海歌洞 三尾谷ゆうとさん

昨年末、ミレーでご紹介したスモークサーモンはあっという間に完売するほどの大人気でした。今年もまた美味しいスモークサーモンの時期がやってきましたが・・・この美味しさをご紹介できるのも今年限りになってしまいました。なんと!三尾谷さんは魚の加工を年内いっぱいで終わりにするそうなのです!!すごく残念に思い、どうしても三尾谷さんとお話がしたくなって、風子は北海道まで行ってきちゃいました。

北海道北見市の三尾谷ゆうとさんにインタビューしました。

ミレー風子)
こんにちは~。こちらはもう寒いんですねえ。さっそくですが今年もスモークサーモンの仕込みが始まったとお聞きしました。スモークサーモンの取材は最初で最後になるので、いろいろ教えてくださいね。

三尾谷)
ちょうどこれから鮭の仕入れに行くところなので、まずは一緒に行ってみますか?

ミ)
はい。よろしくお願いします。

 三尾谷さんのトラックの助手席に乗せていただいて、工房から90kmほど離れた場所にある水産業者さんの所へ同行しました。山々に囲まれてとてもいい景色。走っているだけでもいい気持ち~。

ミ)
毎回、こんなに遠くまで仕入れにいらっしゃるのですか?

三)
そうなんですよ。ここは鮭が水揚げされたら連絡をくれるので、その時、必要な分だけ分けていただくようにしています。漁港だと仕入れる量が多すぎて一人では一度にさばけないのです。

三尾谷ゆうとさん
三尾谷ゆうとさんです。今年で最後のスモークサーモンの作り方とその美味しさの秘訣を伺いました。

港
三尾谷さんの工房から90km離れたところの水産業者さんに鮭を仕入れに向かいました。

 三尾谷さんは水槽の中からよさそうな鮭を選んで ケースの中に入れて計量してから、鮭を荷台に積み込みました。

仕入れた鮭
鮭は水揚げされたその日のうちにさばきます。新鮮そのものです。
ミ)
今日仕入れた鮭は、全部でどのくらいの重さなのですか?

三)
今日は少なめで60kgくらいかな。多いときは100kgくらい仕入れますよ。だけど、水揚げされたその日のうちにさばきたいので、良い鮭がたくさんあってもあまり多くは仕入れられません。

 鮭を積み込んだら、即、工房に帰って鮭を車から降ろし、三尾谷さんは仕込みにかかりました。

ハーブやスパイスは使わず、自然塩だけで味つけします。

ミ)
今日はどの程度まで仕込みを行うのでしょうか?

三)
頭を落とし、内臓を取り出してから真空パックし、冷凍するところまでです。今日のうちにそこまでやっておけば鮮度が保てるのです。鮭は今が一番美味しい時期ですが、うちの場合は冷燻(燻製方法のひとつ)なので、もっと寒い時期になってから加工するんですよ。

ミ)
鮭のさばき方には、何か特別な方法があるのですか?

三)
私は、鮭の頭や内臓も全部使うのでそれぞれを分けて取っておきます。カットする断面が少なければ少ないほど劣化が防げるので余計なカットはしないように気をつけています。

ミ)
前回の取材の時、鮭の白子は北海道の方はほとんど使わないとお聞きしたのですが・・・。

三)
鮭の白子はほとんどが捨てられているようです。燻製屋を始めた時、白子の加工から入ったのもそれが嫌だったからです。でも、全てを無駄にしないでいただくという事は、実際にはとても手間がかかることなのです。私自身、食べ物を粗末にしたくないと思っているので、鮭のソーセージを作るときなどは、骨も皮もミンチして中に一緒に練り入れたりしています。

仕込みを始める様子
仕込みを始める三尾谷さん。まずは頭を落とします。

鮭の内臓を出す様子
鮭の内臓を出します。頭も内臓も捨てず、後で他に使います。無駄にはしません。
鮭を三枚におろす様子

三枚におろし、味をつけます。ハーブやスパイスは使わず、自然塩だけを使います。


燻煙の準備の様子

ナラのおが屑を使って、ゆっくり12時間かけて燻煙します。

ミ)
この後はどういう工程があるのでしょうか?

三)
自然解凍してから三枚におろし、骨を取り、自然塩をふって6時間ほど寝かせます。ハーブやスパイスなどを何も使わずに、シンプルに塩だけで味をつけているので、塩加減がとても重要になってきます。

ミ)
塩だけしか使われていないから、和風にも洋風にも合うんですね。塩をふって寝かせた後はどうするのですか?

三)
塩を落として水気を切って、ナラのおが屑を使い、ゆっくりと12時間かけて燻煙をかけていきます。外気温が摂氏0度でも、燻煙すると燻製小屋の温度も上がります。でも、冷燻で作るので小屋の温度が摂氏10度以上にならないように気をつけています。外気が冷えれば冷えるほど、美味しいスモークサーモンができるんですよ。

素材の味を生かして手作りしています。ぜひお試しください。
ミ)
燻煙の方法を教えてください。

三)
手作りの燻製の箱(棚)が10段あるのですが、中の網の上に皮を下にして鮭を並べます。そして一斗缶の中におが屑を入れて火をつけて、下からその煙をかけていきます。3時間ごとに棚を入れ替えたりおが屑を足したりするので、燻煙が始まったら昼も夜も関係なく、この作業が続きます。

燻煙の棚
三尾谷さん手作りの燻煙の箱(棚)です。
牡蠣
今年はサロマ湖の牡蠣を燻製にしたものも作っています。

出来上がり間近のスモークサーモン
出来上がり間近のスモークサーモンです。

ミ)
加工している間は生活の時間も昼夜関係なく、夜中にお食事をしたり、朝、ちょっと寝たり・・・と、よくおっしゃってましたものね。スモークサーモン以外には何かお作りになっているのですか?

三)
今年が最後なので、この冬は気合いを入れていろいろ仕込んでいますよ。特に牡蠣の燻製はおすすめです。近くにあるサロマ湖の牡蠣を燻製にしたものです。新鮮なうちに加工できるので、とても美味しいんですよ。

ミ)
こんなに美味しい無添加のスモークサーモンや燻製をお作りになっているのに、今年度いっぱいでおやめになるなんて残念です。

三)
そうなんです。魚の加工は室内を温かくする事ができないので、すごく冷える作業場で仕事をしています。それに、重い箱を運んでいるうちに腰を痛めてしまいました。お酒の方は昨年やめたのですが、腰の方はどうにもならないので、年内いっぱいでこの仕事をやめることにしました。

ミ)
その後、どうされるのですか?

三)
母のいる栃木県に帰りますが、やはり食べ物の加工は何かしらしていきたいと思っています。

ミ)
こんなに美味しいスモークサーモンが食べられなくなるなんて、とても残念ですが、きっと新しい場所に移っても、三尾谷さんは何かを作り続けているような気がします。最後にミレーのお客様に一言お願いします。

三)
このスモークサーモンは、商品化するまでに何年もかかって、ようやくお出しできるような味になりました。無添加で素材の味を生かして作りました。ぜひ召し上がってください。それと、短い間でしたがお世話になりました。日本一小さな燻製屋として一人でコツコツやってきました。全てゼロから勉強しながら作り続け、燻製小屋も道具もみんな手作りした楽しい5年間でした。また新しい土地で、何かお届けできるようなものができたら、よろしくお願いします。

スモークサーモン
北海道産の新鮮な鮭を使って作ったサーモンです。塩だけで味付け、全て手作りのこだわりです。今年で最後の出荷ですので、どうぞお召し上がりください。

スモークサーモンの生春巻き
美味しいスモークサーモンで生春巻きを作りました。素材が良いと、料理も幅が出ます。
風子 鮭を工房に運び入れてから三尾谷さんは、鮮度が落ちないように、一時も休むことなく手を動かしていました。全ての工程を手作業で丁寧にやっていく姿を見ていて、本当に貴重なスモークサーモンなんだなあと改めて思いました。お好みの厚さにスライスしてお召し上がりくださいね。味わいはもちろん絶品です!ぜひお試しください!
取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2006年11月25日
 
お客様の声
 


 
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