無駄なく、無添加で作ります。

今年の春頃、風子の店に北海道から訪ねてきてくれた三尾谷(みおのや)ゆうとさんのことをメルマガでご紹介したのを覚えていらっしゃいますか?その後、白子の燻製はミレーでも人気商品となり、お父さんのビールのつまみにぜひ、と多くの方からお申し込みを受けています。「まだまだ他の種類のおいしい海の幸を作っていますので北海道まで取材がてら遊びに来ませんか?」という三尾谷さんからのお誘いを受けて、先月、本当に風子は北海道まで行って来ちゃいました。

 

三尾谷ゆうとさんを訪ねて北海道常呂郡へ

ミレー風子)
こんにちは。女満別(めまんべつ)空港までわざわざお迎えに来ていただいてすみません。思い切って本当に来てしまいました。

三尾谷さん)
はるばるよく来て下さいました。燻製の時に使うおがくずをこちらの方に取りに来るついでなんで女満別まで来るのは別になんてことないんですよ。トラックなんですが、乗ってください。

こうして、女満別空港までおがくずがたっぷり乗ったトラックでお迎えに来ていただいて、その足のご自宅でもある工房に向いました。

風)
あいにくの雨ですね。でも空港から降りたら寒いのでビックリしました。ずっとこんな気温なんですか?

三)
そうですね。こちらはけっこうまだ冷えることが多くて、今夜あたりもストーブが必要かもしれませんね。

お話をしながら40分ほどでお宅に着く。三尾谷さんのお宅は女満別空港から網走方面に向って走り、サロマ湖に行く途中である常呂郡常呂町という場所にあります。

三)
ここですよ。まあ狭いところですが、ゆっくり見ていって下さい。ちょうど今日はホタテが入ったので、今、殻をむいていたところです。

風)
燻製の工場もご自身で作られたとお聞きしましたが、これがそうなんですね。よくお作りになりましたね。

三)
この程度なら誰でもできますよ。いろいろな廃材を利用したり、冷蔵庫や加工の道具なんかもけっこうリサイクルで手に入れたものが多いので、お金をかけずに作りました。あるもので工夫しているんですよ。今日、漁港から買ってきたホタテです。殻を今、むきますから。これ、ホタテのヒモの煮物です。どうぞ。

 

生産物:ほっけ燻製、ソーセージ
所在地:北海道常呂郡常呂町

山と海
はるばる北海道までやってきました。美しい山と海、気持ちいい!

 

三尾谷ゆうとさん
三尾谷ゆうとさん.無添加でホッケの燻製とソーセージを作っています。

 

燻製工場
燻製工場は三尾谷さんの手作りだそうです。

 

道具
ホタテを並べる網。いろいろな道具が並んでいました。

 

大きくて甘いホタテの歓迎に感謝、感激


・・・・ということで、着いて早々、ホタテをご馳走になりながらお話を伺うことになりました。ホタテのおさしみはとっても大きくて甘くって最高でした!

風)
おいしいですね。私は貝の中でもホタテが大好きなので嬉しいです。今日はホタテの燻製を作っていらっしゃるようなので、その作り方を教えていただけますか?

三)
今回のホタテは殻付きなので、この殻ごと熱湯に30秒くらいつけます。それで口が開くから、こうやってヘラを使って身を殻からはずしていきます。それで身は80℃で1時間くらいボイルします。沸騰させないようにします。それから棚に並べて乾燥させます。湿度や温度によっても違うのですがだいたい1時間くらいで表面が乾いてきたら、その後、10時間くらいかけてスモークします。その後袋詰めをして再び加熱殺菌をします。

風)
これができあがったばかりのホタテの燻製ですね。あんなに大きなホタテだったのにけっこう小さくなってしまうんですね。

三)
そうなんですよ。燻製にする過程で身がしまっていくのでね。だからけっこうホタテの燻製って割高になっちゃうんですよ。

風)
でもおいしいですね。ホタテの香りがぎゅっと詰まっているという感じがして、噛めば噛むほど味が出てきます。市販されている燻製と何か違う点があるのですか?

三)
普通のホタテの燻製はオイルマスキングと言って油を使って重量を増したり、保存性をよくしたり、食味をよくしようとしたりしていますね。でも私はせっかくオホーツクの新鮮な海の幸がとれるのだから、素材本来の味を大事にしたいなあと思って、何も添加していないのです。もちろん油も使っていません。その分、重量はとれませんが、味にはコクがあるかと思います。

風)
北海道ではホタテって今が旬なんですか?

三)
けっこう一年中あるみたいですが、漁期は5月から11月ですね。オホーツクの天然育ちのホタテだからおいしいんですよ。

風)
三尾谷さんの燻製は白子だけは通年あるそうですが、それ以外のものは漁期に合わせて、その時々に水揚げされた魚を使うとお聞きしました。今はホタテ以外にどんなものがあるのですか?

三)
ホッケ漁は年に2回あって、5、6月と秋の10、11月なんですよ。ホッケをこちらに来て初めて食べた時、全然臭くないんで驚きましたね。ホッケってけっこうクセがある魚なんだけど、そのまま丸ごとお汁にしてもおいしいんだよね。そのホッケを使って燻製とソーセージ、チョリソーなんかを作っています。明日はホッケを大量に注文してあるので、ホッケの処理にこの後は追われそうです。

 

 

ホタテの貝殻
ホタテの貝殻。きれいな形をしています。

 

ホタテを熱湯につけます
熱湯に30秒くらいつけると口が開きます。

 

ホタテの貝柱
開くと大きな貝柱がみえました。

 

ほたて料理
ホタテ三昧の料理。とっても幸せです。

 

水揚げされたほたて
港ではたくさんのほたてが水に浸かっていました。

 

無駄なく一物全体を使い、かつ無添加で。

風)
前にも少しお聞きしたのですが、もう一度簡単にホッケのソーセージをどんなふうに作るのか教えていただけますか?

三)
ホッケは全て手でおろします。頭とはらわたを取り除きます。それで骨と皮はミンチするんですよ。できるだけなめらかな触感にしたいので全部で4回、ミンチします。それに自然塩、玉ねぎのみじん切り、コショウを加え、ポリエチレンの袋に入れて成形します。その後、80℃で90分ほどボイルして、風乾させてから12時間くらいスモークします。
パック詰めしてから最後にまた加熱殺菌します。チョリソーはこれににんにくや唐辛子などを加えて作ってあります。

風)
だいたい、どのくらいの量をお作りになるのですか?

三)
仕入れられた量次第なので決まっていないのですが、全部一人でさばいて手作りすることを考えるとそんなに一度に大量にはできないんですよ。今回のホッケは124キロ入ったのですが、それだけの量だと3、4日はホッケ中心の生活になってしまいますね。新鮮なうちに加工してしまいたいし、スモークしたいので。でもそれだけあっても正味の出来上がり量はだいたい70%くらいになってしまいます。

風)
でも三尾谷さんは「一物全体」ということを心がけていらっしゃるし、骨や皮もできるだけ捨てずに使おうとされているので、70%という数字が一般的に言ってどうかはわかりませんが、廃棄しているものをしては少ない方なのではありませんか?

三)
一物全体というのは頭から尻尾まで全部をありがたく無駄にせずいただくということです。食べ物に対する姿勢としても大切なことだし、頭や骨にもたくさんの栄養がありますからね。アイヌの人たちは鮭一匹にしても食べられるところは全部いただくという考え方を持っていて、そんな暮らし方から私たちも学ぶものが多いのではないでしょうか。それになるべくモノを無駄にしたくはないし、ゴミも少なくしたいと思っています。

風)
市販されている練り製品というのはだいだい保存料や着色料などの添加物が入っていたり、化学調味料の味がしたりするので、中々食べたいなあと思うものがないのですが、三尾谷さんのソーセージは無添加だし、調味料にまでこだわって純正のものを使っているので、安心していただけますよね。

三)
僕は化学調味料というものが嫌いなんですよ。妙に口に残るというか・・・。でもどこに行っても化学調味料の入っていないものが少ないので、旨い酒を呑むためには、おいしい肴が欲しいから、これはもう自分で作るしかないかなあと思ったんですよ。せっかくのおいしい海の幸も化学調味料漬けになっては台無しですよね。

風)
やはりご自分で納得のいくものだけをお作りになりたいと思っていらっしゃるのですよね。

三)
それと、作る本人がおいしくって安心して食べられるものがほしいからというのが一番かもしれませんね。新鮮で素材本来の味を生かしたもの、いい調味料を選んで作ったものなどが、本当においしいということがわかったら、もしかしたら化学調味料なんて無くすことができるかもしれないでしょ?

風)
そうですよね。私も化学調味料はいっさい使わずに調理しているので、時々、使ったものを食べたりすると、妙に口に味が残るというか、不自然な旨みを感じてしまいますね。本当にきちんとした味付けがわかる人たちが増えていくことで、自然に化学調味料を使う人たちが減っていくといいなあと思っています。

三)
僕なんか、化学調味料がこの世からなくなればいいと思っていますから。

 

 

ほたての燻製
ほたての燻製を作っているところです。

 

ほたての燻製
こんがりおいしそうです。

 

港の様子
近くの港にも水揚げの様子を見にやってきました。

 

水揚げされた魚
北の海の幸はとっても活きがよさそうです。採れたての新鮮な素材を使います。

 

包丁
ホッケをさばくのは全て手作業です。

 

作業中の三尾谷さん
頭から尻尾まで全部をありがたく無駄にせずいただきます。

 

ホッケの燻製
ホッケの燻製です。「オホーツク産」「無添加」のシールがはってあります。

 

燻製ソーセージはカルシウムたっぷりです。

風)
ところでホタテやホッケ、白子以外にもたくさんの加工品を作っていらっしゃるのですよね。鮭やマスなんかのソーセージも作っていらっしゃるそうですが・・・。

三)
8月中旬からマス漁が、9月中旬からは秋鮭漁が始まります。それに合わせて、鮭もマスもソーセージやチョリソーにしたりしています。鮭とマスは頭と中骨を煮てからミンチにして一緒に身と混ぜ込んでありますから、カルシウムもたっぷりです。

風)
でも海の状態によっても作るものが変ってくるのではないですか?

三)
そうですね。予定はあるのですが、何ごとも海と相談しながらですね。不漁だったり台風の影響を受けたりすると仕入れられなくなってしまうからです。原則的には捕れたての新鮮な魚を使おうと思っているので、白子以外では冷凍ものは使っていません。だから、それらが定番として必ずあるとは、はっきり言い切れないのです。

風)
きちんとした素材にこだわるのであれば、天候の影響を受けるのは当然のことです。今年の北海道の漁業が大漁であることを期待しています。こちらの棚には食べ物関係の本がたくさんあるのですね。

三)
加工品を作るのが好きなんですね。それも無添加で酒の肴になるようなものが。トバって知っていますか?鮭を細切りにして塩だけで調味しスモークしたものです。そのまま食べるんですよ。また数は少ないですがホタテのヒモをキムチにしたり、1年仕込みのイカキムチやホヤキムチなんかも作っています。日本一小さな燻製屋なので、いづれにしても大量には作れないんですが・・・。

風)
でも全て手作りしていては、そんなに大量生産なんてできっこないですよね。それは私も調理をしながら日々、実感しているところです。でもだいたいでいいのですが、これからミレーでもご紹介していける加工品の予定を教えていただけますか?

三)
これから8月にかけてさっきのお話にあったマスの加工が始まります。それから秋鮭。
10月になったらイカ漁も始まるのでイカの燻製、11月はチカ漁が始まるのでチカの燻製や粕漬け、11月から冬にかけてはカキの燻製の酢油漬けも作ります。

風)
途切れることなくおいしい魚の加工品が一年を通して食べられるのですね。それに真空パックになっていて日持ちもするし、封を切らなければ冷蔵庫で保存しなくても大丈夫というのがとても便利で安心ですね。

三)
燻製というのは素材を長持ちさせる保存方法の一つでもあるので、昔の人の生活の知恵ですね。そういう加工の方法をこれからもいろいろ勉強していきながら、おいしいと思うものを作っていきたいです。

風)
今回、こちらにおじゃまさせていただいて、実際に作っていらっしゃる現場を見せていただけてよかったと思います。前の取材は店に来ていただいたので、三尾谷さんの食べ物に対する思いのようなものを中心にお聞きしたのですが、今回は具体的に作っていらっしゃるお姿を見せていただいて、ああ、お酒を呑んでいるばかりじゃなくて、ちゃんと働いているんだ!?ってこともわかったし・・・。それに魚の加工が想像以上に重労働で手間がかかるということもわかって、ますます三尾谷さんの燻製が好きになりました。

三)
いつもいつもそんなに働いているわけじゃないんですよ。今回はちょうど大量に仕入れたので、それに合わせてやることがあったというだけの話で、年間を通してだとそんなにがむしゃらにはやっていないんですよ。

風)
でも本当にお好きなことをやっているので、呑んでいるときも楽しそうですよね。最後に皆さんにお伝えしたいことは何かありますか?

三)
燻製のこととは関係ないのですが、やっぱり誰もが楽しく平和に暮らしていける世の中にしていきたいと思っているので、どんな形であろうと「正義の戦争」というものには反対したいし、自衛隊の人道支援というものにも反対です。今、こうやって平和に暮らしていける生活そのものを自分も大切にしたいと思うからこそ、よその国の人たちのそういう生活もやはり大切なんだということを忘れたくないものですね。

「百聞は一見にしかず」自称「日本一小さな燻製屋」である「海歌洞」の三尾谷ゆうとさんでしたが、手作りで廃材やリサイクルを利用して建てた燻製工場は、それでも必要なものはきちんと揃っていて、とても使い勝手がよさそうでした。スモークする時間が長いので、パック詰めをする時間を逆算して、朝、暗いうちから火を焚いていました。本当に気の長い作業です。
そんな作られている背景を実際に見てみると、手作り燻製がとてもいとしいものになってきました。
オホーツクの新鮮な海の幸を無添加で加工した三尾谷さん手作りの燻製をビールのお供にどうぞ!。   風子でした

取材:2004年8月10日

 

ソーセージ
鮭やマスの燻製ソーセージ。

 

ホッケソーセージのラベル
手作りラベルにはホッケのイラストが入っています。

 


「ほとんど丸ごとのスモークソーセージ」とラベルには書いてあります。無駄はありません。

 

三尾谷さん語る
化学調味料がなくてもおいしいものが作れる。三尾谷さんの話に納得。

 

ホッケの燻製
新鮮なホッケの燻製と

 

ソーセージ
カルシウムたっぷり燻製ソーセージ

 

お酒の肴に
お酒の肴にオススメです。

 

乾杯
やっと作業が終わったので、乾杯、いただきまーす。

 

 
お客様の声
 


 
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