こだわりその1 野生酵母

みなさん、今日の朝は何を食べましたか?
ご飯に味噌汁、それもいいけれど、パンとコーヒーという方も多いのではないでしょうか?かねてからミレーでパンも取り扱ってというご要望があったので、以前から風子の知り合いであるショパンの円道寺友一さんにぜひぜひミレーにもパンを分けて下さいとお願いしました。でもショパンさんはとってもお忙しくて、注文してもなかなかパンを作ってもらえなかったのです。それでもあきらめず、風子と一緒に社長も自らショパンさんまで何度も足を運び、やっとのことでミレーの皆さんにもパンをお分けできることになりました!。そんなカリスマ的パン屋の円道寺さんって一体どんな人なのでのでしょう?

ミレー風子)
こんにちわ。この度はミレーにパンを分けていただけることになってどうもありがとうございました。社長もとても喜んでいます。今日はさっそくですが、パンのことをいろいろ教えて下さい。

ショパン)
はい、どうも。今、仕込みの最中なので、手を動かしながらでいいですか?これ、サンプル用に焼いたパンです。適当な場所で写真撮ってて下さい。

風子はさっそくデジカメで写真を撮らせていただく

ミ)
どれもおいしそうですね。今成形しているのは、いつ仕込んだ生地なのですか?

シ)
これは今日の朝4時から仕込んだパンで、焼きあがるのがモノによって違うけど、だいだい12時くらいかな。

ミ)
ショパンさんのパンは野生酵母とうたっていますが、野生酵母についてわかりやすく教えていただけますか?

シ)
普通のパンは市販のイーストを使って小麦粉を膨らませているのですが、イーストは化学物質を加えているものが多いのです。私も以前イーストを使った時期もありましたが、使うのがイヤで94年頃から自分で酵母をおこすようになりました。イーストは早く発酵できるのですが、野生酵母というのは空気中にある目に見えない微生物の力を使って発酵していくので、不安定だし、とても時間がかかります。また市販の天然酵母もあるのですが、その酵母の中にはどんなものが入っているかわからないし、市販のものはみんな同じになってしまうので、酵母も自分でおこしたら、本当にここでしかできないオリジナルのパンがつくれるんじゃないかなあと思ったんですよ。レーズンや果物など、いろいろな方法で酵母をおこす方法はありますが、私はパンは小麦でできているので、麦から作った酵母で作るのが自然なんじゃないかなあと思って、今はライ麦を使ったサワー種を元種(もとだね)にしています。

ミ)
元種というのはどうやって作るのですか?

シ)
酵母をおこすライ麦は自家製で無農薬のものを使っています。まず製粉していないライ麦に水を入れて、15℃くらいの環境で3,4日置いておきます。そうすると出芽してくるので、そこへ今度は製粉した全粒のライ麦粉と水を加えてダンゴ状にします。これを3,4日ごとに繰り返していくうちにダンゴが割れるようになってきます。これが元種で10日から2週間でできあがります。10℃の場所に保管しながら、粉と水を継ぎ足していくと、ずっと使えます。

カリスマ的パン屋「ショパン」 円道寺友一さん

所在地:千葉県佐倉市

 

伺ったときはちょうど仕込みの最中でした。
朝4時に仕込んで、焼きあがるのは12時ごろだそうです。早起き、大変そう。

 

野生酵母は空気中にある目に見えない微生物の力を使って発酵するそうです。




こだわりその2 国産小麦

ミ)
そこに保管してあるのが元種なんですね。これを使ってパンを焼いていくのすね

。簡単でいいのですがパン作りの工程を教えていただけますか?

シ)
小麦粉、地下水、塩が通常の材料ですが、その量の20から30%の割合の元種を加えてこねます。それを室温(20℃以上)で3,4時間放置しておきます。これが普通のパンの第一発酵の時間です。その後、生地を分割して30分くらいベンチタイム(生地を休ませること)をとります。それから成形して、生地の種類によって30分から2時間、第二発酵をします。それから焼くのですが、焼く時間もパンによってマチマチで、早いものだと15分、大きいものだと1時間くらいかけて焼くものもあります。

ミ)
本当に長時間かけて発酵させて作っていらっしゃるパンなのですね。材料にもこだわっていらっしゃるようですが、どんなものを使っていらっしゃるのですか?

シ)
元種に使うライ麦は無農薬のもので、電動の石臼で挽いています。小麦粉はナンブ小麦粉、農林61号、シラネなど国産小麦粉を使っているのですが、国産のものは強力粉ではなくせいぜい中力粉なので、どうしても強力粉に比べて粘りが弱くふわっとしないのです。でも私はふわふわのパンを作ろうとは思っていないので、国産小麦を使うことによって小麦の自給率を微力ながら高めたいと思っています。塩はカンホアの塩というベトナムのおいしい塩を使っています。砂糖は普通の生地には入れませんが、クロワッサンやデニッシュパンには洗双糖を使っています。バターはよつ葉バター、中に入れるクルミやレーズンもオーガニックのものを使っています。卵は先週ミレーでも紹介された佐藤さんの平飼いの有精卵を使っています。

ミ)
本当にどの材料を見ても安心して食べられるものばかりで、添加物も一切入っていないんですね。よく天然酵母のパンと書いて売っているものがありますが、粉は外国産だったりすることがあって、「天然酵母」という表記だけでは、中々安心できるものはないのですが、ショパンさんのパンは本当に入っているものがはっきりわかっていいですね。パンの特徴についてもお話していただけますか?

シ)
試行錯誤しながら作っているので作り方も時々変えたりして、まあ、味もいろいろ変化していくのだと思いますが、ふわふわのパンではなくて小麦の風味のある自然な味のパンだと思っています。野生酵母の特徴なのですが独特の酸味と風味がありますね。もしこれで強力粉を使ったとしたらグルテンが多いので空気の層も多くなり、同じ重量でも膨らんで大きくて柔らかいパンになると思いますが、うちは粉も国産なのでどっしりと重たいパンになっています。


ベンチタイム(生地を休ませる)に二回目の発酵と手間と時間がかかります。

 

 

「小麦の自給率を微力ながら高めたい」それも国産小麦を使う理由の一つだそうです。

 


「どっしりと重いパン」が出来上がってきました。

違いは歴然 パン職人のパン

ミ)
人気のあるパンの種類を教えていただけますか?

シ)
バイトブロートという名前のホワイトブレッドはいわゆる食パンで、定番品。一番オーソドックスなものです。水と塩と小麦粉だけで作っています。それからカレンズ。これはレーズンより酸味の強いコリントレーズンという小さなレーズンを入れて焼いたもの。どっしりしていておいしいです。カンパーニュはフランスの田舎パン。丸くてどっしりしていて一番、野生酵母の味わいが出ているんじゃないかと思います。ライ麦の分量の多いライクルミパンも人気です。あとはクロワッサンやデニッシュなどのポピュラーなパンも焼いています。ちょうど今、パンが焼けたので、ちょっと食べてみてください。多分味も以前とは変わっていると思います。

ミ)
わあ、本当に久しぶりに食べるショパンさんのパンの味!やっぱりおいしい!生地がむっちりとしていて小麦の風味がありますね。酵母の匂いがやさしくて、「本当のパンの味」という感じがします。噛めば噛むほど味が出るパンだって、よく前に言ってましたよね。焼きたては特に格別ですね。

シ)
本当はみなさんに焼き立てだけを食べてもらいたいんだけど、これを袋に詰めるのにやっぱり1時間くらいは冷まさなきゃいけないから、中々焼きたてはお届けできないんですよ。

ミ)
今日はほっかほかの焼きたてパンが食べられてラッキーでした。ところでこれから、どんなことをやっていきたいですか?

シ)
外に石窯を作ったんですよ。石窯というのは熱源は薪なのですが、耐熱煉瓦を温めて、輻射熱で焼くので、遠赤外線効果があって、焼き上がりがおいしいんです。5分くらいで焼けてしまうのですが、本当は火の調整をしながら1時間くらいかけてじっくり焼く方がもっとおいしくなるんです。でも火加減が安定しないから失敗することも多く、とてもたくさん焼くことはできないので、それを販売することはできませんが、少人数でパン教室をやったら楽しいだろうなあと思っています。以前もやっていたのですが、これから暖かくなるので再開してみようかなと思っています。

ミ)
石窯焼きの野生酵母のパンなんて本当にぜいたくですよね。でもここまでこだわった作り方をしているパン屋さんは中々いませんね。パン屋というよりもショパンさんはパン職人さんですね。ミレーで先週、ちょっとだけご紹介したら食べてみたいという方のお問い合わせが全国から殺到しました。

シ)
でも私は一人で作っているし、ご覧のとおり、全部手作業なので、とてもそんな量産できないんですよ。できる数には限りがありますから。

ミ)
最後にパンを扱う上での注意点というのは何かありますか?

シ)
常温で置いておいてもけっこう日持ちはします。冷蔵庫では味が落ちるので、なるべく早く食べてほしいのです。できたらパンの入っているポリエチレンの袋からは出して紙の袋に入れ変えた方が日持ちはします。でもどうしても食べ切れなかったら、スライスしてキチンと密封してから冷凍して下さい。冷凍庫は水分が抜けておいしくなくなりますから。冷凍のパンを焼く時は霧吹きを少し吹いて、アルミホイルに包んで焼くのもいいですよ。

ミ)
今日はどうもありがとうございました。こだわりのおいしいパンをこれからもたくさん作って下さいね。

地元では知る人ぞ知る、本当においしいパンを焼くパン職人の円道寺友一さん。ふわふわとした触感や、混ざりものの香料の匂いなど何もない、そのかわり、歯ごたえのある粉の味わいと、かすかなに香るやさしい酵母の匂い。とってもシンプルな「ほんものの」パンで風子も大好きです。それを地道に作っている円道寺さんはまさにカリスマパン屋!?。ミレーの皆さんにもぜひ食べていただきたいでーす!。 風子でした。


バイトブロート(ホワイトブレッド)

 

カレンズ(コリントレーズンという小さなレーズンが入っています。)

 

カンパーニュ(フランスの田舎パン)

 

言わずと知れた、クロワッサン

 

これだけの種類があって食べごたえあります。

 

 

 
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