家の中の米写真画像
   

二人目の出産を機に無農薬農業へ転向!?

 今回はいつもとはちょっと反対方向の千葉ニュータウン白井市にお住まいの湯浅きいちさんのお宅におじゃましてきました。

 千葉ニュータウンは北総公団線という鉄道の線路に沿って発展した街で道路の左右には高層団地がたくさん建っていてと都会的なのですが、一本道路を入ると、のどかな場所がたくさん残っていました。

■ミレー風子
こんにちわ。山小屋風のかわいいお宅ですね。湯浅さんはこちらのお生まれなんですか?

■湯浅さん
そうだよ。白井の農家の長男で普通に米を作っていたんだ。

■ミ
それがどうして無農薬の農業に転向された家の中の写真画像んですか?


 

 

■湯
上の子は病院で産んだんだけど、何か産まされているような感じがしてイヤだったの。それで二人目は助産院で自分たちらしくお産がしたいなあと思って、訪ねていったんだ。そうしたらそこの助産婦さんはマクロビオテイック(玄米菜食による食事療法)を実践していて、いいお産をしたかったら、まず食べ物から変えなさいと言われて・・・。
 もともとお産なんて、普通にできてきたものでしょ。病気じゃないんだから。でも今はそれさえも自分たちの力じゃできなくなってきている。病院に任せてやってもらうっていうのも変だなあと思ったんだよ。食べることも、産むことも他人任せっていうのもねえ・・・。
 便利なものができたらできた分だけ、それに頼ってしまって、失ってしまったものも多いんじゃないかなあって、色々考えるようになって・・・。助産婦さんから食べ物の話を色々聞くようになってからは食べ物の質によって体質が異なるんだなあと思うようになって、玄米を食べるようになっていったんだ。その頃、古代米を少しもらってね、どうせ作るなら無農薬でやってみようかって思ったんだ。助産院の仲間たちも田んぼにくるようになったりして、それから無農薬でやってる。



家の中の米写真画像

山小屋風の家の中には、こんなステキな写真が飾ってありました。
黒米・赤米画像

黒米アップ画像

無農薬でのお米作りは試行錯誤の毎日・・・

■ミ
普通のお米作りから、無農薬に変わってどうでしたか?

■湯
そりゃもう、やり方もよくわからないし、最初の年の収穫は半分以下に減ったよね。でも5年になるけど、ようやくこのところ、予定していた収量がとれるようになってきた。

■ミ
肥料は何を使っているんですか?

■湯
うちは養鶏もやっているの。平飼いで800羽いるんだ。8部屋あるから藁を鶏舎の下に敷いておいて、順番に1年づつ寝かせておくの。ニワトリがその上を自由に歩いているから、ニワトリに切り返しをしてもらっているという感じかな。500キロくらいはできるので、それを田んぼに入れているよ。

■ミ
時期もいろいろあるのですか?

■湯
うちは田植えの2,3週間前に入れるようにしている。でもそれだってタイミングがあってさ、前は早く入れすぎちゃって、草がいっぱい生えちゃったりとか、まあ失敗しながら学んでるっているか、試行錯誤だね。田んぼによっても性格が違うし、稲によってもいろいろだし。

稲の持つ生命力を日々感じる!!

■ミ
どんなお米を作っているのですか?

■湯
黒米、赤米、紫黒米、コシヒカリ、酒米の亀の尾。

湯浅さんのお宅の壁にはそれらの稲が1束づつ飾られていました。それを見ながらお米の名前を教えていただきました。

■ミ
稲の性質も違うのですか?

■湯
コシヒカリは15センチ間隔で植えていくけど、黒米は30センチ空けるよ。黒米は分けつしやすくて、株が大きくなるから。酒米の亀の尾は背が高くなって倒れやすいんだ。だから育てるのが大変な稲だ。「夏子の酒」のマンガにも出てきたけど、幻の酒米って言われているらしいよ。植えるのも刈るのも手でないとできない稲なんだよ。

■ミ
黒米はやはり強いのですか?

■湯
黒米は田植えの時は苗一本しか植えていないのにそれが稲刈りの時は片手で握れないくらい大きく育っているの。そういうすがたを見ると感動するよね。台風が去った後、よその稲はみんな倒れていて、うちのだけがしっかり立っているのを見ると生命力があるんだなあと思うよ。米はさあ、もともと1粒の種なんだよね。そこに多くの実をつけていく・・・。やっぱり稲の持つ命ってすごいよね。

■ミ
いっせいに稲刈りをするのですか?

■湯
種類がいろいろあるから時期はずれる。でも天日干しに使う小田がけは時期がずれるとずっと使っていられるから、そういう時はいいよね。

稲画像


稲アップ画像

壁に飾られた稲の束
黒米のつつみ画像


赤米のつつみ画像


炊きたての黒米画像


炊きたての黒米アップ画像

自慢の玄米もちは杵と臼でつきます!!

■ミ
ご自分のお米でお餅も作っているんですよね。

■湯
そうだね。うちの玄米もちは食べた人はみんなおいしいって言ってくれるよ。紫黒米の玄米もちを杵でついている。

■ミ
湯浅さんがつくんですか?

■湯
うん。1回の臼で5キロちょっとのお餅ができるんだけど、それを1日で最高5回ついたことがある。

■ミ
すごい!5回もつくんですか?機械の方がラクじゃありませんか?

■湯
5回休まずについているわけじゃないから。休み休みでしょ。それに体は使っていけば使っていくほど、それなりに使い方を覚えていくもんなんだよ。うちにも機械はあるけど羽に餅がつくと片付けが面倒なんだよ。臼と杵はいいよね。セイロのお湯をはっておけば、すぐ片付けられるし、おいしいから。それに臼や杵みたいな昔の道具というのはやっぱり使っていても味があっていいんだよね。

■ミ
かわり餅もついているとか?

■湯
そう。黒米を入れたり、冬になったらみかんや柚子をいれてかわり餅をついたりするんだ。そういうのは楽しいよね。自分で作ったものでいろいろ作ったりして遊べるっていうのはいいもんだよ。

■ミ
お餅はお米は出荷しているのですか?

■湯
全部産直方式でね、買ってくれる人の所へ届けている。家内工業みたいな所があってね、家族労働でやれることが基本だって思っているの。無理してやっても仕方ないし、できることしかできないでしょ。こうして無農薬のお米を作っていて「おいしかったよ」って言ってもらえる消費者の人たちがいることがありがたいよね。モノには正当な値段があって、やっぱりキチンとしたいいものを作っているのであれば、それなりの価格は妥当だと思うんだ。近くのスーパーなんかで激安のモノを見ると、どうやって作っているんだろうと思うし、そんな値段じゃ、作り手の思いなんか、反映されっこないし、安くて嬉しいと思うよりも悲しくなってしまうよね。あの価格崩壊って何だかお互いの首をしめっこしてるようで、イヤだな。ヘンだよね。

うちの田んぼにはけっこういろんな人が来るんだ。田植えや稲刈りにも仲間たちが来てくれたり、子供たちも参加するんだよ。そういうのって人と人が繋がってるようで楽しいよね。小さな田んぼだと小回りがきていろいろなことができるってこともあるしね。

■ミ
みなさんにお伝えしたいことが何かありますか?

■湯
おいしく食べて元気に!って感じかな。

■ミ
今日はどうもありがとうございました。

 パチパチと燃える暖かい薪ストーブの前で、本当に家族を大切にしながら無理せず、自分のやりたい形の農業をやっている湯浅さんの姿勢はとても自然体でした。お子さんたちも田んぼがあってニワトリがいるという暮らしの中で伸び伸び育っているようです。お父さんやお母さんのそういう働く姿を当たり前に生活の中で見つめていけるという、そんな地に足のついた暮らし方がとても素敵でした。湯浅さんが杵でついた玄米餅、みなさんもぜひ召し上がって下さいね。

取材 2003.12.02

 

 
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