安心しておいしい豆腐を

こんなにおいしいお豆腐が大都会の片隅でずっと作られていたなんて、妙に感動してしまいました。場所は西部池袋線練馬高野台駅から歩いて15分ほどの住宅地の中。取材をお願いしたところ、遠藤幸雄社長がお時間をとっていろいろお話して下さいました。

 

国産丸大豆を使っていて安心です。

遠藤幸雄社長)
工場の中の説明は終わりましたか?

ミレー風子)
はい。今、高岡工場長さんからご案内していただきました。もうお豆腐作りは終わって片付けに入っていたのですが、全部の部品を分解して水洗いしていて、ていねいに片付けされているのですね。とても清潔な印象を受けました。

遠)
ここは住宅地なので騒音の問題もあるので、成田工場とは違って、明け方2時から稼動するというわけにはいかないんですが、朝、5時くらいにはもう作業を開始し昼すぎにはだいたいの作業は終わって、あとは片付けですね。食品会社なので清潔にするというのは全てにおいて基本の「き」ですよ。

ミ)
先ほど見せていただいた大豆の収納庫には成田工場よりもたくさんの種類の大豆があったように思うのですが・・・。

遠)
そうですね。東京工場では成田工場より作っている豆腐の種類が多く、それも少量から作っているので、とても手間がかかるんですよ。だから工場で働いている人も東京工場の方が多いんですよ。また作る豆腐の種類によって糖度やたんぱく量の違う大豆を選べるように、様々な種類の大豆が保管されており、中には減農薬・無農薬大豆や有機大豆もあります。国産丸大豆であればポストハーベストの問題もありませんし、流通や保管状況などが確認できるので安心です。

 

生産物:豆腐、油揚げ、がんもどき。
所在地:東京都練馬区

 

遠藤社長
丸和食品の遠藤幸雄社長です。

 

国産丸大豆
使用するのは国産丸大豆、これは「庄内の大豆」です。

 

大豆
国産丸大豆を使用することにより、ポストハーベストの問題も回避できます。

 

助っ人人生」がスタート地点です。

ミ)
がんもに入れるお野菜もわざわざ分けて保管し、泥を外で洗ってから中に入れて刻むとお聞きしました。包丁もきちんとした保管庫に入れてあり、本当に衛生的な工場ですね。お豆腐の作り方については先週、成田工場の方でお聞きしてきましたので、今日は社長さんにこのお豆腐工場を作られた経緯などについてお聞きしたいと思ってやってきました。このお仕事を始められたきっかけは何だったのでしょうか?

遠)
もともと私の人生が助っ人人生というか、何か人様のお役に立てることがあればと思ってやってきたことが多くて、一言では中々語れないのですが、最初はもう40歳になるうちの子供たちが明星学園という学校に入っていて、理科の先生が1ヶ月は味の変わらない豆腐を作っていたことがきっかけなんですよ。もともと画一的な教育ではなく、自由で自然を大事にする学校でしたからね、授業もユニークでとても面白い学校でした。

ミ)
遠藤さんのお子さんの学生時代と言いますと、70年代頃になるのでしょうか?

遠)
そうですね。当時の高等部におもしろい先生がいらしてね、大豆は生きているから薬を使わないで作ろうと、その時も消泡剤を使わずに本物の豆腐を作っていたんですよ。それがおいしいと評判になり校内でも販売していたので、子供に買って来させて食べたらやっぱりおいしいんですよ。そのうち明星食物研究所というものを作って、学校関係者で本格的に豆腐の販売を始めたんです。おいしくて安心して食べられる豆腐だということで自然食品店なんかに随分、卸していたのですが、そのうち経営危機になってしまって、なんとかならないだろうかということから、私が後を引き継いだというか・・・。

ミ)
その頃の遠藤さんは食品関係のお仕事をされてたのですか?

遠)
いえ、私は商社に勤めていたのですが、その後、アーモンドタンパク研究会というのをやっていたので、納豆や豆腐業界のことは少し知っていたのです。それでせっかくおいしい豆腐なんだから、何とかそれを販売していきたいと思って77年に丸和食品を創業したのです。

ミ)
経営が大変で手が回らなくなった工場の後を引き継がれたのですから、最初は大変だったことと思うのですが・・・。

遠)
もちろん最初は大変でしたよ。油揚げを作っても消泡剤が入っていないので、ふわっと揚がらないんですよ。けっこう試行錯誤して、やっとうまく揚がる方法を開発することができました。当時の私は工場では豆腐を作り、トラックで配達をし、営業にも回って、本当によく働きました。私は頼まれると一生懸命になるんですね。やるからには一生懸命というのが私のやり方でもありました。

ミ)
その当時から国産大豆を使うことやにがりにこだわっていること、消泡剤を使わないことなどお豆腐を生産していく上での姿勢のようなものはどこから来たものなのでしょうか?

遠)
最初は明星学園の当時の理科の先生である河原先生の姿勢に共感したということが一番の要因です。でも会社をやりながら食べ物のことは勉強していきましたからね、ポストハーベストの問題や遺伝子組み換え食品の問題など、輸入食品は安全面でも不安があると思っています。農薬や消泡剤の使用についても消費者の立場を考えたら、絶対に使わないほうがいいのに、企業の利便性や合理性というものを追及してしまうから食べ物が本来のものでなくなってしまうのではないでしょうか。

 

 

 

野菜の倉庫
衛生管理のために野菜は泥を外で洗ってから中で刻みます。

 

包丁の保管庫
包丁も専用の保管庫があるんです。

 

高岡工場長
高岡工場長に工場の中を案内していただきました。

 

工場
残念ながら生産時間外でしたので、作業の様子はあまりみられませんでした。

 

計り
計りや他の器具にビニールで覆われています。

安全に安心できておいしいものをご提供

ミ)
私も自然食レストランをやっているという仕事がら、お出しするものについては国産のものや無農薬のものに限ってメニューを考えていますが、あまりに安価な輸入物がたくさんあって、特に国産の豆などは割高になってしまいます。でもやっぱり国産大豆のほんのりとした甘みや優しい味わいを知ると、それを大事にしたいなあと思うし、国産小麦の風味も粉の味わいが深くてとてもおいしいのです。やっぱり食べ物である以上、安全性は無視できないし、確かに仕入れは高くて大変なのですが、みんながそういうものを使っていくという需要があれば、日本の農業を守っていけるかなあと思うし、また私たちが食べ続けていくことで、作って下さる方も作り続けられるのではないかな・・・と思いながら仕事をしています。

遠)
やはり伝統的な味、本物の味をいうのを忘れたくないですね。そして何よりもいいものだからまずくてもいいというのではなく、やはりおいしくなくてはいけないと思いますね。できることなら、これからはうちの工場でも全て減農薬、無農薬、さらに有機栽培大豆を使えるようになっていったらと思っていますし、また、日本の中でそういう農業が広がっていくといいなあと思います。

ミ)
先週、お豆腐をいただいたのですが、丸和さんのお豆腐は本当にまろやかでおいしいですよね。料理していても味に違いが出ますね。私は基本的には料理に砂糖は使わないのですが、この前作った白和えはとっても甘くて好評でした。これは国産大豆ならではの優しい味なんですね。ところで大栄町にある成田工場はどういうきっかけでお作りになったのですか?

遠)
地道にやっていく中で何とか経営も安定してきて東京工場だけでは手狭になってきたんですよ。それを明星学園にいらした無着成恭先生に相談したら、当時大栄町の町長だったおかげさま農場の高柳功さんを紹介してくださったのです。それで出荷場の隣りの土地をお借りすることになり成田工場を94年に作りました。

ミ)
ミレーでもおかげさま農場のお野菜はとてもおいしくいただいています。いろんなところにご縁があるものなのですね。遠藤さんの経営に関してのお考えというものを教えていただけますか?

遠)
こだわりのモノにはそれなりの価値があるから、それなりの価格になるのは当然のことだとは思います。だからスーパーのような安売り合戦には最初から参加するつもりはありません。でもいいものだからと言って、破格の価格がついているのを見たりすると、それも違うのではないかなあと思うんですね。私は一定の価格でお出しするには一定の製造量が必要だと思ってきたので、この価格でやっていくには、それなりの営業もしてきましたし、やるからには覚悟もありました。

ミ)
でもお話を伺っているとあまり、力んでいないというか自然体のような気がするのですが・・・。

遠)
気負いはないんです。一歩一歩。ゆっくりと正確にが基本なのです。焦って何かしようとしてもコトは急には変わらない。まして一段抜かして次のステップなんてことはしない。食べ物なのだから人間の体に害になるものは入れてはいけないし、いくらいいものでもおいしくなくては食べていただくことができないから、おいしいものを作る・・・そういう当たり前のことをやっているだけなんですよ。そういった私共の気持ちや方針を理解していただける方に、うちの豆腐をお届けしていきたいと思っています。

短い時間の中でしたが、遠藤社長のお話はいろいろ続き、一日あっても話足りない?と思うくらいでした。とても?歳には見えない若々しさでしたが、今でも毎日工場の中は毎日見て回っていらっしゃるとのこと。「初志貫徹」・・・それが全うできている生き方が会社にそのまま反映されていて、すばらしいなあと思いました。

取材:2004年6月16日

 

厚揚げ
厚揚げです。その名のとおり「厚そう」です。

 

がんもどき
豆腐以外にもがんもどきや・・・

 

豆乳
豆乳などもありました。

 

豆腐
ほんのり豆の香りがして、まろやかな優しい味の豆腐をどうぞお試しください。

 

 
お客様の声
 


 
トラックバック
 
スープに入れたりすると風味が良いセロリですが、一本使い切るのはなかなか大変。なので、一本をそのまま使えるレシピをご紹介。油揚げも、炒めるとおいしいんですよ!材料油揚げ・・・1枚セロリ・・・1本みそ・・・・大さじ1強みりん・・・大さじ1...
clear.gif