春の日差しを浴び、すくすく成長

ほうれん草や小松菜などの葉野菜を、ほぼ一年を通して出荷されている岡澤さん。岡澤さんの葉野菜は、「ほうれん草はやっぱり岡澤さんのじゃなくちゃ!」「うちの子は岡澤さんの小松菜しか食べないんです」といった声も多く、ミレーの中でも、はっきりと違いの分かる葉野菜として大人気です。その岡澤さんの畑に2年ぶりの取材に行ってきました。

香取市の岡澤 健男さんに取材しました。葉物がいっぱいです。
ミレー風子)
お久しぶりです。前回の取材の時は、まだここは佐原市でしたが、市町村合併で香取市に変わったんですね。あの時は岡澤さんが交通事故に遭われた直後で、とても辛そうでしたが、その後、体調の方はいかがですか?

岡澤)
相変わらずだねえ。今もずっと病院に通っているんだよ。事故の後遺症というのはなかなか全快しないものらしいから、ずっとこのままかもしれないね。だからあまり力仕事ができないんだよ。

岡澤健男さん
岡澤 健男さんです。ほうれん草や小松菜などの葉物を作っています。

ミ)
一年を通して葉野菜を途切れることなく出荷していくのは、健康な人にとっても大変なことなのに、お体の調子が悪いとなお大変ですね。

岡)
私自身の体調が悪いから、今は種まきや収穫も全部、パートさんに任せているんだよ。それで全体的な作業の流れを見るようにしている。あとはハウスや露地の畑を見て回り生育状況を把握しながら、出荷できるかどうかをチェックしたり、次の種まきの時期などの段取りをたてて指示するようにしているんだ。現場監督のようなものだね。

岡澤健男さんのハウス
ずらっとハウスが並んでいます。

ミ)
かなり広い畑ですものね。確か、全部で300アールくらいと前にお聞きしましたが・・・。

岡)
ハウスだけでも27棟あるからね。それでも出荷のピーク時には足りないくらいなんだよ。だから良い場所さえ見つかれば、もう少し増やしたいなあと思っているんだけど・・・。

ミ)
えっ?!これ以上増やしていく予定なんですか?

岡)
長くやってきた経験から、葉野菜は連作しても、ハウスの中で安定して栽培できるということがわかってきたからね。

ほうれん草を連作できるための工夫を伺いました。
ミ)
有機農業の場合、一つの作物を連作しないようにすることが基本と言われていますが、岡澤さんのほうれん草は、どうして連作が可能なのでしょうか?

岡)
長く有機農業をやってきたことで土ができてきたからね。うちの土はほうれん草などに適したpH7.5くらいのちょうどいいアルカリ土壌になっているんだよ。堆肥や、油かす、米ぬか、有効微生物などをブレンドした肥料を使っているんだけど、これは葉野菜の味もよくしてくれるみたいだね。

ミ)
土作りと肥料の他にも何か工夫されている点はあるのですか?

岡)
収穫された後の葉野菜の野菜くずなど、残ったものを土にすき込んだりしないんだ。細菌性の病気などにかかりやすくなるので、収穫のたびに、残っている野菜や草などは、熊手で履き出して、土に混ぜないように掃除しているよ。

ミ)
ハウスの中には草がほとんど生えていませんが、これも特別な方法を取り入れているそうですね。

岡)
夏に温水消毒を行っているんだよ。90度の熱水をハウスの中に散布してマルチを敷き、閉め切って1週間から10日ほど放置しておくんだ。ハウスの中を高温にすることによって雑草や細菌の繁殖を抑えることができるんだよ。

ミ)
真夏に熱水を使うのだからハウスの中はかなりの温度になりそうですね。でも夏にやっても翌年の春にはもう草が生えてしまうのではないですか?

岡)
うちの場合、最近は草も以前よりは生えてこなくなったね。収穫の時も見つけたらとってもらっているし、草だらけという状態にはもうならないよ。

ミ)
土もできているし、草もあまり生えてこないなんて、ハウスとしては理想的な環境を保っているわけですね。だから岡澤さんのほうれん草はいつも美味しいんですね。

岡)
以前、長ねぎを作っていた頃にね、ユウレイ草と言われる寄生植物が大発生して、長ねぎが全滅したことがあるんだ。その時、温水消毒を初めて試してみたんだ。50度でユウレイ草は全滅したみたいだね。それに温水消毒の場合、その効果が持続するみたいだね。

ハウスの中
緑色がとても鮮やかなほうれん草。ハウスの中にはあまり草が生えていません。


収穫の様子
ハウスの理想的な環境を維持することで、美味しいほうれん草が育ちます。

ミ)
効果が持続する自然な消毒方法だと助かりますね。熱水をどうやって散布するのですか?

岡)
ハウスごとに散水できるんだけど、熱水はボイラーで沸かすので重油が必要なんだよ。重油もビニールハウスの資材も最近は値上がりしているから大変だね。

ミ)
露地と比べてハウス栽培は安定して収穫することができますが、設備投資の部分で大変なんですね。

野菜を食べない人が増えているそうだけど、ぜひたくさん食べてください。
小松菜の苗
小松菜の苗はハート型です。

ほうれん草の苗
こちらはほうれん草の苗。双葉が細長いです。
岡)
ところでまだ小さい芽の時のほうれん草と小松菜の葉っぱの違いがわかるかい?

ミ)
小さい時ですか?意識して比べてみたことはありませんが、葉の形が違うのでしょうか?

岡)
そうなんだよ。こちらがほうれん草。ほうれん草の双葉は細長いんだよ。小松菜の方はハート型なんだ。本葉が出てきたら、だんだん葉っぱの形になっていくんだけど、一番最初の葉っぱは全然違う形をしているんだよ。

ミ)
本当ですね。これがほうれん草の双葉ですか・・・。ぱっと見ただけだと私はこれがほうれん草だなんてわからないですね。もちろん小松菜も・・・。

岡)
両方とも双葉の時はかわいいね。本葉が出てからは2ヶ月くらいで収穫できるんだけど、これからの季節は暖かくなって成長も早くなるんだよ。夏になったら種まきから25日くらいで収穫できるものもあるんだ。

ミ)
ハウス栽培のほうれん草でもやっぱり一番美味しい時期というのはあるんでしょうね。

岡)
そうだね。やっぱり暑い季節よりも寒い季節の方が甘くて美味しいよね。それに、露地栽培で収穫できる季節は露地物の方が美味しいと思うよ。だからうちは露地栽培もやっているんだ。

ミ)
最後にミレーのお客様に何か一言、お願いできますか?

岡)
野菜を食べない人が増えているみたいだけど、薬を使わずに一生懸命育てているので、たくさん食べてほしいなあと思います。

ほうれん草
元気に育ったほうれん草。ぜひ食べてみてください。

ほうれん草ドレッシングサラダ
ほうれん草をミキサーにかけてドレッシングに入れた、ほうれん草ドレッシングサラダを作りました。野菜たっぷりです。
風子

可愛らしいほうれん草と小松菜の双葉を見て、小さい頃はこんなに葉っぱの形が違っていたんだなあって驚きました。これからは畑に行ってもほうれん草と小松菜の苗だけはすぐわかりそうです。岡澤さんの葉野菜は、甘みがあって濃厚な風味がとってもおいしいです。春の日差しを浴びて、ハウスの中ですくすくと育ったおいしいほうれん草や小松菜を、皆さんもたっぷりお召し上がりくださいね!おすすめです!!

取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2007年3月12日
 
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