秋はきのこ
ミレーから車で5分程度走った所に、小嶋さんのきのこ工場はあります。なぜ畑ではなく「工場」なのかというと、工場のような建物の中できのこを作っているので、小嶋さんが「工場」と呼んでいるからなんです。小嶋さんの取材は2年半ぶりのこと。美味しいきのこが育っている現場を久しぶりに見てきました。
秋の味覚、きのこの工場で小嶋忠敬さんにお話をうかがいました。
小嶋忠敬さん
小嶋忠敬さんです。前後に並んでいるのは、きのこの菌床のボトルです。
ミレー風子)
お久しぶりです。これから晩秋にかけて本格的なきのこのシーズンになるので、お忙しくなりそうですね。

小嶋)
うちは菌床栽培だから、一年中きのこはあるのだけど、なぜか日本人は秋になるときのこが食べたくなるみたいだね。これからどんどん育てていかないと注文に間に合わないくらいだよ。

ミ)
今はどんなきのこを育てていらっしゃるのですか?

小)
少し前まではいろいろなきのこを作っていたけど、種類の違うきのこを同じ場所で栽培していくと、どうしても菌が混じってしまうので、今は、しめじ(ヒラタケ)とあわび茸の2種類だけにしているんだ。忙しくて手が回らなくなってしまったという事も理由のひとつだけどね。

ミ)
今回もまたいろいろ見学させていただけますか?

小)
どうぞどうぞ。これはきのこを植えつける菌床を殺菌する機械です。菌床はプラスチックのボトルに、米ぬか、おがくず、おから、ふすまなどを入れて 作るんだ。普通の菌床栽培では、きのこに雑菌が繁殖しないように、この段階で薬剤を使って菌床を殺菌するんだけど、うちでは薬を一切使わず、一晩(10時間)かけて摂氏100度のスチームで殺菌しているんだよ。きのこは雑菌に弱いので、菌床をしっかり消毒しておかないといけないんだ。

ミ)
このボトルは何本くらいあるのでしょうか?

小)
一つのトレイに16本ずつ並んでいて、工場全体で20万本くらいあるかな。実際にきのこが植えられているのは8万本くらいなんだけど、回転させていくにはそのくらいの数が必要なんだよ。

ミ)
菌床を殺菌した後は、菌を植え付けるのですね。

小)
そう。菌床栽培というのは、きのこの床となるボトルに「接種」と言って、きのこの菌を植え付けていく栽培方法だからね。その後、培養室で30日から40日ほど、菌が菌床全体に回っていくのを待つんだ。培養室は温度が摂氏20度に設定されていて、きのこの芽が出てくるまで置いておくんだよ。それから摂氏15度くらいに設定された発芽室に移動するんだ。

ボトルとおがくず
ボトルの中は、米ぬかやおがくずなどが入っています。

16本のボトル
このようにボトルは16本ずつ並んでいます。
栽培室では小嶋さんのお母様も収穫作業をされていました。
栽培室
発芽室も栽培室も、工場と呼ぶにふさわしいくらいたくさんのきのこが並んでいます。

小嶋さんのお母さま
栽培室で小嶋さんのお母様とお話しできました。

ミ)
発芽室は霧がかかったような状態のお部屋でしたよね。

小)
何しろ湿度90%だからね。きのこは光合成をしない分、充分な酸素と水分が必要でね。特にこの芽が出てくる時期には湿度をたっぷりと与える必要があるんだ。発芽室には1週間ほど入れておくんだよ。

ミ)
その後、いよいよきのこが大きく育って行く栽培室に行くのですね。

小)
栽培室は温度は摂氏15度に設定されていて、換気もしながらエアコンはいつもつけっぱなし。毎日、栽培室のボトルの中から、大きく育ったきのこを選んで収穫していくんだよ。

栽培室では小嶋さんのお母様が きのこを収穫していらっしゃいました。

ミ)
収穫のお仕事はお母様が担当なんですか?

小嶋さんのお母様)
そうだよ。毎朝、6時半からその日に出荷する分だけを収穫しているんだよ。8時にはパートさんが来てパック詰めして、12時までには出荷するからね。その後、夕方もまた収穫の仕事があるんだよ。

ミ)
夕方も収穫作業があるのですか?

母)
そうなの。きのこは収穫間際になるとどんどん大きくなっちゃうから、朝、小さくても、夕方にはもう大きく育ってしまうの。それを次々に採っていくので、工場にはお休みがないんですよ。

ミ)
あわび茸はすごくモリモリと広がっていて美味しそうですね。どんな食べ方がおすすめですか?

母)
あわび茸は天ぷらが美味しいねえ。孫はこれを混ぜご飯に入れてあげると喜ぶよ。お味噌汁も美味しいよ。あわび茸はアワビのようなシコシコとした歯ごたえがあるし、香りもいいから皆さんにいつも美味しいと言われているよ。

収穫作業
きのこの収穫は小嶋さんのお母様のご担当です。

あわび茸
採れたてのあわび茸です。
「美味しい」と断言できるきのこです。いつでもご賞味ください。
しめじ
大きく育ったしめじです。収穫までには50日くらいはかかります。

ミ)
培養室、発芽室、栽培室と移動しながら、だいたい何日くらいできのこが収穫できるんですか?

小)
47日から50日くらいかな。だから急に大量の注文がきてもすぐには出荷できないんだよ。菌は2日に一回植えているけど、いつも50日後の出荷数を見越して植える数を決めていくんだ。

ミ)
温度や湿度の管理が大変そうですね。

小)
僕たちが歩く工場の中の廊下は、冬は寒くて、夏は暑いんだけど、きのこが栽培されている部屋は、どこも一定の温度と湿度で快適になっているんだよ。人間よりもいい暮らしをしているかもよ?

ミ)
雑菌の繁殖などできのこがだめになってしまう事はないのですか?

小)
時々そういう話を聞く事もあるけど、うちの場合は、徹底して温度と湿度を管理しているし、酸素の供給を守るために換気にも気を配っているので、ほとんどそういうことはないね。

ミ)
ここ数年、きのこは秋に限らず、一年中大人気のようですね。

小)
きのこはローカロリーで食物繊維も多く含まれているからね。血圧やコレステロールを下げ、高血圧や動脈硬化の予防になると言われているし、抗ガン作用の強いβグルカンも含まれているので、健康志向の強い人たちを中心にここ数年人気が高いようだね。

ミ)
最後にミレーのお客様に一言お願いします。

小)
一年を通して美味しいきのこをずっと作り続けています。うちのきのこはプリプリとしっかりしていてとても美味しいので、ぜひ皆さんも食べてくださいね。

商品を持つ小嶋さん

「一年を通して美味しいきのこを作っています。どうぞ食べてみてください。」


きのこ汁
早速きのこ汁を作ってみました。

あわび茸の天ぷら
あわび茸は、他のかき揚げといっしょに天ぷらにしました。秋の味覚満載です。
風子 ボトルから溢れんばかりに育ったピッチピチのきのこたち。思わず「元気いっぱいで美味しそう~!」と叫んだら、「美味しそうなんじゃなくって美味しいんですっ!」って小嶋さんが断言されていました。さっそく風子も家できのこ汁と天ぷらを作ってみました。本当にすごく美味しかったです!皆さんもぜひどうぞ。
取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2006年10月5日
 
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