あまい、さわやか、あっさり メロン

銚子は日本列島の最東端に位置しているので、富士山や離島を除くと、日本で最初に朝日が見られる場所です。そのため、お正月には初日の出を拝もうと多くの観光客が訪れています。海に突き出た半島の形をしているし、利根川の河口もあるので水に囲まれていてまるで島のよう。そんな自然豊かな銚子市で、美味しいメロンを作っている農家さんがいました。

海の街、銚子にあるメロン畑にやってきました。

 

ミレー風子)
こんにちは。初めまして。いろいろお話を聞かせてくださいね。

萩原)
遠くからご苦労様でした。うちではラブコール、タカミ、マルセイユ、グランドール、マーブルメロンという5種類を作っているのですよ。

ミ)
私、メロン通ではないので、メロンのことはほとんど知らないんですよ。それぞれの名前と特徴を教えていただけますか?

萩)
マルセイユはスイカのように皮の表面に縦に筋が入っている赤肉系のメロンです。グランドールは黄色くて筋が入っている外見ですが、中味は白肉系です。マーブルメロンは黄色くて縦長で瓜のような形をしており、やはり中味は白肉系です。ラブコールはマスクメロンに似ていて糖度が高く中味も緑肉系です。タカミメロンは今、収穫したものがないのですが、一番ポピュラーで、ご存知のように緑肉系です。

ミ)
何だか5種類もあると名前と色と外見がこんがらがってしまいそうです。

萩)
まあ、慣れてしまえば簡単なんですが、まずは試食してみてください。

そう言って萩原さんは、種類ごとにカットされたメロンを出してくださいました。実は風子はメロンが苦手なのですが、取材である以上食べないわけはいかないので、思い切っていただくことにしました。

ミ)
ご馳走様でした。実は私、メロンが好きではないのですが、4種類とも全部いただくことができました。このメロンだったら不思議と食べられますね。4切れも食べたなんて初めて!とっても美味しくて、もっと食べたいくらいです。

萩)
皆さんよくそうおっしゃっていますよ。うちのはメロン独特のエグミがないし、瓜臭さがないからとても食べやすくて美味しいと評判なんです。

ミ)
食感は白肉のメロンがサクサクとしていて、赤肉(オレンジ)と緑肉のものはトロリとした感じなんですね。どれもとっても甘いです!

萩)
甘さでは、特に緑肉のラブコールの糖度が高く、食味もよく最高級のメロンだと思っています。一般に売られているメロンでは、糖度が15度あれば甘いと言われていますが、うちのは平均すると16~17度はあります。昨年は特に暑かったこともあり、19度になったメロンもあったくらいです。だから甘さには自信があるんです。しかも、しつこい甘さではなくさわやかな甘さで後味がいいんですよ。

ミ)
美味しさの秘訣は何でしょうか?栽培方法に何か工夫があるのでは?

萩)
そうですね。秘訣は栽培方法にあると思います。うちは「環境保全型農業」と自分でも言っているのですが、土壌消毒は行わず、除草剤や化学肥料も一切使わないで農薬は最低限の使用に抑えています。肥料にはボカシを使って微生物がたくさん生息する土作りを目指しているんですよ。こういう栽培方法にしてから確実にメロンの味が変わってきたと思います。

ミ)
農薬を使わずに果物を作るのはとても大変な事だと思うのですが、このような栽培を始めるきっかけはあったのですか?

萩)
銚子市はメロン農家がとても多いんです。私も20歳の時からメロンを作り始めました。当時、知り合いの生産者で、体の具合が悪い人が何人もいたのですが、よく話を聞いてみると農薬をたくさん使ってメロンを作っている人たちだったんです。はっきりした因果関係はわかりませんが、私は多分、具合が悪いのは農薬が原因だろうと思いました。それで24~5歳の頃から、農薬はできるだけ減らして、体にも環境にも優しい農業をやっていこうと勉強を始めました。その後、少しずつ化学肥料を減らしていくなど、徐々に慣行栽培から切り替えていったんですよ。

ミ)
実際の味にも変化が表れるとすごく嬉しいものですね。

萩)
そうですね。美味しいメロンを作りたいと思って「ウォーターデザイン研究会千葉農業アカデミー」というところでもメロン作りを勉強しています。木炭なども畑に入れてみました。そういった試みが、直接メロンの美味しさにつながるというよりも、土の中での発酵を促進し、微生物の働きを活発にしていくことによって、美味しい作物が育つのだと思っています。化学肥料を使うと窒素過多になりがちで、エグミが出やすいのですが、うちのメロンはエグミが少ないんです。それは地中の硝酸態窒素が少ないことと関係があるかと思っています。

 

 

生産物: メロン
生産地: 銚子市

萩原さん
銚子市でメロンを作っている萩原さんです。

 

マルセイユ
マルセイユです。中は赤肉系の実です。

 

グランドール
グランドールは、白肉系の実です。

 

マーブルメロン
マーブルメロンは、瓜の形で白肉系です。

 

ラブコール
ラブコールはマスクメロンに似ています。糖度が高く、緑肉系の実です。

 

 

 

 

 

 

メロン畑
萩原さんのメロン畑に移りました。海の街のイメージが強いのですが、銚子市はメロンの生産者が多いそうです。

 

毎年、たくさんの方が萩原さんのメロンを買いに来てくださるそうです。

 

ミ)
今、作物の中に残る硝酸や窒素についてもいろいろ問題になっているようですね。

萩)
適度に肥料を使用している分には問題がないのですが、化学肥料を大量に入れて作られているものは要注意だと思います。

ミ)
ところで素朴な質問なのですが、メロン栽培はハウスなのでしょうか?

萩)
ハウスではなくトンネル(保温の為の小さなビニールハウスのようなもの)栽培なんですよ。ここは海風が強く、普通のビニールハウスでは飛ばされてしまうんです。それにハウスを作るとなるとコストがかかるので、うちではトンネル栽培にしています。だから2月に種まきをして育苗ハウスで育てた後、地面に定植していくのですが、トンネルを二重にしたり、苗の上には薄い紙キャップをかぶせるなど、保温には充分気をつけています。

ミ)
剪定のようなお仕事もあるのですか?

萩)
はい。4枚の本葉が出て定植する時に本線(真ん中の芽)はカットしておきます。その後、子蔓が4本伸びていくのですが、それも2本にカットします。その後、出てくる孫蔓を伸ばしていくのですが、上の節の部分だけを残して下はカットするなど、絶えず蔓の状態を見ながら剪定をしていくという作業がずっと続くんですよ。

ミ)
受粉も手で人工的にするのですか?

萩)
受粉は花が咲くちょっと前になるとミツバチをトンネルの中に入れて、自然に任せていきます。

ミ)
どのくらいで収穫できるようになるのですか?

萩)
種まき自体は2月の上旬に行って、定植が3月中旬ですね。その後、受粉して着果したら60日で収穫できます。種まきから数えると5ヶ月です。でもいっせいに収穫時期がくるというわけではないので、畑を見回りながら、ちょうどいいものを毎朝、収穫してくるんです。今、メロンの仕事は一番忙しい時期なんです。始まってしまったら1ヶ月間が勝負で、8月上旬にはこの直売所も終わりになるんですよ。

ミ)
直売所に来てくださる方の感想はどうですか?

萩)
毎年、遠い所からも来てくださいます。リピーターの方が多いですね。それに、去年買ってくださったお客様から、今年は親戚に送るからと言ってご注文をいただいたりします。直売所というのは私の顔を見て、作っている人のことや作り方を聞いた上で、納得して買っていただける場所なので、うちでは有機認証を取っていないのですが、私の顔を見て信頼してくださいってお願いしています。だからいつもその信頼を裏切れないなあと思ってがんばって作っているんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

トンネルをめくる萩原さん

海風が強いため、ビニールハウスではなく、トンネルでメロンを育てているそうです。

 

作業中の萩原さん
葉や蔓を剪定するのも根気の要る作業です。

 

 

 

メロン
8月上旬までが出荷のピークです。畑にもよい形のメロンが見られました。

 

直売所
萩原さんの直売所です。

 

人様に感動を与えるようなメロンを作るのが目標です。

 

ミ)
メロン作りにどんな夢を持っていらっしゃるのですか?

萩)
メロンは季節商品なので冬になればもうありません。その間は大根、キャベツ、ブロッコリーなどを作っているのですが、初夏になると毎年メロンの仕事が始まります。メロンは蔓の剪定に手間がかかるし、一番暑い時期に毎朝、畑に行かなくてはならないし、大変だなあと思います。だけど、私の作ったメロンを食べて「美味しさに感動しました」と言っていただいたことがあって、そうだ、人様に感動を与えられるような美味しいメロンを私は作るんだって思って、以来、ずっとそれを目標にしてやってきました。

ミ)
ただ作るだけなら誰でもある程度はできるかもしれませんが、本当に「感動する」というレベルのものまで作るとなると大変なことですね。でもそれを実践されていて、素晴らしいお仕事をしてらっしゃるんだなあと思いました。最後にメロンを食べる時の注意があったら教えてください。

萩)
冷蔵庫で冷やしすぎないことです。メロンが届いてもすぐに召し上がらず、常温で何日か置いた方がより美味しくなります。メロンに食べ頃が書いてありますので、それを目安にしてお召し上がりください。それと食べる直前にちょっと冷やす適度でいいんですよ。冷蔵庫にずっと入れておくと旨みが逃げてしまうので、ほんの少しだけ冷やしてお召し上がりください。

ミ)
どうもありがとうございました。こんなに美味しいメロンは風子も初めてです。いよいよ直売所も後半戦ですが、メロンのお仕事がんばってくださいね。

メロンの銘柄も、その時々に収穫されたものを選んでいただくので、お届けする種類が何になるか、まだわかりませんが、どれになってもハズレがありません。全種類美味しい「はぎわらファーム」のメロンです。ぜひお試しくださいね。

取材:2006年7月10日

 

 

 

収穫されたメロン
収穫されたメロン。人様に感動を与えるようなメロンを作るのが、萩原さんの目標だそうです。

 

 

少し冷やして食べるメロン
メロンは冷やしすぎない方が美味しいそうです。

 

ぜひお試しください。
甘くて、さわやかで、すっきり後味のメロンです。どうぞお試しください。

 

 
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