五木田さんの多古米

種まきの取材に伺う数日前に、「何時くらいに行けばいいですか?」とお電話で打ち合わせしたところ、「仕事を始めるのは午前11時くらいからかな~」と五木田さん。その時間に間に合うように、多古町に向かって車を走らせていたら、突然携帯電話がなりました。

五木田さんの多古米の種まきの取材に行ってきました。
五木田繁さん
多古米が大人気。五木田繁さんです。

五木田さん)
今どこ~?早く来ないと、もう仕事終わっちゃうよ~。

 時間は10時半。11時頃に多古に着くように成田空港の近くを走っているところでした。仕事が終わってしまっては写真も撮れない!!これは大変と思って、スピードを上げて、11時ちょっと前に五木田さんのお宅に着きました。

ミレー風子)
こんにちは~。まだ終わっていませんか?よかった~! 多古米の種まきは初めて見るので、まずは作業風景の写真から先に撮らせてくださいね。

五)
何だか雨が降りそうだったからさ、早めに始めたんだよ。雨の時はやらないからね。

 風子は、五木田さんの作業の邪魔にならないように気をつけながら写真を撮ろうと、納屋の前を見ると、既に種まき機がセットされていて、種まきの終わった黒いトレイが脇にたくさん積んでありました。機械にトレイを入れるのが五木田さん、種まきの終わったトレイを積んでいくのが奥さんという役割分担です。

ミ)
もうかなり作業が進んでいますね。全部で何枚くらいのトレイに種を蒔くのですか?

五)
全部で2000枚くらいかな。1回に500枚くらいずつ、4回に分けて種まきをするんだよ。田植えのときは、一反歩あたりトレイ18枚ほどの稲を植えるんだよ。

ミ)
五木田さんがこちらからトレイを入れた後、機械の中ではどういう順番で種まきが行われているのか教えてください。

五)
まず、苗床になる繊維質のマットをトレイに敷いて、それを機械の上に置くでしょ。次に上から水が出てきて、その後に種が1枚あたり180g出てきて、最後に土がかけられるんだ。水も種も土も量は調整できるよ。トレイを入れたら、機械の中のベルトコンベアに乗って、種まきが終わったトレイが向こうに出てくるというわけ。それを奥さんが受け取って並べていくんだ。

ミ)
実は私、昨年、芝山米の斉藤さんのお宅に種まきの取材に行くまでは、お米の種まきってどうやってやるのか想像がつかず、田んぼに直接、種を蒔くのかと思っていたくらいなんです。まさか機械で自動的に行えるなんて、考えてもみなかったんですよ。

種まきの終ったトレイ
すでに種まきの終った黒いトレイが積んでありました。

五木田さんの奥さん
五木田さんの奥様も種まきの作業を手伝っていました。

種まきの機械
種まきと言っても機械を使って行います。今年は早めに稲を育てるそうです。

五)
小さな規模だったら手でも種まきはできるだろうけど、うちくらいの規模になったら、機械を使わなければとてもできないよ。それに今年は作る量も増やそうと思っているので、早めに稲を育てたいんだ。

種まきの終ったトレイは育苗ハウスで育てます。温度管理が大切です。
育苗ハウス
種まきの終ったトレイは育苗ハウスで温度管理され育ちます。

苗
大きくなってきた苗です。田植えも間近です。
ミ)
種まきの終わったトレイは育苗ハウスに入れるのですか?

五)
そうだよ。ハウスにトレイを並べるのは手作業だから大変なんだよ。最初のうちは保温効果を高めるためにシートのようなもので上を覆っておくんだ。4~5日すると小さな芽が出てくるから、その後はシートをめくって、水をあげながら生育状態を見るんだよ。

ミ)
苗を育てている時は、どんなことに気をつけるのですか?

五)
温度だよ。春といっても、ハウスの中は晴れたら50度近くになってしまうので、こまめに換気をして温度が上がり過ぎないようにしなくちゃね。田植えの数日前には代掻きも同時進行で、田んぼの整備を進めるんだ。苗が育ってきたら田植えまでもうあっという間だよ。

ミ)
今年の田植えはいつからのご予定ですか?

五)
早稲(わせ:収穫時期の早い稲)の「ふさおとめ」は種まきも一番早くて、3月末にはもう終わっているから、それを最初に植えるつもりなんだけど、予定では4月中旬くらいから始めようかと思っているんだ。多古米の方は毎年、ゴールデンウィークの始まる頃から田植えをスタートさせているよ。雨が降ったり風が強かったりしたらやらないので、天候次第だけどね。

ミ)
種まきをする前にはどのような作業があるのですか?

五)
浸種(しんしゅ)と言う作業があってね。1週間ほど種籾を水につけておくんだよ。積算温度で言うと100度。つまり平均10度くらいの温度で10日間置いておくんだ。それから発芽させるために、32度の温水に一晩漬け込んでおく。機械の中で種が湿っていると蒔きにくいので、その後、種を脱水し乾燥させてから機械に入れるんだ。

ミ)
この種籾はよく見るとすでに発芽しているんですね。

五)
そうだよ。胚芽の部分から発芽するんだ。でもね、正確に言うと、最初に出るのは芽ではなくて根なんだ。ほとんど同時に出るし、小さな根と芽だから区別がつきにくいけれどね。

種籾
種籾はすでに胚芽の部分が発芽しています。

ミ)
私も一番最初にそのお話を聞きた時にとても驚きました。植物の生育にとって芽でなく根が先に伸びていくのは自然なことなんですね。こんな小さい米粒(種籾)から根と芽が出るなんて、考えてみたらとても神秘的なことですね。

五)
そしてこの一粒から芽が出て、田んぼに植えられて、たくさんの稲穂に育っていくのだから、お米の力ってすごいなあと思うよ。

今年も美味しい多古米作りがはじまりました。秋の収穫をどうぞお楽しみに。
種籾消毒
種籾の消毒には薬を使わず、熱水を使います。

納豆チャーハン
美味しいお米で納豆チャーハンなどいかがでしょうか?玄米でも美味しいです。

しろかきの様子
昨年のしろかきの様子です。千葉県のFMラジオ局、BAY FMの番組「POWER BAY MORINING」にも五木田さんは出演しています。

ミ)
本当ですね。種籾消毒のこともお聞きしていいですか?

五)
一般には種籾も植える前に薬をかけるんだけど、うちは種籾消毒に薬を使いたくないので、熱水消毒という形を取っているんだ。浸種する前に、60度の熱水に10分ほど種籾を漬けておく。それが消毒の代わりになるんだよ。それを冷ましてから水に漬けるんだ。

ミ)
今年も豊作だと良いですね~!最後にミレーのお客様に一言お願いします。

五)
まあ、皆さんに美味しいと言ってたくさん食べてもらえるように、今年もがんばろうと思っているよ。

ミ)
今年もBAY FM(ベイ エフエム:千葉県にあるFMラジオ局)の番組「POWER BAY MORINING」で、五木田さんのお米作りの様子が放送されるそうですね。お米に興味を持ってくださる方たちが増えていくといいですね。今度は田植えの時も取材させてください。お忙しいところどうもありがとうございました。

風子

五木田さんの仕事を見ていたのは、私だけではなく、黒猫ちゃんも横でずっと一緒でした。私よりも五木田さんの仕事ぶりをよく知っているのかもしれませんね。今年も美味しい多古米作りがいよいよ始まりました。追々、多古米の生育をご紹介していけたらと思っています。お楽しみに!

取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2007年4月10日
 
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