風)
ところでホタテやホッケ、白子以外にもたくさんの加工品を作っていらっしゃるのですよね。鮭やマスなんかのソーセージも作っていらっしゃるそうですが・・・。
三)
8月中旬からマス漁が、9月中旬からは秋鮭漁が始まります。それに合わせて、鮭もマスもソーセージやチョリソーにしたりしています。鮭とマスは頭と中骨を煮てからミンチにして一緒に身と混ぜ込んでありますから、カルシウムもたっぷりです。
風)
でも海の状態によっても作るものが変ってくるのではないですか?
三)
そうですね。予定はあるのですが、何ごとも海と相談しながらですね。不漁だったり台風の影響を受けたりすると仕入れられなくなってしまうからです。原則的には捕れたての新鮮な魚を使おうと思っているので、白子以外では冷凍ものは使っていません。だから、それらが定番として必ずあるとは、はっきり言い切れないのです。
風)
きちんとした素材にこだわるのであれば、天候の影響を受けるのは当然のことです。今年の北海道の漁業が大漁であることを期待しています。こちらの棚には食べ物関係の本がたくさんあるのですね。
三)
加工品を作るのが好きなんですね。それも無添加で酒の肴になるようなものが。トバって知っていますか?鮭を細切りにして塩だけで調味しスモークしたものです。そのまま食べるんですよ。また数は少ないですがホタテのヒモをキムチにしたり、1年仕込みのイカキムチやホヤキムチなんかも作っています。日本一小さな燻製屋なので、いづれにしても大量には作れないんですが・・・。
風)
でも全て手作りしていては、そんなに大量生産なんてできっこないですよね。それは私も調理をしながら日々、実感しているところです。でもだいたいでいいのですが、これからミレーでもご紹介していける加工品の予定を教えていただけますか?
三)
これから8月にかけてさっきのお話にあったマスの加工が始まります。それから秋鮭。
10月になったらイカ漁も始まるのでイカの燻製、11月はチカ漁が始まるのでチカの燻製や粕漬け、11月から冬にかけてはカキの燻製の酢油漬けも作ります。
風)
途切れることなくおいしい魚の加工品が一年を通して食べられるのですね。それに真空パックになっていて日持ちもするし、封を切らなければ冷蔵庫で保存しなくても大丈夫というのがとても便利で安心ですね。
三)
燻製というのは素材を長持ちさせる保存方法の一つでもあるので、昔の人の生活の知恵ですね。そういう加工の方法をこれからもいろいろ勉強していきながら、おいしいと思うものを作っていきたいです。
風)
今回、こちらにおじゃまさせていただいて、実際に作っていらっしゃる現場を見せていただけてよかったと思います。前の取材は店に来ていただいたので、三尾谷さんの食べ物に対する思いのようなものを中心にお聞きしたのですが、今回は具体的に作っていらっしゃるお姿を見せていただいて、ああ、お酒を呑んでいるばかりじゃなくて、ちゃんと働いているんだ!?ってこともわかったし・・・。それに魚の加工が想像以上に重労働で手間がかかるということもわかって、ますます三尾谷さんの燻製が好きになりました。
三)
いつもいつもそんなに働いているわけじゃないんですよ。今回はちょうど大量に仕入れたので、それに合わせてやることがあったというだけの話で、年間を通してだとそんなにがむしゃらにはやっていないんですよ。
風)
でも本当にお好きなことをやっているので、呑んでいるときも楽しそうですよね。最後に皆さんにお伝えしたいことは何かありますか?
三)
燻製のこととは関係ないのですが、やっぱり誰もが楽しく平和に暮らしていける世の中にしていきたいと思っているので、どんな形であろうと「正義の戦争」というものには反対したいし、自衛隊の人道支援というものにも反対です。今、こうやって平和に暮らしていける生活そのものを自分も大切にしたいと思うからこそ、よその国の人たちのそういう生活もやはり大切なんだということを忘れたくないものですね。
「百聞は一見にしかず」自称「日本一小さな燻製屋」である「海歌洞」の三尾谷ゆうとさんでしたが、手作りで廃材やリサイクルを利用して建てた燻製工場は、それでも必要なものはきちんと揃っていて、とても使い勝手がよさそうでした。スモークする時間が長いので、パック詰めをする時間を逆算して、朝、暗いうちから火を焚いていました。本当に気の長い作業です。
そんな作られている背景を実際に見てみると、手作り燻製がとてもいとしいものになってきました。
オホーツクの新鮮な海の幸を無添加で加工した三尾谷さん手作りの燻製をビールのお供にどうぞ!。 風子でした
取材:2004年8月10日 |