アスパラガス 千葉県産

アスパラガスは風子も大好きな野菜なのですが、千葉県の近くでは作られていない野菜だと思っていました。だから、風子が住んでいる成田市にもアスパラガスを作っている農家さんがいらっしゃると聞いてびっくり!とても楽しみに取材に行ってきました。

鏑木日出男さんにお話を伺いました。なんと千葉県産のアスパラガスです。

ミレー風子)
初めまして。アスパラガスを育てている農家さんとお会いするのは、今回が初めてなんですよ。アスパラガスがどうやって育つのか、何もわからないので、いろいろ教えてくださいね。

鏑木さん)
私もまだ作り始めて6年目なんだよ。谷中生姜を栽培していたハウスがあったので、ハウスを利用できる新しい野菜が何か作りたいと思って、アスパラガスに挑戦したんだ。

ミ)
アスパラガスは北海道や長野などの寒い地域で栽培されているものだと、ずっと思っていました。

鏑)
アスパラガスってなかなか難しい野菜でね、6年やってもまだわからないことだらけだよ。何しろお手本が近くにいないんだもの。長野や栃木で作っている人のハウスまで行っていろいろ教えてもらったんだけど、気候が千葉とは違うでしょ?栽培方法も地域によってかなり違う作物なんだよ。それに、植えて1年目は全く収穫できないし、本格的に収穫できるのも3年目からなんだ。

鏑木日出男さん
成田市の鏑木日出男さんです。

ハウス
千葉県ではめずらしいアスパラガスを作っています。

ミ)
何もないところから始める場合、一番最初は何から準備するのですか?

鏑)
最初は5月頃に苗をハウスの中に定植させるんだ。でもそれは収穫しないで大きな株になるまで育てるんだ。そして秋になると株に勢いがついてくるので、その上の部分をカットする。

ミ)
えっ?わざわざ元気よく育っている株の先をカットしてしまうのですか?

鏑)
そうなんだよ。休眠させないと翌年に春芽が生えてこないからね。茎を伸ばして次の年の養分を蓄えさせるんだ。その後、春になったら小さな芽が大きな株の周りに生えてくるんだよ。それが春芽と言って、この時期、出荷している今しか食べられない若い芽なんだ。地面から直接ポキポキって折って収穫するんだよ。

地面から伸びるアスパラガス
地面から伸びるアスパラガス。折ってみるととてもみずみずしいのがわかります。

ミ)
本当にポキンって折れるんですね。切り口がすごくみずみずしい!!

鏑)
夏に朝一番で収穫する時なんか、太いアスパラガスをポキンって折ったら、切り口から水がしたたり落ちてくることがあるくらいだよ。そのくらい水分をたっぷり含んでいるんだよ。

何もつけずに食べても甘くておいしく、根元まで筋っぽくなく柔らかです。

ミ)
何もつけずにそのままガブリってかじっても美味しいですね。こんなに甘いアスパラガスは初めてです。それに根元の部分まで筋っぽくなくて、全部が柔らかいんですねえ。

鏑)
だけど放っておくとどんどん成長して、すぐ大きくなっちゃうんだよ。じっと見ていると伸びていくのがわかるくらい早く育つんだ。

ミ)
こんなに小さくて可愛いアスパラガスが大きな木になるなんて信じられないのですが・・・。

甘くておいしいアスパラガス
そのまま食べても柔らかくておいしいアスパラガスです。

鏑)
筍のようにグングン伸びていくから、ハウスの天井に届くまであと2ヶ月もかからないよ。1.5mくらいの高さで抑えたいので、最後は天辺の成長点をカットするんだ。

ミ)
その木から葉っぱが伸びてアスパラガスになっていくのですか?

鏑)
違うよ。大きなアスパラガスの株の周りの地面から直接生えてくるんだよ。それにアスパラガスの葉っぱはね、このアスパラガスの節ごとに生えている土筆(つくし)のハカマみたいなところなんだよ。大きくなった木から伸びているのは正確には擬葉といって、葉っぱのように見えるかもしれないけれど、本当の葉っぱではないんだよ。

ミ)
そうだったのですね!!今の時期にこの春芽を収穫した後、アスパラガスはどうなるのですか?

アスパラガスの栽培の大変さを語る鏑木さん
アスパラガスは水をたくさん必要としますので、散水をこまめにします。肥料も多く与えますので、手間のかかる野菜。鏑木さんは言いました。

収穫作業
手間も水も肥料も要するため、アスパラガスを作る人が少ないそうです。

鏑)
春芽はじっくり休眠した後に目覚めた一番最初の芽だから柔らかいし甘いし若いし、とにかく春の今の時期しか食べられない美味しい芽なんだよ。それを収穫した後は、アスパラガスの株が大きくなるのを1ヶ月以上待って、株の周辺から生えてきたものを収穫していくんだ。

ミ)
アスパラガスの栽培ではどういう点が大変ですか?

鏑)
すごく水を必要とするからほとんど2日とあけずに散水するんだ。その分、根の周りの湿度が高いため、茎枯れ病などの病気にかかりやすいので、夏の間はハウスの換気も欠かせない。大きな株になってからは脇芽を絶えずカットしていかなければならないし、株を支えるために支柱も立てるし、たくさんの肥料もいるんだよ。

ミ)
水も人手も肥料も何もかもたくさん必要とする作物なんですね。

鏑)
そうなんだよ。だからあまり作りたいという人がいないんだね。特に肥料では窒素分をとても必要としていて、計算すると1反歩あたり1日1kgも使っていることになるんだよ。窒素分が少ないとすぐに細くなってしまうんだ。

千葉の気候に合わせて工夫しながら作っています。ぜひ食べてください。

ミ)
堆肥も鏑木さんが作っているのですか?

鏑)
そうだね。1月に野菜残渣や米ぬか、木くず、落ち菜などで作った自家製の堆肥を入れてからしばらく置いて、その後は毎月のように追肥しているんだよ。

ミ)
鏑木さんのアスパラガスは化学肥料を使われていないそうですね。

鏑)
以前は使っていたんだけど、今は食の安全やアスパラガス本来の美味しさのために使うのをやめたんだ。化学肥料を使っていた頃はどこかエグミが残っていたんだけど、堆肥中心に切り替えてからは甘くなってきたし、それに何 より食感が違うんだ。美味しくなったと思うよ。

ミ)
ところでホワイトアスパラとグリーンアスパラって違う種類なのですか?

鏑)
同じものなんだよ。ホワイトアスパラは、色を白くするために、育ってきたら塩ビ管のようなものをかぶせて光を遮断させるんだ。伸びてくる部分に土を高くかぶせて栽培する方法もあるみたいだね。生のホワイトアスパラは育てるのがとても大変だから、作る人が少ないんだよ。

ミ)
最後にミレーのお客様に一言お願いします。

鏑)
アスパラガスの栽培は難しくてまだまだわからないことだらけです。初夏には露地栽培でも少し作っています。何度か失敗もしましたが、千葉県でも美味しいアスパラガスができるんだってことがわかったので、この地域の気候に合わせていろいろ工夫しながら、美味しいアスパラガスを作っていこうと思っています。たくさん食べてください。それからアスパラガスの鮮度を保つためには横にしないで立てて保存してください。横にしておくと起き上がろうとして栄養を使ってしまうからね。

ぜひ食べてください
千葉の気候に合わせて工夫して作っています。ぜひたくさん食べてください。

アスパラガスの豆腐マヨネーズサラダ
アスパラガスの豆腐マヨネーズサラダを作りました。素材の味が生きています。
風子

取材に行った時は春の芽が出たばかりの頃だったので大きな木がなくて写真もちょっと寂しいものでしたが、もうしばらくすると、ハウスの中は大きくなったアスパラガスの茎でいっぱいになることでしょう。春芽が終わった後は、木が育つまでしばらくの間お休みしますが、夏前には再び美味しいアスパラガスが再登場します。どうぞお楽しみに!

取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2007年4月2日
 
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