減農薬米

久しぶりに農家さんに行ってきましたよ。ミレーでもおいしいお野菜の生産者組合でおなじみ「微生物農法の会」のメンバーの一人、芝山町中里にお住まいの斉藤晴記さんの田んぼにおじゃましてきました。すぐ近くには成田空港があり、発着する飛行機が何機も飛んでいるのが見えます。その空の下で斉藤さんはお米を作り続けていらっしゃいます。

 

粘りのある土がおいしい米を作ります。

ミレー早川)
田植えが終わったばかりなんですね。向こうに空港が見えますが、空港さえなかったら、山に囲まれた静かな里という感じのいい場所ですね。

斉)
ここらへんは昔からずっと農村地帯だったから、谷津田に囲まれた田んぼが広がっているんだよ。昔ながらの風景が残っているとてもいい場所なんだ。空港問題をきっかけにここら辺の農家が結束して反対運動が始まった。同時に運動を支援していくために有機農業の動きが起こったんだ。だからこの辺りには今でも有機農業をやっている農家が多く残っているよ。

ミ)
うちのスタッフの一人も芝山から来ているのですが、ここら辺の田んぼは空港周辺の中でも特にカエルやヒル、イナゴや昆虫なんかがたくさんいるいい場所だって言っていました。

斉)
昔からいい湧き水があるからね。農業用水も水道ではなくそのおいしい湧き水を利用しているんだ。キレイな水がある場所にはいろいろな虫がいるよね。農薬を使っていないから地下水も汚染されず、いい水が残っているんだね。これからの季節は蛍だって飛んでいるんだよ。蛍は水のキレイな所にしか生息できないからね。

ミ)
田んぼのあぜ道や用水路の近くにはいろいろな野草が自生していて、とてものどかな感じがしますね。やはり水がキレイだからなのでしょうね。

斉)
クレソンやセリなどもキレイな水場の所にしか生えてこないから、そういう野草がたくさん生えているということは、やっぱりいい自然環境が残っているということだよね。

ミ)
おいしいお米作りの秘訣はやはりおいしい水にあるのでしょうか?

斉)
水はもちろん大事だよ。でもやっぱり農業の基本は土だよね。お米は水はけのよい砂土だとおいしくできないんだよ。粘土土というか粘りがある土の方がおいしいお米になるよね。ここは芝山と言っても多古からはほんの数キロしか離れていない場所で、温度や土などの状態はほとんど多古と変わらないんだよ。だから多古米と変わらない米が作れる特A地区の指定なんだけど、地名が芝山だから多古米と呼ぶわけにはいかないんだよね。でも昔から米を作ってきた土地だから、それなりにおいしい米が取れる土がある場所なんだよ。

 

 

生産物:コシヒカリ
所在地:千葉県山武郡芝山町

 

水田
田んぼは田植えが終わったばかりでした。

 

斉藤晴記さん
斉藤晴記さんです。

 

水田を前に語る斉藤さん
「農業の基本は土、粘りのある土がおいしい米をつくる」斉藤さんは語ります。

 

田植えのあとに除草剤を一回散布するだけの減農薬米です。

ミ)
ミレーでも多古米はおいしいととても人気がありますよ。斉藤さんのお米の特徴を教えていただけますか?

斉)
うちで作っているのはコシヒカリだよ。田植えの1週間後に除草剤を一回、散布するだけの減農薬米なんだ。粒がやや小さめだけど、粘りがあって甘みが強くて、とてもおいしいお米だと思うよ。コシヒカリは茎が長くなるので倒れやすくて弱い稲なんだけど、やっぱり旨い米だよ。

ミ)
田植えの後に一回散布するだけだったら、限りなく無農薬米に近い減農薬米と言ってもいいくらいですね。

斉)
そうだね。稲を植えてからすぐに雑草が生えてしまうと稲がやられてしまうんだよ。でも最初のうちに草が生えてこなかったら、後はどんどん稲が大きく育って、大きくなる頃にはもう草に負けないくらいになっているからね。

ミ)
斉藤さんはずっと農業をやっていらしたのですか?

斉)
芝山の農家の生まれだからね。でも若い頃はサラリーマンもやったことがあるよ。請け負ってよその田んぼの米を作っていたこともある。反対運動にも参加していた。でも結婚を機に家を建て、本格的に農業をやるようになったんだ。葉物を中心に無農薬の野菜も作っているよ。結婚が遅かったから下の子供はまだ3歳なんだけど、やっぱり子供たちにこのふるさとを残してやりたいなあと思ってね。

ミ)
他にもお米を作っていらっしゃるのですか?

斉)
仲間たちと酒を作るために酒米を作ったり、向こうにネットを張っているのはアイガモを田んぼに入れて米を育てるアイガモ農法の田んぼだよ。

ミ)
アイガモ農法というのはよく聞くのですが、どういう農法のことを言うのでしょうか?

斉)
アイガモというのはアヒルとカモのかけ合わせなんだけど、田んぼにアイガモを放つと稲の間を泳ぐでしょ。そうすると田んぼの土が濁って雑草が伸びにくくなるんだよ。だからアイガモのいる田んぼの土はいつも耕されているような状態になるんだ。それに水の中にいる虫も食べてくれるし・・・。

ミ)
本当だ。並んで泳いでいてアイガモがとてもかわいいですね。

斉)
でもこの前、ネットを張る前に田んぼにアイガモを放したら、一晩でほとんどをカラスにやられてしまったよ。アイガモの天敵であるカラスやオオタカ、犬などの防御もしなればならなくて、けっこう手間がかかるんだよ。この線には電気が流れている。犬などはこれに触れると驚いて二度とアイガモを狙わなくなるけど、空からもやってくるから、テグスを張ったりもしているんだ。

 

 

攪拌された田んぼ
除草剤を一回散布するだけの減農薬で作っているそうです。

 

「やっぱり子どもたちにこのふるさとを残してやりたい。」農業に対する真剣な気持ちを語ってくださいました。
「やっぱり子どもたちにこのふるさとを残してやりたい。」農業に対する真剣な気持ちを語ってくださいました。

 

小屋の中のアイガモ
アイガモというのはアヒルとカモの掛け合わせなんです。

 

田んぼを走るアイガモ
田んぼをさっそうと走るアイガモ。

 

アイガモを抱く早川店長
アイガモを抱く早川店長。やわらかな羽毛がかわいい!

 

 

粘りがあって甘味がつよいコシヒカリです。

ミ)
一晩でやられてしまったのですか?自然界の動物の力はすごいですね。本当に薬に頼らずに作物を作っていくというのは手間のかかることなんですね。ところでこの田んぼの水はいつまでずっと入れておくのですか?

斉)
6月中旬にブンケツした後、成長を止めるために一度水を抜くよ。でも7月になったらまた天候と相談しながら水を入れたし出したりしながら調整をするんだ。稲刈り前には水を抜いて、機械が入りやすいように田を乾燥させるんだけど、天候との兼ね合いだから中々そううまい具合にはいかないよね。でも稲刈り間際まで地面に水分が残っている方が旨い米ができるという人もいるんだ。この米はお盆過ぎた頃から稲刈りをするんだよ。でも谷津田というのは土が深いから渇きが遅くで、コンバインを入れるのも中々大変なんだよ。まあだからこそ実が入ってからゆっくりと熟成した旨い米ができんだと思うよ。

ミ)
お米は「八十八日間、手間をかけて作られる」ということから、米という字ができたと聞いたことがあるのですが、本当に稲刈りまでは目が離せないですね。そんな農家さんおご苦労によっておいしいお米を作っていただいているので、そういう大変さもお伝えいしながら、おいしくって安心して食べられる野菜やお米をミレーでもお届けしていきたいと思っています。斉藤さんのこの減農薬米も取り組みさせていただけることになりとても嬉しいです。最後にみなさんに何か一言お願いします。

斉)
多古米がおいしいって有名になっているけど、芝山のコシヒカリもふっくらとしていてピカピカで、多古米に負けないくらいおいしいお米だよ。減農薬で作った芝山のお米をぜひ食べてほしいなあと思います。

斉藤さんお宅の庭にはお子さん用のブランコや、滑り台が芝生の上に置いてあって、本当にお子さんがまだまだ小さくて可愛い盛りのようでした。
お父さんが作ったおいしいお米を食べて、大きく育ってくださいね!

斉藤さんからいただいたお米を炊いてみました。とってもふっくらむっちり。そしてキラキラしているお米でとってもおいしかったでーす!ごちそうさまでした。

まとめは風子でした。

取材:2004年5月17日

水田
粘りがあって甘味がつよいコシヒカリ、秋の収穫が楽しみです。

 

斉藤さんと早川店長
多古米に負けないくらいおいしいお米です。お試しください。

 

 

 

 

 
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