千葉県成田市 川島幹男さん

一年を通じてミレーにさまざまな野菜をお届けいただいている「みみずの会」の皆さん。みみずの会は18年ほど前に結成され、模索しながら無農薬・無化学肥料による栽培を貫いてきました。今回はみみずの会の設立当初からの会員である川島幹夫さんの畑にお伺いしました。土づくりといい作物をつくることへの強い思いに加え、川島さんなりに営農体系を確立してきた矜持が、多くのお客さまを惹きつける野菜を生み出しています。

作物の基本は「とにかく土作り」

川島さんはじゃがいも、オクラ、にんじん、だいこん、ピーマンなど年間10品目ほどの作物を栽培。滋味あふれる野菜づくりの土台となる土づくりに細心の注意を払い、輪作体系を確立しています。
「とにかく土づくりをきちんとやって、良い作物を作らなくてはならない」と決意を秘めた言葉が口ぐせのように出てきます。
この時期の旬野菜の一つはオクラ。5月初めに種をまき、樹高にややばらつきがあるものの順調に生育。長年の経験と知恵の積み重ねでつくられた良質な土は、オクラをいっそうみずみずしくさせているようにみえます。
川島さんは言います。
「この畑はもともと土の力があるから、これからもっといいオクラができてくると思う。土の力はすごいよ。でも手を抜くと決していい作物はできない」。

順調に育っているオクラ。
一段とみずみずしさを増しています。

こうした川島さんの姿勢は作物に反映され、豊かな味わいとなってお客さまにも伝わっています。お客さまからは「生産者さんがこころを込めて作ったという気持ちが伝わってくる野菜たちです」とのお便りを何度もいただいています。

畑の手入れは労を惜しまずに行う

毎日、作物の状態には目を光らせています。

土づくりを徹底して行うことはもちろん、皆さんにいっそう喜ばれるものをお届けするため炎天下のなか作物の状態を毎日、観察。
たとえばオクラの幹の状態を確かめながら葉を摘んだりして、よく実るよう細部の手入れを日々、行います。
木が疲れないよう追肥するなどして基本的な管理はできる限りやっています。どこまできちんと管理できるのかは工夫のしどころだね」と川島さん。
畑に赴いた際、驚いたことの一つが、作物の栄養分のもとになるぼかし。米ぬか、かに殻、糖蜜、もみ殻、魚粉などを混ぜ、いかにも美味な作物の栄養源になりそうな出来栄え。
このぼかしを入れた容器に顔を近付けると、甘酸っぱい香りが立ち上っていました。

より美味しさを求めて日々、畑と向き合う

川島さんは、みみずの会の設立とほぼ同時に無農薬栽培に着手。
「当初はなかなか上手くいかず失敗も多かった。ほうれん草などは害虫で全滅したこともあった。最初は大変でも3年、5年と土づくりをしっかりやってゆけば、害虫による被害も少なくなり、いい作物ができると考えたんだ」と振り返ります。
こうしてより深く畑と向き合う日々を送るなか、土や作物の微妙な状態が判断できるようになり、その土地に最も適する作物が分かってきたそうです。
「ここの土は少し疲れてきているな、というようなことは勘で分かるようになった」と説明します。
ところで、川島さんの家系は代々農家。「親の背中を見ながら」農業者としての生き方を求め、同時に技術を確立していったのでしょう。先代からは「家は守れよ」ということも言われてきたとのこと。その思いを胸にしまって、しっかりと営農体制を整え経営を軌道に乗せてきました。

(写真上)美味な作物の栄養源となる良質なぼかし。/(写真下)菅谷さんの「作品」の数々。
努力と工夫が実り、今年も立派に結実しました。

「お天道様をはじめ自然の力で作ったものを美味しいと言われることが営農の原点だし一番うれしい。そのために作物と対話しながらできる限りのことをやっているのです」と川島さん。
長年、苦労をいとわず手入れを続けてきた畑を見つめる目はとても穏やかで、深みをたたえています。


川島さんによく似合う、通称「三角帽子」。

川島さんをお訪ねしたとき、麦わら帽子がとても似合っていて印象的でした。
その姿を見て、畑に赴くことは川島さんにとって天職なのだろうと感じました。炎天下の中、畑に案内していただいたところ、どこもきれい整地され、雑草が少ないことにしきりに関心。
「ちょっとてらった言い方をすれば、野菜とよく話をすることが大事だね」と何度か話されていました。このような姿勢で汗を流す川島さんの野菜を一年を通して食すことができることは、大きな喜びです。

取材者:松本 一直
年月日:2009年7月14日

 
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