アイガモに守られて 数量限定 無農薬米

今回の取材は芝山町でおいしいお米を作っている斉藤晴記さんです。去年、取材に行った時は、せっかく田んぼに放したアイガモが野犬にやられてしまった後でした。今年は大丈夫かなと心配していましたが、斉藤さんから「アイガモたちが大活躍してくれたので、無農薬のお米が収穫できたよ。」と、連絡をいただいたので、大急ぎで取材に伺うことになったのです。

 

無農薬のアイガモ米が収穫されたと聞いて、斉藤晴記さんにお話を聞きました。

 

ミレー風子)
こんにちは。今年、斉藤さんは何種類かのお米を栽培し、無農薬のアイガモ米も収穫できたとお聞きしたのでやってきました。いろいろお話を聞かせてくださいね。

斉藤)
今年は減農薬のコシヒカリとミルキークイーン、そして無農薬のアイガモ米(コシヒカリ)の3種類を作ったんだ。アイガモが野犬やイタチにやられな いようにネットや電気柵を作ったり、空から奇襲するカラスよけには田んぼの上に黄色い糸を張るなど、しっかり準備をしたんだよ。アイガモたちも大活躍してくれて、無農薬米が収穫できたんだ。数量は限定になっちゃうけど、ミレーのお客様にもたくさん食べてもらえたらなあと思っているんだ。

ミ)
3つのお米の味の特徴を教えてください。

斉)
ミルキークイーンというのはコシヒカリの変種なんだ。10年くらい前から茨城の方で作られ始めた新しい品種で、俺も今年初めて作ったんだよ。低アミロースで冷めても美味しいお米だと言われているんだよ。コシヒカリはその名の通り、コシがあってツヤがあり、ほどよい甘みと粘りがある美味しい品種。アイガモ米のコシヒカリと減農薬米のコシヒカリは、薬を使ったか使わないかという差だけで食味的にはほとんど差がないんだよ。

ミ)
減農薬と言っても、お米の場合、農薬の散布を慣行栽培の半分にするという程度の生産者が多いですが、斉藤さんの減農薬米はどの程度の農薬を使用しているのですか?

斉)
うちのは本当に少なくて、田植えをした1週間後に1回だけ除草剤を散布したものなんだよ。芝山町ではヘリコプターによる空中散布もないし、それにうちは種もみの消毒もしていないお米だから、限りなく無農薬に近い減農薬米なんだよ。

ミ)
種もみの消毒とは具体的にどんなことをするのでしょうか?

斉)
普通はね、種もみの段階から薬品処理をするんだよ。つまり苗の段階で病気にならないように種もみを殺菌剤に漬け込むんだ。一般的な減農薬米と言われているものも種もみの消毒はやっている場合が多い。だけど俺は熱湯消毒と言って60度の熱湯に10分間漬け込むという消毒方法を取っているので、殺菌剤なんかは使っていないんだよ。

ミ)
何で60度なのですか?

斉)
あまり高い温度だと種が死んで発芽しなくなってしまうんだ。だけど逆に低すぎても病原菌が死なないので、60度がちょうどいいみたいだね。

ミ)
アイガモ米は完全無農薬でお作りになったそうですね。さぞ大変だったことと思いますが・・・。

斉)
そうなんだよ。今年はアイガモを天敵から守るために、設備をきちんとしてから田んぼにアイガモを放ったからね。アイガモの被害もほとんどなかったんだ。

ミ)
どのくらいの時期にアイガモを入れるのですか?

斉)
生まれて4~5日のヒナを田植えが終わって3週間くらいたったら田んぼに放ち、6月下旬に稲穂が出るまで田んぼに入れておくんだ。稲穂が出たら今度はアイガモ達が稲穂を食べてしまうからね。

ミ)
稲がまだ小さい頃にアイガモ達が虫や草を食べてくれるのですね。

斉)
去年はたくさんのアイガモがカラスにやられたので、今年はそれを見越して1反歩あたり50羽くらい入れたんだけど、ちょっと多かったみたいだね。外敵を完全に防御できるなら1反歩10羽くらいで大丈夫そうだ。

 

 

生産物:コシヒカリ、ミルキークイーン
生産地:千葉県山武郡芝山町

 

斉藤さんの田んぼ
斉藤 晴記さんの田んぼにやってきました。

 

収穫直後の田んぼ
収穫直後で、稲はすっかり刈り取られていました。

 

斉藤晴記さん
アイガモ農法で無農薬米を作っている、斉藤晴記さんです。

 

アイガモの小屋
アイガモが一斉に小屋から出てきます。

 

田んぼを泳ぐアイガモ
アイガモは田んぼの中の虫を食べてくれます。また足で水をかき回してくれるので、草も生えにくくなります。

今年は豊作です。できのいい美味しいお米が育ちました。

 

ミ)
斉藤さんの田んぼは芝山町ですが、この辺りも多古町と変わらない土質なんですよね。

斉)
そうだね。ここも昔ながらの谷津田で土は粘土質だし、山からのしぼり水(湧き水)で作られた美味しいお米が取れる土地なんだよ。芝山町だから多古米とは呼べないけれど、実際には多古町とはほんの数キロしか離れていないので、地質もほぼ同じなんだよね。ここの川も多古町に流れていくし。もちろんお米の味も変わらない美味しさだよ。

ミ)
肥料は何を使っているのですか?

斉)
稲刈り後の藁(ワラ)や精米した後の糠(ヌカ)を田んぼに入れているよ。美味しいお米の成分は低タンパクの方がいいと言われているんだけど、そのためには土の中の窒素分を控えた方がいいので、堆肥は特に入れていないんだ。

ミ)
素人は肥料が多ければ多いほど美味しいお米が育つと思ってしまいがちですが・・・。

斉)
よくたわわに実っている稲穂や背が高い稲穂を見かけるでしょ? でもね、ああ言うのは一見、丈夫そうに見えるかもしれないけど、実際には化学肥料で大きくなっただけの弱い稲なんだ。台風が来るとすぐに倒れてしまうんだよ。

ミ)
田んぼに入れる肥料の量やバランスは本当に難しいものなんですね。

斉)
そうだよ。なるべく窒素分を控えた土にしたいと思っているんだけど、あんまり肥料が少ないと今度は成育に影響してしまうからね。その見極めが難しいね。ギリギリまで窒素分が少ない状態にしておくと、稲も自ら根をしっかり張ってふんばろうとするから、味もおいしく丈夫に育つんじゃないかなあ。

ミ)
有機農業だと収穫される量も少ないのですか?

斉)
そうだよ。採算だけを考えて、とにかく少ない面積でもたくさんの収量をあげようと、化学肥料をたくさん投入してやってる人もいるけれど、そういうお米は粒も小さくなるし味も落ちるよ。一房の稲穂にたくさん実ればいいってもんじゃないんだ。一般的な収量は1反歩あたり9俵と言われているけど、有機農法の場合は7~8俵というところかな。

ミ)
今年のお米のできはどうですか?

斉)
豊作だよね。特に今年は5月頃が寒かったでしょ?だから成長が遅れて分けつが止まっちゃって茎の数が少ないんだ。いつもなら1株で20本くらいが14~15本というところかな。でもその後の天候はとてもよかったので順調だったんだ。ゆっくり育った分、一房の穂にギッシリといいお米が詰まっているみたいだね。できのいい美味しいお米が育ったよ。

 

 

天敵よけの網
田んぼのまわりには、アイガモの天敵が一杯です。アイガモを守るために田んぼに網を張っています。

 

水をたたえる田んぼ
土は粘土質で、山の湧き水で作られた美味しいお米ができます。

 

鳥よけ
カラスなどの鳥を寄せ付けないように、様々な工夫が必要です。

 

かかし
あぜに、かかしも立っています。

 

自然に優しく安全なアイガモ米です。数量限定ですのでお早めに。

 

ミ)
農薬を使わないと何が一番大変なのでしょうか?

斉)
なんと言っても大変なのは草刈りだよね。稲と稲の間に生えてくる草ももちろんだけど「くろ草」と言って田んぼの周りに生えてくる草を刈るのも、かなりの面積なので、すごく手間がかかるんだよ。それにうちの田んぼは谷津田だから斜面になっていて、草刈り機で刈る時、足元も安定しないでしょ。夏の暑い時期だし、本当に体力が要る作業だよ。

ミ)
田んぼの中だけではなく周りの草も刈らなければならないのですね。

斉)
そうだよ。虫の発生源になるし、草の種も飛んできてしまうし、草ぼうぼうだと風通しも悪くなって稲が病気になりやすくなるからね。面積が広いとそれだけで本当に大変なんだ。それにうちは子供が小さくて、ほとんどの作業を俺一人だけでやるから、田んぼも畑も両方やるのはちょっと無理があるかもしれないなあと思っているんだ。

ミ)
田んぼがあちこちにあるし、お一人だけでこの広い面積は確かに大変ですね。

斉)
だからね、来年は畑をちょっと減らして、田んぼの方に力を入れようかと思っているんだよ。今年はアイガモ米もうまくいったので、来年は無農薬のアイガモ米の面積をもっと増やしてみようと思っているんだ。

ミ)
今年、無農薬でうまくできたというのはどういう条件だったからなのでしょうか?

斉)
まあ、天候とかいろいろあるから一概には言えないけど、とにかく手間ひまかけたってことだよ。かけてやっただけのことはあったね。まあ、また来年それでうまくいくとは限らないけれど、無農薬の米作りには力を入れていきたいんだ。ミレーのお客様にも美味しくて安心して食べられるホンモノの米をぜひ食べて欲しいね。

ミ)
最後にどうして無農薬米にこだわってお作りになっているのかお聞かせください。

斉)
もちろん農薬は危険だから使いたくないよね。特にお米は毎日食べるものでしょ?それにこの辺りは山からの美味しい湧き水が出る場所だから、農薬でそういう水を汚染したくないし、子供たちにこのふるさとを美しいまま残していきたいなあと思っているからだよ。

斉藤さんが今年、完全無農薬で作ったアイガモ米。お米を作る方はたくさんいますが、完全無農薬で作っている方は本当に少ないのです。だからとっても稀少価値のお米なのです。美味しくって安心して食べられる斉藤さんのアイガモ米。数に限りがありますのでお早めにご注文くださいね。

取材:2005年10月3日

 

 

田んぼに生えた草
無農薬での米作りで、一番大変なのが草取りだそうです。

 

精米機
精米機です。収穫後、フル回転しています。

 

米
アイガモ米以外にも、減農薬のコシヒカリなども作っています。

 

ぜひお召し上がりください
美味しくて安心して食べられるアイガモ米、数量限定ですので、お早めにどうぞ。

 

 
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