決めるのは「農家の腕」
完熟したトマトを収穫中。端から食べてしまいたくなるほどツヤツヤでおいしそうでした(写真上)/林さんの<味>がぎっしり詰まったトマトです(写真下)

「実は目標にしている農家さんがいてね。トマトの世界ではとても有名な農家さんなんだけど、その人のトマトの味が忘れられなくて。だからやっぱり、味を決めるのは農家の腕だよ。品種だけじゃない。だから、これからも仲間と一緒に、どうやったらおいしくなるかを研究し続けていかないとね。」

そう話す林さんが手にしていたのは、桃色に熟した桃太郎という品種のトマト。
丸かじりさせていただくと、ぎっしり詰まった果肉の中から甘くて濃い果汁がジュワっ!
昔、夏の畑で食べたようなトマトのいい香りが辺りにぶわっと広がりました。
「収穫からお届けが早いミレーには、樹で完熟させたものを出荷できるから、特においしいトマトを召し上がっていただけると思いますよ」と林さん。

旨みぎっしりの林さんのトマト

林さんのハウスの中では、用途別に数種類のトマトが1年中栽培されています。
季節ごとの味の変化もお楽しみいただきながら、太陽の光をあびて育った栄養たっぷりの完熟トマトをぜひお召し上がりくださいませ。


取材者:米久保 和美
年月日:2008年12月12日

 
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