斉藤さんのアイガモ米・2008年度新米

ミレーのお米の生産者さんとして、もうおなじみの斉藤晴記さん。数ある生産者さんの中でも、日本全国にファンを抱える、評判のお米を育てる農家さんです。

そのお米の中でも、アイガモの力を借りて育てる完全無農薬米の「合鴨米」の人気は絶大で、昨年度は総計8トンの斉藤さんのお米があっという間に完売してしまいました。

斉藤さんは、一見ちょっと強面。ですが、実は子供想いのとっても優しいお父さん。
そんな斉藤さんが子供たちの未来を想う気持ちで育てるおいしいお米を、収穫を目前に控えた早秋の田んぼからご紹介します。

今年の出来は今までで1番!黄金色にずっしりと実っています。

ミレーのある千葉県多古町のお隣に、芝山町という湧き水の流れる自然豊かな町があります。谷津田と呼ばれる小さな谷間にある田んぼが多く存在し、蛍やカエル、イナゴなど、多くの生き物が住む場所に斉藤さんの田んぼがあります。
 谷津田は一般的な田んぼと違って棚田のように大きさも違うので、大きな機械が入りにくく、田植えも稲刈りも時間がかかります。それでも斉藤さんは、この谷津田を中心に稲作に取組んでいます。

「この辺りは山からの美味しい湧き水が出る場所だから、子供たちにこのふるさとを美しいまま残していきたいなあと思っているんだよ。農薬で水や土地を汚染したりせず、自然のままに育てていけたらと思っているよ」と斉藤さん。

出来るだけ農薬を使わないようにと考えた末に始めたのが、アイガモの力を借りて完全無農薬で育てるアイガモ米作り。「今年は今までで一番の出来だよ」とにっこりと笑いながら、見事に実った黄金色の稲穂を見つめる斉藤さん。

嬉しいのも当然です。なぜなら、斉藤さんのお米が無事に収穫時期を迎えるのは、そう簡単なことではないからです。

すっかりお馴染み!お米の生産者、斉藤さんです
ミレーのお客様にはすっかりお馴染み。お米の生産者、千葉県山武郡の斉藤さんです。

稲穂を見つめる斉藤さん
「今年は今までで一番の出来だよ」稲穂を見つめる斉藤さんの目じりが緩みます。

農薬を使わないから、毎日毎日、草刈りが続きます。
ヒヨヒヨ鳴きながら、田んぼの隅で肩を寄せ合うアイガモの雛
田んぼの周りで肩を寄せ合うアイガモの雛。除草剤を使わないから、雑草がふさふさ生えています。

すっかり大きくなりました。気持ちよさそうに田んぼを泳ぐアイガモ
上の写真に比べると、すっかり大きくなったアイガモ。田んぼを泳ぎながら、草を食べてくれています。

アイガモを守るための、電流が流れる柵です
アイガモを守るための、電流が流れる柵。漏電しないよう、今年は草刈りを8回もしたとのこと!

まず、斉藤さんは一般の農家さんがまさかと思うほど、農薬を使いません。合鴨米は完全無農薬、そして減農薬栽培で育てるお米も、実はたった1回除草剤を使うだけ。殺菌剤や、殺虫剤などの農薬は一切使用しないのです。

それでも生えてくる雑草は全て手で抜くので、これがまた大変。一般の米農家さんも本来農薬は使いたくないのですが、除草剤を何度も撒かなければ雑草は伸び放題。粘土質の田んぼに入って、勢いよく伸びる雑草を端から端まで取り続けるのは、若手の農家さんでも参ってしまいます。

そこで、登場するのが生後数ヶ月のアイガモ。田んぼの中を泳ぎ回って草を食べてくれるのです。さらに、土を適度にかき回してくれるので、稲がどんどん元気に育つのです。

ですが、農作業は草との戦い。田んぼの中だけでなく、周りの草を刈るのも一苦労。

「田んぼの周りだって除草剤は使わないから、今年は8回くらい草を刈ったんだよ。草ってどんどん伸びちゃうでしょ。特に、アイガモ米の田んぼの周りの柵には、アイガモを野犬やイタチから守るための電流が流れているから、草が伸びると漏電しちゃって大変でさ。本当に手がかかるんだよなぁ・・・」と斉藤さん。

一枚の田んぼの周りを草刈りするのに約1時間。それが何十枚もあるのですから、気が遠くなりそうな作業です。それでも、農薬を使わずに元気な稲を育てるためには、雑草も敵。暑くても、草刈りを休むわけにはいかないのです。

斉藤さんの工夫はこれだけではありません。実は、病気にかかりにくくするために、稲と稲との間隔を通常の倍にして植え、風が通るようにしています。すると、太陽の光を十分に浴びることができるため、お米一粒一粒に旨みがぎゅっと凝縮され、その結果おいしいお米が収穫できるのです。

斉藤さんの田んぼは、生き物の住みか。大きなクモが住んでいます。

もちろん、通常の半分の稲しか植えていないのですから、収穫量はもちろん少なくなってしまいます。ですが、斉藤さんはこの方法を変えません。

「農薬を使わずに病気を防げるし、少なくてもその分おいしいねって言ってもらえるお米を作れるなら、それでいいんだよ。」

採算よりも、自然環境や味を大切にしている斉藤さん。本当に頭が下がります。

その証拠に、斉藤さんの田んぼにはたくさんのクモが住んでいます。実は、クモは農薬にとても弱く、普通の田んぼでは大きなクモの巣を見かけることはありません。一方、斉藤さんの田んぼを見ると、稲と稲の間に大きなクモの巣がたくさんありました。

「クモの巣を見ると、いろいろな虫が捕まっているでしょ。稲につく虫をとってくれるから、助かるんだよね」と斉藤さん。

害虫も捕まえてくれるクモの巣は、自然の防虫ネット。アイガモだけではなく、そこに住む動物たちが、斉藤さんのお米作りを応援してくれているようです。

さらに、おいしいお米をお届けするために、斉藤さんは収穫した後も決して手を抜きません。

まずは、斉藤さん自慢のお米の乾燥機!まだ乾燥機がなかった昔、刈った稲は全て天日で乾燥させていました。この方法で乾燥させたお米は本当においしいといわれています。ですが、この方法に勝るとも劣らないのが、斉藤さんが保有する遠赤外線乾燥機。自然の風と同じ約30度の温風が、お米の風味を損なうことなく仕上げてくれるのです。

それに加え、斉藤さんが、実はここが一番大切と話すのが「お米の品質管理」。無農薬・減農薬だからといって、小さいお米や黒いお米が入ったものをお届けしたくないと、斉藤さん自慢の高性能な色彩選別機で、一粒一粒を厳しく選別します。もちろん、全てご注文をいただいてから精米しているので、おいしさも格別です。

「今まで成長を見守ってきた大切な大切なお米だから、買ってくれたお客様に、ぜひおいしく召し上がっていただきたい。」そんな気持ちが伝わってきます。

 
お米作りの頼もしい味方!大きなクモ
斉藤さんの田んぼに住んでいる、大きなクモ。害虫を巣に引っかけてくれる、お米作りの頼もしい味方です。

 
天日乾燥に負けない美味しさ!「遠赤外線乾燥機」
高さ約7メートル!天日乾燥に勝るとも劣らない、斉藤さん自慢の「遠赤外線乾燥機」。

 
ミレーのお客さまのためだけに使われる、選別機
ミレーのお客さまのためだけに使われる、<選別機>。「お客様に、おいしく召し上がっていただきたい」斉藤さんの気持ちが伝わってきます。
高くても、その「価値」がある。お客さまのお声を大切にしています。
間もなく収穫!斉藤さんが手間暇かけて育てたお米です
日本全国にファンを抱える、斉藤さんのお米。間もなく収穫です!

サングラスの奥の瞳が優しい斉藤さん
「おいしいって言ってもらえたら、それで苦労は吹き飛んじゃうよ。」サングラスの奥で、にっこり笑いながら話してくださいました。

こうして育てられた斉藤さんのお米は、一般的に売られているお米よりも価格が高く、初めての方は驚かれるかもしれません。ですが、長年ご利用いただいているお客様からこんなお便りを頂いています。

「とても美味しく、毎日安心して食べられる斉藤さんのお米が大好きです。斉藤さんのご苦労を思えば、このお値段は決して高くないと思います。」

この他にも、斉藤さんのお米を食べた時から毎日ご飯を食べるのが楽しみになったという方、赤ちゃんの離乳食に使っている方など、多くのお客さまに愛されています。

一般的なお米よりは確かに高いですが、斉藤さんのお米にはその価値があるというご意見を、数多くいただいています。

そのお声をとても大切にしている斉藤さん。「お米を作るのは大変だけど、おいしいって言ってもらえたら、それで全部吹き飛んじゃうよ」と話していました。

青い目をしたトンボ
斉藤さんの田んぼの稲にしがみつく、きれいな青色の目をしたトンボ。
「あーおいお空を飛んだから♪」
童謡の歌詞が頭をよぎりました。

ついに今年も無事に育った斉藤さんのお米。これからは収穫時期に入るので、毎朝5時に起きて一日中、1ヶ月間の稲刈りが始まるそうです。まだまだ続く気の抜けない日々。

「せっかく作ったお米だから、おいしく食べてもらいたいな。今年は出来が良いし、おすすめだよ」

その言葉通り、田んぼを見渡せば黄金色の稲穂に大粒のお米がたわわに実っていました。特に、アイガモの力を借りて無事に成長した無農薬米の、ぷっくりと太ったお米が印象的でした。

斉藤さんの一年間の努力の結晶が、間もなく収穫を迎えます。ふっくらでもっちりと炊き上がる、旨味あふれる斉藤さんのお米をどうぞ、楽しみにお待ちくださいね!

取材者:米久保 和美
年月日:2008年8月12日
 
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