ミ)
去年の梨はとっても甘くて、取材の時に糖度計で計っていただいたら15度もあって最高記録だっておっしゃっていましたね。
佐)
去年の夏は暑かったし日照時間が長かったからね。今年は15度まではいかないと思うけれど、充分甘いと言われている12度以上にはなっているよ。それにうちの梨は甘いだけでなく、味にコクがあるってよく言われるんだよ。
ミ)
何でそんなに佐藤さんの梨は甘いんでしょね。
佐)
減農薬に切り替えてから10年近くになるけれど、ダシのきいた肥料がいいみたいだね。梨のような果物の肥料は、いくらいいものでも水溶性のものでないと木が吸収していかないんだよ。だから液体の肥料を糠に吸着させて地面にまいているんだ。それとこのあたりの土地と気候が梨の生育に合っているから甘くなるんだと思うよ。
ミ)
今年はそのダシのきいた肥料のことをもう少し詳しく教えていただけますか?
佐)
魚の廃棄物や残さを煮て、タンパク質だけを取り出した肥料を使っているんだ。梨の糖度をあげたり味をよくしたりするために、胚芽タンパクを使った有機肥料も使ったり、ミネラル分を補うために牡蠣殻(かきがら)も使っているよ。土壌バランスは窒素よりもリン酸比が高い方が梨にはいいみたいなので、土壌成分も検査してもらって、バランスが崩れていたら足りないものを補っていくなど、いつでも土が梨にとってバランスのとれた状態になるようにしているんだよ。
ミ)
肥料や堆肥はいつ入れるのですか?
佐)
肥料は梨の収穫が全部終わった後、9月下旬頃にお礼肥え(おれいごえ)と言ってダシのきいた有機肥料を入れてやるんだ。堆肥は牛糞で作っているんだけど、10月の下旬に入れるかな。
ミ)
減農薬ということですが、農薬散布の回数はどのくらいなのでしょうか?
佐)
新芽などにつく虫を防ぐ殺虫剤と、病気を防ぐ殺菌剤を必要最低限だけ使ってるんだ。だいたい片手で済むくらいの回数かな。それにうちは収穫1ヶ月前からは農薬を一切散布していないんだ。通常市販されている梨は、うちの倍以上は薬を使っているし、収穫間際でも使っているところがあるみたいだけどね。
ミ)
慣行栽培では収穫間際でも農薬を散布するのですか?
佐)
生産者によっていろいろやり方があるから、全部とは言い切れないけど、散布しているところもあるみたいだね。梨は虫や病気に弱いから。それと普通は除草剤も使うでしょ。うちは除草剤は全く使っていないんだ。
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