千葉県香取郡多古町 五木田 繁さん

千葉県多古町で40年以上にもわたって米づくりに励んでいる五木田繁さん。ミレーには五木田さんのお米を心待ちにしているお客様は数多くいます。
少しずつ秋が近づき、豊かに実った稲穂が頭を垂れ始めた、五木田さんの田んぼにお邪魔してお話をうかがってきました。

五木田さんは、全国的にも名高い「多古米」の産地で米づくりに汗を流しています。多古米は、市場に出回る量が少ないことから「 幻のお米 」と呼ばれるほど美味で稀少なもの。
その名だたる産地のなかでもひときわ多くのお客さまを惹きつけているのが、五木田さんが育てる多古米なのです。

五木田さんが農薬や化学肥料をできるだけ抑えた米づくりに取り組み始めたのは約15年前。
田んぼで穫れた稲わらや米ぬかなどを、そのまま田んぼに還元し、さらには良質な堆肥を混ぜてじっくりと土づくりを行ってきました。
これが、五木田さんが貫く「循環型農業」の基本。
「代々、このような農法でやってきたから」と穏やかな表情を見せ、「ここの田んぼはもともと土質が肥えているし地力もあるから、いいお米ができるんだ」と続けます。

今年も豊かな実りを迎えている五木田さんの多古米。おかずが必要ないと思えるほど旨みと甘み、そして粘りのバランスが絶妙。

(写真上)長年、土づくりをしっかり行ってきた五木田さんの田んぼ/(写真下)色彩選別機によって悪いお米を除去。選別されたお米を確認します。

変わらない作業もあれば、変わる作業もあるもの。
年ごとに自然条件や気象状況は異なるので、当然のことながら水管理や肥料のやり方など、作業の仕方は毎年異なってきます。
「毎年、勉強の積み重ねです」
と話す五木田さんのお米作りは、年明け早々の1月から始まります。
それから収穫までに行う作業の種類は、約90。
その中でも、6月下旬に行う「見極め」と五木田さんが呼ぶ作業は、今後の実りを大きく左右する重要なものです。
幼穂が1センチくらいになったときに生育状態を調べ、さらに草丈や葉の色合いを確かめて追肥するかどうかを見極めるのです。
「たとえば、葉の緑が濃いときはまだ肥料が残っている証拠。そういう時は追肥は抑えたりして、稲が健康に育つよう調整します」

また、この「見極め」以前に行う作業で重要なのが、水の管理。
「植えてからしばらく水深は3~5センチにして水温を一定に保つようにしています。稲は初期の生育が大事だからね。稲に生命力がついてくるまで、しっかり見守るんだ」と五木田さん。
このような、気の遠くなるような緻密な作業の積み重ねの結果が、毎年あの素晴らしいお米となってお客さまの元へ届くのです。

今年(2009年)の梅雨明け後は、曇りがちな天気が続いたものの稲は順調に生育。
五木田さんは「今年も一生懸命に管理し育てたので、おいしいお米をお届けできると思いますよ」と話します。
「稲に手をかければかけただけ、おいしくて良質なお米がとれるんだよ。稲は正直だね」
このような真摯な姿勢で作るからこそ、「おかずいらず」と呼ばれる程の、甘みと粘りの強いお米ができ、五木田さんのお米のとりこになるお客さまが数多くいるのでしょう。

以前から五木田さんの多古米には「冷めてもこんなにおいしいお米は初めてです」、「炊きたてのツヤツヤがすごい。程よくムチっとした食感がたまりません」との声が寄せられています。
以前お訪ねしたとき「健康の秘けつは美味しいお米をたくさん食べること」と話していた五木田さん。その一粒一粒には食する人たちに元気をみなぎらせる力がこめられています。

(写真上)稲の状態をじっくりと見る五木田さん。何十年にもわたって稲と向き合ってきました。/(写真下)稲穂が黄金色の稲穂が実るまで、もうすぐ。


去年の五木田さんの稲刈りの様子です。今年の稲刈りも間もなくスタート!楽しみですね。

五木田さんの田んぼには田植えをする直前にもお伺いしました。
圃場には、ドジョウやタニシなどがいて多様な生命の息吹を感じました。五木田さんご自身がさまざまな生命が共存できる環境をつくり、丹念に稲を育てるからこそ多くの人を惹きつけるお米ができてくると実感しました。
まもなく届く、今年度の新米を楽しみにしています。

取材者:松本 一直
年月日:2009年8月4日

 
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