しゃきっと歯ごたえ しかも みずみずしい レタス

風子が「みみずの会」の岡田君の取材をしたのは2年ほど前のこと。私は若い人たちと話すのがとても好きなので、その時の取材は、とても楽しく思い出深いものとなりました。その後、何度となく岡田君には会っているのですが、改めて取材で畑に行くのは2年ぶり。この間、岡田君には双子のお子さんも生まれてパパになっていました。

成田市大栄の岡田耕治さんの畑に行きました。一面レタスでいっぱいです。

 

ミレー風子)
こんにちは。今回はレタスの取材です。トンネルの中にたくさんレタスができていますね。このトンネルはまだ取らないのですか?

岡田)
5月に入ったら取りますよ。今回は普通の玉レタスとは別に、もう一つコスレタスというレタスを作っています。シャキシャキしていて、色もキレイなレタスです。今の時期は草もそれほど生えてこないし、虫もあまりいないから、一番作りやすいんですよ。けっこううまくできたと思っているのですが・・・。

ミ)
レタスって今の時代では、一年中欠かせない野菜になってしまっているからいつが旬だかわからなくなっていますよね。実際にはいつ頃が旬なのでしょうか?

岡)
確かに、ハウスやトンネルで作った作物を、本当の旬のものとは言いませんよね。実際の旬というのは種を畑に蒔いて、そのままで自然に芽が出て育って収穫できる時期のことを言うから、そういう意味で、レタスは4月下旬から6月下旬の春物、10月下旬から12月中旬の秋物が旬なのではないかと思います。

ミ)
この畑にもマルチが敷いてありますが、いつも使っているのですか?

岡)
マルチは、草の生育を防いでくれるのでいつも使っています。でも、このマルチはビニールではないんですよ。ビニールよりはちょっと弱い材質なのですがでんぷんやとうもろこしを原料に作られていて、微生物に分解されて土に還る材質なんです。

ミ)
すごいですね。そういう製品があるんですか?いつもマルチを見ていて、すごい量の産業廃棄物だなあと思っていたのですが、こういうものがあるといいですね。

岡)
でもけっこう値段が高いんですよ。かなりコストがかかるので「みみずの会」の中でも使っている生産者は少ないんです。実は、エコの視点からというよりも、このマルチだと、使用後にはがさなくてもそのまま土にうなうことができるので、作業効率の面でもとても楽なんですよ。従来のマルチだといつまでも残っているから、野菜が生えていた穴などから草が生えてきて根っこが強く張ってしまうので、マルチをはがすのが大変なんです。それにビニールと違って温度や風によって伸びることも少ないので、しっかり土を覆ってくれて助かっています。

ミ)
前よりも畑が広くなったように感じます。岡田君は今、どんなものを
作っているのですか?

岡)
レタスでしょ。それから京菜、カブ、ズッキーニなどです。この場所の面積自体は変わらないのですが、別の場所に畑をさらに借りて作付け面積は増やしました。

ミ)
今回の取材では、パパになった岡田君の想いについて、いろいろお聞きしてみたいなあと思ってきたのですが、やっぱり家族が増えて、経済効率などを考えて作付けを増やしていったということでしょうか?

岡)
そういうことはあんまり考えていないんですよ。今までは、作りたい野菜がどんどん出てくるのに面積が狭いため、連作をしないように、作付けする野菜を季節ごとに組み合わせていくのがやっとで、畑を休ませることができない状態でした。セン虫対策として牧草の種を蒔いたりもしたいのですが、そのためには空いている畑が必要になるので、他に畑を借りて面積を増やしていったのです。

 

 

生産物: レタス
生産地: 成田市大栄

 

岡田さんの畑
岡田耕治さんの畑にやってきました。

 

 

岡田耕治さん
若手生産者の岡田耕治さんです。

 

 

マルチ
これが土に還るマルチ(土を覆っているフィルム状のもの)環境に配慮しています。



かぶ
かぶも柔らかくておいしいです。
双子の子どもも生まれて、ますます充実です。

 

ミ)
すごく貫禄がついて、もう新規就農者という感じではなく、「農家さん」の顔になってきたような気がしますね。仕事は充実していますか?

岡)
そうですね。今、目の前にある仕事をしながらも次の季節に向けての準備を常に考え、種まきをしたり、畑を耕したりと、焦らず順繰りに作業できるようになりました。農家というのはその繰り返しなんですね。絶えず作業を続けていくというか・・・。それがうまく回って準備が着々と進むとすごく嬉しいんです。だけど、雨が続いたり資材が思うように揃わなかったり、トラブルがあったりすると、ちょっとイライラしてしまったりしますね。

ミ)
やっぱり収穫の時が一番嬉しいのですか?

岡)
最初は仕事を単体でしか見られなかったから、例えば今ここにあるレタスを収穫することだけを考えていた時期もありました。収穫は確かに嬉しいですよ。だけど農業ってそれだけではないんです。最近では、収穫はほんの一瞬で、その前に、収穫に向けての細かい過程がたくさんあって、その一つ一つの全てが収穫につながっているということが実感としてわかるようになりました。今でも畑にいるのが大好きだし、収穫が終わった畑でも次の季節へと農作業は継続しているから、毎日、畑に来ています。そしてそれは、農業をやりたかったという昔からの夢が今も継続しているということの表れだと自分では思っています。

ミ)
野菜を無農薬で作っていく上で、いろいろ苦労していることもあるのでしょうけれど、岡田君にはそういう大変さみたいなものが、あまり感じられないような気がするのですが・・・。

岡)
好きなことをやらせてもらっているからだと思います。それに自分でもすごく苦労したとか、這いつくばってがんばったとか、血の滲むような努力をしてきたとかいう感じはないんですよ。たまたまなのでしょうけれど、好きなことを仕事にしてきて、いつも楽しかったし、もちろん大変なことはあるけれど、それほど大きな苦労をしているというわけではないと思います。

ミ)
どうしてなんでしょうか?新規就農の人たちは多かれ少なかれ、かなり苦労をしているのではないかと思いますが・・・。

岡)
たまたまラッキーだったんだと思いますよ。僕は分からないことは何でも先輩に聞いているんです。だから自分一人で悩むことはありません。困っていることも相談しているし、とにかく見栄をはらないで、分からないことは、分かりません教えてください・・・と、率直にお願いしています。幸い「みみずの会」の先輩方は良い方ばかりなので、いろいろな事でご指導いただいたり、助けていただいたりしました。そして先輩方のおかげで今では何とか家族も自分の農業の収入で食べていけるようになっています。

ミ)
奥さんも協力してくれているのですか?

岡)
今は育児にかかりっきりなので、ほとんど自分一人で作業していますが、それでもいいと思っています。それにカミさんは僕が農業をやりたいということを理解して応援してくれているので、その気持ちだけでも嬉しいんです。でも、いよいよ農業で食えなくなったらトラックの運転手でも何でもしてね・・・なんて言われているから、良い結果を農業で出さなくちゃいけないなあと思っています。

ミ)
でもこの間、パパになって、それも初めてのお子さんが双子だから、さぞ育児が忙しいでしょ?

岡)
そうですね。でも自分のペースはあくまで畑中心で基本的にはあまり変わっていないんですよ。朝など子供たちの食事の世話をしたりしていると、あっと言う間に時間が過ぎてしまい、おちおちしていると畑に行けなくなっちゃうから、適当に切上げてます。本当に育児ってキリがないんですよね。でもその分、夜は子供たちをお風呂入れたり一緒に食事したり、いろいろやっていますけど・・・。

ミ)
子供が生まれたことで、自分の中で何か変化がありましたか?

岡)
子供たちが大人になった時、どんな社会になっているのだろうかということをよく考えるようになりました。今より経済効率優先の社会になってしまったら嫌だなあと思います。それに、お金が第一で金さえあれば何でもできるという発想はしてほしくないですね。そういう社会のシステムの中で、働き蜂のように働き続けてクタクタになって消耗してしまうような生き方ではなく、自分のやりたいことを見つけて、一人一人が楽しく生きていけるような社会になっていけばいいなと思っています。

ミ)
それは岡田君自身もそういう生き方をしていきたいということですよね?

岡)
はい。お金はもちろん欲しいけど、大金持ちになりたいわけではない。お金があることで失ってしまうこともあると思っているから。それに、お金を稼ぎたいという欲求にはキリがないでしょう?家族が健康で楽しく好きなことをしながら暮らしていきたいし、そういう価値観を共有できる人たちとつながっていきたいと思っています。

 

 

 

 

かぶ
人気のスティックブロッコリーは間もなく出荷予定です。

 

 

かぶ
夏にはズッキーニが登場します。

 

 

 

作業中の岡田耕治さん
若手と言われていても、すっかり貫禄が出てきた岡田さんです。

 

電話中の岡田さん
畑にいるのが大好き。岡田さんは語ります。

 

岡田夫妻
双子のお子さんが生まれて、家庭でも大忙し。奥様はただいま育児に専念中です。

 

 

畑
子育てと畑仕事。両立が大変です。

 

子育てと野菜を育てるのは同じ。愛情たくさん注ぎます。

 

ミ)
これからやりたいことは何かありますか?

岡)
僕はこうして何とか好きな農業をしながら食べていくことができています。僕のように、これから田舎で農業をやりたいと思っている都会の若者たちがたくさんいると思うんですよ。そういう人たちをうまく田舎に呼び込んで、農業をやっていく仲間がどんどん増えていったらいいなあと思っています。そのために自分が新規就農のモデルケースのような形で話をしたりアドバイスできたらいいですね。農業で食べていくのは大変で、並大抵の努力ではできないというのではなく、岡田にもできたのだから、俺達もやってみようかな・・・やってみたいなあ・・・そんなふうに思ってもらえるような生き方をしていきたいと思っています。でもそれは特別なことじゃないんです。毎日の生活の中で普通に実践していきたい。それにはもっともっと若い仲間達が欲しいし、実績もあげていきたいですが・・・。

ミ)
岡田君はいつも夢があって楽しそうですね。今は夢でもきっと実現すると思いますよ。

岡)
僕は「みみずの会」の方たちにすごくお世話になり、とても感謝しています。本当にいろいろなことを教えていただきました。そのおかげで今の自分があるわけなんですよ。今度は自分が「みみずの会」のために何ができるか、そして社会に貢献しながら何かをお返ししていく番だと思っています。やっぱり生きている以上、誰かの役に立つことをしていきたいですね。

ミ)
最後に子育てと野菜を育てることについて何か一言ありますか?

岡)
基本的には、野菜を育てることも子供を育てることも同じ・・・みたいな感覚が自分の中にはあります。ずっと見守っているというか・・・だけど、いつも良い状況だけというわけではない。大変なことや過酷なことも体験させたい。気持ちは成長していくことを待っているけれど、決して手をかけすぎない。そしてできないことができたら、パチパチって誉めてあげる・・・みたいな感じかな。野菜も子供も可愛いことには変わりがないんですけどね。

岡田君と話していると、今時、こんなにいい若者がいるんだなあと、とてもさわやかな気持ちになります。「おかげさま農場」の代表である高柳さんは、岡田君のことを「さわやかなずうずうしさがある奴だ」と表現したそうですが、その例えは本人も(風子も?)認めるくらいピッタリです。肩肘はらずに、素のままの自分をさらけ出しながら、いろいろな人たちに可愛がられてしまう岡田君には天性のキャラクターがあるのかも・・・。

そんな岡田君の作ったレタスは伸びやかで元気そのもの。発送当日の朝に一つ一つ丁寧に収穫しているからシャキッと新鮮でとってもきれいです。レタスってこんなに美味しかったんだ!?って、きっとびっくりしますよ。皆さんぜひ食べてみてくださいね。

取材:2006年4月29日

 

 

 

玉レタス
おなじみの玉レタス

 

 

 

ロメインレタス
サラダにぴったり、ロメインレタスです。

 

 

 

ぜひよろしくお願いします。
子育てと同じように、野菜もしっかり愛情注いで育てています。おいしいレタスをお召上がりください。

 

 

 
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