手作り石窯で焼く野生酵母のパンとピザ

千葉県佐倉市にあるショパンさんのお店の庭に、数年前、パンを焼く石窯ができました。ショパンさんが一人でじっくり時間をかけて手作りした窯です。時々、その石窯を使ってピザやパンの作り方を教えてくれるパン教室を開いたりしています。今回はそのパン教室に風子自ら参加していろいろ取材してくるはずだったのですが・・・。

 

野生酵母のパンで人気のショパンさんに、ピザの作り方を教わりました。

 

ミレー風子)
こんにちは。今日は楽しみにしてきました~。

ショパン)
今回はパン教室のつもりだったんだけど、昨日、急に何人か参加できないという連絡が入って人数が減ってしまったので、今日は教室というよりも気軽なピザパーティーということにしたいんだけどいいかな?

・ ・・ということで、風子とショパンさんの他、参加者は2名だけなので、全部で4人。気ままにピザを作って食べようと言うことになってしまいました・・・。

ミ)
でも一応取材なので、ピザの作り方は教えてくださいね~。

シ)
そうだね。今回、ピザを作るためにおこした酵母はレーズン種なんだよ。前の取材の時に話した酵母のおこし方よりも簡単だから最近はこれでやっているの。

ミ)
具体的にどうやって作るのですか?

シ)
密閉したビンにレーズンと水を入れて、ふたをして25~30℃で1週間くらい置いておくんだ。しばらくするとレーズンが水面に浮きガスがたまり始める。このガスを一日に一回はふたを開けて逃しながら、レーズンがほとんど浮いて下の水も濁ってきたら、これを漉しレーズン液になるんだよ。液はちょっとすっぱい匂いがするし、なめるとお酒のような味もするんだ。

ミ)
それがそのまま酵母になるのですか?

シ)
その後にライ麦の全粒粉を入れて発酵種にするんだけど、粉と水を加えて混ぜていくことを数日間、繰り返していくんだ。それでようやく発酵種ができるんだけど、種自体は日持ちしないんだよ。だから毎日使う場合は「かけ継ぎ」と言って、そこにさらに粉と水を栄養として与え発酵させることで発酵力を保っていくんだよ。

ミ)
今日作るピザもこのレーズン液で作った発酵種を使うのですか?

シ)
そうだよ。種の中に中力粉、砂糖、オリーブオイル、塩を加えてよく混ぜる。それから発酵機の中に入れて26℃で2時間くらい置くんだ。その間にピザの具を切ったり、まぁ、時間のかかることだから気長にビールでも飲んで待ちましょうか。

生地をこねてから発酵機の中に入れた後は、ショパンさんがビールを出してきてくれました。パン教室ではないから、発酵できるまでビールを飲み飲み、石窯の薪をくべながら気ままにおしゃべり。

 

 

円道寺さん
野生酵母のパンで人気のショパン、円道寺さんです。

 

ピザを作り始めます。
酵母はレーズン種だそうです。

 

ピザの生地を練ります。
ピザの生地を練ります。

 

発酵させます。
発酵するまでは少し時間がかかります。

 

石窯もパンも手作りです。

 

ミ)
石窯はご自分で作ったのですか?

シ)
そうだよ。耐火レンガを耐火モルタルを使って積み上げながら、ふた夏かけて完成させたんだ。でもモルタルは雨が降ると流れてしまうから、中々作業がはかどらなかったけどね、別に急ぐわけでもないから、いいかと思ってゆっくり作っていたんだ。

ミ)
やはり石窯のパンの方がおいしいんですか?

シ)
石窯のほうが遠赤外線効果でおいしく焼けるよね。いつもは電気オーブンで温度を設定して焼くから間違いがないでしょ?でも石窯だと火加減が一定ではないから、手で温度を見ながら調整していくので、とても手間がかかるし焼くのに気を使うね。

ミ)
石窯のパンを焼いて、ミレーでも販売したらみなさんに喜ばれるんじゃないでしょうかね?

シ)
そうは思うけど、実際には数が焼けないんだよ。今もせいぜいカンパーニュが一日に8個焼ける程度なんだ。焼き上がるのにとても神経を使うので、一度にたくさんは焼けないしね・・・。

ミ)
ずいぶん、しっかり火がおきていますが、さっき、火をつけたのですか?

シ)
石窯の場合は、長く火をつけておくとじっくり窯全体が温まるので、実は昨日のうちに火は入れておいたんだよ。同じ焼くにしてもその方がおいしく焼けるからね。

ミ)
昨日から火をつけていたなんて、やっぱり手間がかかるものなんですね。

シ)
オーブンでパンを焼くと普通は外側から焼きあがるんだけど、石窯の場合はパンが中から焼けていくんだよ。そういうのも遠赤外線効果なんだろうね。温度は220℃~240℃くらいだと思うんだけど、ここで実際には計ったことはなくて、温度も手加減と焼き加減で判断しているんだよ。これからピザを焼く前に、朝、仕込んだカンパーニュを先に焼くよ。

・・・と言ってショパンさんはカンパーニュの生地を棒の先に乗せて窯に入れていきました。真剣な表情。この間は気が散るから話しかけないでと言われてしまいました。パンを入れ終わってからやっと質問ができました。

ミ)
おいしそうな生地ですね。中力粉だけですか?

シ)
ライ麦の全粒粉が2割入っている。後は塩と中力粉と水だけ。1次発酵が3時間、ベンチタイムが30分、それからカゴに入れて成形し2時間、2次発酵をさせたものを焼いているんだよ。

ミ)
何分くらいで焼けるのですか?

シ)
40分くらいかかると思うよ。

ミ)
けっこう時間がかかるのですね。

シ)
早く焼こうと思って火を強くすると、黒く焦げてしまうから、燠(オキ。おき火の事)にしてからじっくりと焼くんだよ。そろそろ焼けたから、今度はパンを取り出すよ。

取り出す時も入れた時と同じ棒を使って、手早くパンを出していきました。まさに職人の顔です。焼きあがったパンはそれこそフランスの片田舎にあるような素朴でどっしりとしていて、粉の味が生きているといったガンコな?カンパーニュでした。かごに並べた石窯焼きのカンパーニュはとってもおいしそう!

 

 

石窯側面
今回は石窯でピザを焼きます。

 

石釜正面
この石窯も円道寺さんの手作りです。

 

石窯の火
昨日から火をつけて窯の中をあたためていたそうです。

 

窯にカンパーニュを入れる円道寺さん
窯にカンパーニュを入れる円道寺さん。真剣です。

 

カンパーニュ
棒の先にカンパーニュがのっています。

 

焼きたてのカンパーニュ
素朴でどっしりとしたカンパーニュです。

 

生地が素朴で香ばしくて、粉の風味が生きています。

 

シ)
さあ、今度はピザを焼くよ。石窯の中でチーズがこぼれると大変なので、ピザは具を乗せてから半分に折って焼くんだよ。

・ ・・と言ってショパンさんはピザを手早く仕込み、半分に折って口をとめ、どんどん窯の中に入れていきます。15分ほどでおいしく焼けたピザが出来上がりました。

シ)
パン教室だともっと緊張するんだけど、今日はこんな感じでいいよね。それでは食べてみてください。

ミ)
わーい!おいしそう!!いただきまーす!!

・ ・・と言って風子も参加した人もいっせいにピザにかぶりつく。アツアツでおいしい~! 生地が素朴でとっても香ばしくっておいしいピザでした。

ミ)
うん。おいしいです。粉の風味がとっても生きている感じがします。でも中が生のような感じもするんですが・・・。

シ)
これがね石窯焼きの特徴で、生っぽくてもちゃんと火は通っているから大丈夫。じっくり熱を加えているからね。いつもなら、ピザもみんなに作ってもらって、カンパーニュも一人一人に焼いてもらうんだけど、今日は教室ではないので、まあピザを食べてゆっくりしていってください。

ミ)
ご馳走様でした。ショパンさんはライ麦もご自分で栽培されているとお聞きしましたが・・・。

シ)
サワー種用のライ麦は自分で作っているんだよ。家の向こうに畑があるから見てくれば?。無農薬で除草剤もかけてないから草と一緒に小さい麦が出ているよ。

ミ)
あとで写真を撮ってきますね。これからもパン教室は時々、開催するのですか?

シ)
不定期だけど、一日かけてピザとカンパーニュを石窯で焼くので興味のある方はぜひご参加ください。

ミ)
今日はどうもありがとうございました。ミレーでも人気があってすぐに完売してしまうショパンさんのパンなので、みなさん、石窯のことを知ったらきっと興味をもたれることと思いますよ。一日も早く石窯での焼き加減を安定させて、みなさんにも石窯焼きパンをお分けできるようにしてくださいね~!

実際にはパン教室ではなかったのですが、お店を抜け出して、ショパンさんのおいしいピザを食べられるなんて、とても楽しい取材でした。これからもこんな取材があるといいなあ・・・。

取材:2005年3月28日

 

 

ピザの生地をまわす
今度はピザを仕上げます。

 

ピザの生地を平らにします。
平らに丸くピザ生地の形にします。

 

具をのせる。
ピーマンなどの具をのせます。

 

半分に折って焼きます。
窯の中でチーズがこぼれないように、ピザは半分に折って焼きます。

 

麦畑
裏の畑には、麦が出ていました。無農薬で育てています。

 

 
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