蒸気殺菌で無農薬キノコを育てる

無農薬キノコ|エリンギ・ヒラタケ・あわび茸・白霊茸の生産者、小嶋さん

● 生産物:エリンギ、ヒラタケ、あわび茸、白霊茸
● 所在地:千葉県香取郡多古町



キノコと言えば、秋・・・なんですが、冬でもキノコはお助けマン。鍋に入れたり、天ぷらにしたり、いろいろ楽しめるんですよ。特に今回は新しいキノコ栽培に着手された方がいると聞いたので、すぐ近くでキノコ園をやっていらっしゃる小嶋植菌の小嶋忠敬さんのお宅にお邪魔してきました。小嶋さんはミレーの無農薬しめじでもお馴染みの生産者の方です。ミレーから10分ほど車を走らせ畑の間を抜けていくとなんやら工場らしき建物がありました。

ミレー風子)
こんにちわ。こちらが小嶋植菌さんのお宅ですか?

小嶋)
はい。そうですよ。こんにちわ。まあどうぞお入り下さい。

ミレー)
大きくて、工場みたいな建物ですね。この中でキノコが作られているんですか?

小)
そうですよ。キノコ栽培と言っても自然の中でやっているわけではなく、菌床栽培と言って、ボトル中に菌を植え付けていく方法でうちでは作っています。だから旬に関係なく1年中、キノコはあるんですよ。まず中を案内しましょう。

ミ)
ありがとうございます。さっそくですがあの山は何ですか?

小)
米ぬかやおがくずだよ。菌を植える床に使っているんだ。

ミ)
米ぬかをどんなふうに使うんですか?

小)
米ぬか、おがくず、おから、ふすま(麦の外皮であるもみ殻)をミキサーでよく混ぜてからあそこにあるプラスチックのボトルに入れていくんだよ。無農薬栽培でない所だと、ミキサーで混ぜる時、一緒に殺菌剤も投入してしまうんだけど、うちでは無農薬でやっているから、この後、蒸気殺菌をしているよ。

ミ)
どのくらい殺菌するのですか?

小)
104℃で10時間くらい。その後「接種」と言って、菌を植えつけるんだよ

 

 


ミ)
菌を植え付けた後は、ずっと同じ部屋に置いておくのですか?

小)
キノコの成長に合わせて、部屋を移動していくんだ。最初は20℃の培養室という所に40日くらい置いておいて、発芽したら発芽室に移動するんだ。ここは18℃で1週間くらいかな。それから15℃の栽培室へ行って1週間。それからやっと収穫されてパックに詰められるんだ。

キノコは850cc入りの形の統一されたプラスチックのボトルに入ってそれが16本づつ四角いトレーに並べられ、種類ごとに分かれてキレイに重ねられていました。

ミ)
ずいぶんしっかりと温度管理がされているんですね。キノコに温度管理が必要だなんで知らなかったです。

小)
キノコは成長していく段階で放熱していくんだ。ほらキノコのボトルの間に手を入れてみて。暖かいでしょ。この建物もキノコから出される熱でほおっておくと温度が60℃くらいに上がってしまうのでエアコンはかけっぱなしにしているよ。それに温度だけじゃなくて湿度も一定に保てるようにしているし、キノコは光合成をしないから、換気をしないと酸欠になってしまうんだ。だからいつも新しい酸素を供給できるようにしているんだ。電気代がうちは1ヶ月でウン10万円もかかっているんだ。

ミ)
そう言えばこのお部屋はうちより暖かいですよ。キノコってすごくデリケートなんですね。

小)
雑菌が入り込んで、キノコの菌がやられてダメになってしまうこともあるんだよ。普通は6千本もボトルがあったら、1割くらいは雑菌にやられるって言われてるんだけど、うちは温度管理が徹底しているんで、ほとんど今では雑菌にやられることはないんだけどね。

ミ)
すごいですね。最初から小嶋さんはキノコ農家をやっていて、無農薬で作っていらしたんですか?

小)
家は普通のお米を作る農家だったんだけど、農業大学に行ってキノコのことはそこで勉強したんだ。それで18年前に思い切って設備投資をして、この工場を建てたんだ。ただ最初の頃は殺菌剤も使っていたよ。でもやっていくうちに時代の流れでより安全なものを作っていきたいとと思うようになったので、10年前から無農薬に切り替えていったんだ。最初のうちは雑菌にやられたこともあったけど、蒸気殺菌や、徹底した温度管理をすることによって無農薬でも作れるようになった。今ではほどんど、収量も計画どおりに予測できるようになったよ。


 

 

 

 


ミ)
どのくらいで出荷できるんですか?

小)
エリンギは60日。ヒラタケ(しめじ)とあわび茸は35日だよ。

ミ)
新しいキノコを開発したとお聞きしたのですが。

小)
そう。白霊茸と言って、日本ではまだ販売されていないキノコを培養することに成功したんだ。

ミ)
どこの原産なんですか?

小)
中国らしいよ。でも中国でも珍しくて希少価値のあるキノコだと言われているんだ。

ミ)
どんなふうにして作ったんですか?

小)
だいたい今話したヒラタケと同じような工程で作るんだけど、あんまり具体的なことは企業秘密で?教えて上げられないんだ。何しろデリケートなキノコで作るのが難しくて、今まで流通していなかったものなので、本当に珍しいんだよ。

ミ)
でもとにかく独自の方法で培養に成功したということなんですね。それで食べてみて、どんな味がするのでしょうか?

小)
形はほぼヒラタケと同じなんだけど、色が白くてキレイなんだよ。味は香りが良くって、歯ごたえがあってとても美味しいよ。歯ごたえはコリコリしているからエリンギに似ているなあ。栄養的にはがん細胞の成長を抑制するベータグルカンが多く含まれているということなんだ。アガリクス茸のようにね。

ミ)
それをミレーのお客さまに独占販売していただけるんですか?

小)
そうなんですよ。次々に出荷できるように、現在、準備中ですので、ぜひ皆さん、おいしい白霊茸を食べてみて下さいね。さっそくこれ、持って帰って食べて見てください。

ミ)
うわあ、嬉しい。初めてのキノコです。さっせく料理して皆さんにレシピをご紹介していきますね。白霊茸の出荷楽しみにしていますね。今日はどうもありがとうございました。

取材 2004.1.19

● 生産物:エリンギ、ヒラタケ、あわび茸、白霊茸
● 所在地:千葉県香取郡多古町


 
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