デコちゃんの甘熟にんじん搾り

「デコポン」は野菜を中心にした生産者連合で、成田市にあります。ミレーからも近いので、時々野菜を分けていただいています。そのデコポンで今回、にんじんジュースが新しく開発されました。どんな味なのか、どのように作られているのか、興味深々の風子は商品開発担当の守永さんと、にんじんの生産者さんである加瀬さんにお話を伺ってきました。

成田市の生産者連合デコポンの新商品にんじんジュースです。

ミレー風子)
こんにちは~。早速ですが、どのような経緯でにんじんジュースが開発されたのか教えてください。

守永敬さん)
私は昨年まで、ある自然食品店の店長として働いていたのですが、体を壊してしまったんです。もともと、生産現場には興味があったし、農業をやっていい汗を流せば元気になれるのではないかなと思って、デコポンの研修生として農作業や出荷などのお手伝いをするようになりました。でも実際に畑に行くようになると、出荷できない野菜がたくさんあるという現実に驚き、それを何とかできないだろうかと思ったのがきっかけです。

守永敬さんと加瀬嘉男さん
成田市にある生産者連合デコポンの守永敬さん(左)と、にんじんの生産者 加瀬嘉男さん(右)です。

ミ)
私もいつももったいないなあと思っていました。私の中では規格外と通常の野菜との差って全くないんですよ。

加瀬嘉男さん)
われわれ農家にとっては、無農薬で手間暇かけて一生懸命育てたという意味では同じ野菜なんだけど、形が悪かったり、大きすぎたり、小さすぎたりするだけで、全部まとめて規格外になっちゃうでしょ?結局それらは畑にうなったりするしかなくて、もったいないなあと思ってね。

守)
特に加瀬さんの野菜は、有機JAS認証を取得したとてもいい野菜です。無農薬で作るということは、慣行栽培に比べて、病気になりやすかったり、害虫が発生しやすかったりと、リスクが高いんです。それを承知で作ってくれているのに、規格外品が出た時、捨てるしかないというのは何だかおかしいなと思ったんです。

ミ)
それでにんじんジュースの開発を思い立ったのですね。

守)
そうですね。にんじんは栄養価の高い野菜なのに、独特の匂いがあって、嫌いなお子さんも多いので「にんじん嫌いのお子さんたちも美味しく飲めるにんじんジュース」ができたらお子さんにも農家さんにも喜んでもらえるだろうなあと思ったんです。

畑
加瀬さんの野菜は有機JAS認証も取得しています。

加)
本当はさ、畑で穫ったばかりのにんじんを、その場でジューサーにかけて何も加えずに飲むのが一番旨いんだよ。だけどみんながそうできるわけじゃないからね。せっかくうちの甘くて美味しいにんじんで作るのだから、やっぱり美味しいにんじんジュースにしてほしいなあと思ったよ。

生きた天然酵母でにんじん臭さがなくなり甘く美味しくなりました。

ミ)
開発にあたって、どのような点を工夫されたのですか?

守)
にんじんが嫌いだという方は、ほとんどの方がにんじん臭さがイヤだと言いますね。だから本来のにんじんの味と風味を残したまま、にんじん臭さをなくすことが一番のポイントでした。市販のにんじんジュースもたくさん試飲しました。市販されているものの中には保存料や甘味料などの添加物が入っているものが多かったです。それらを一切加えずに、飲みやすいにんじんジュースを作るにはどうしたらいいのかなと試行錯誤の毎日でした。

ミ)
せっかくのにんじんなので、砂糖などを加えてしまうのはもったいないですよね。

守)
そうなんです。でもよい方法がなかなか見つけられませんでした。試飲していく中、新潟県でジュースを作っている鶴巻さんと出会いました。どうしたら美味しいにんじんジュースを作れるのかと相談したところ、生きた天然酵母を入れることによってにんじん臭さがなくなり甘くて美味しいジュースになると教えてくださいました。

甘熟にんじん搾り
にんじんの風味をしっかり残しつつ、にんじん臭さをなくしたジュースです。

ビンのラベル
ビンのラベルの原材料には、「人参、レモン、柑橘エキス」と書かれています。保存料、着色料などは入っていません。

ミ)
天然の酵母とはどういうものですか?

守)
鶴巻さんは伊豆の天城山の空気中や緑葉樹に生息する天然酵母を使っています。それを元に柑橘の天然酵母を作っていただきました。発酵の材料となる果物は、うちの組合がデコポンという名前なので、うちの生産者である愛媛県の寺尾さんの特別栽培のデコポンを使いました。酵母の中には生きた微生物がたくさん入っていて、私たちの腸内で善玉菌として活躍してくれるんです。酵母を入れることにより、味にコクがでてまろやかになり、甘さも増しました。

ミ)
原料はその酵母とにんじんだけですか?

守)
酸化防止剤を添加する代わりに国産のレモンを加えています。まあ、どんな味だか飲んでみてください。

繊維質が残っていて、栄養たっぷり。ぜひお試しください。
にんじんジュースを注ぐ
繊維質が残っていて、健康的です。

加瀬さん

丹精込めて作ったにんじんを使った美味しいジュースです。ぜひお試しください。


にんじんジュースのゼリー

にんじんジュースを使って、にんじんゼリーを作りました。お子様のおやつにおすすめです。

風子、にんじんジュースをいただく。

ミ)
美味しいですねえ。繊維質がそのまま残っていて、栄養たっぷり!という感じです。

加)
このジュースの98%はうちの無農薬にんじんなので、水分も繊維も丸ごと全部飲んでほしいよね。加工品用の野菜というのは農家にとってどこか二束三文的なイメージがあったんだけど、きちんとした商品を開発することによって、規格外の野菜たちも生かされる道ができるのだとすれば、これはとっても嬉しいことなんだよ。形や大きさが違っても丹精こめて育てた野菜であるということには変わりがないからね。

ミ)
畑で育ったにんじんは生きている命です。だからその命を余すことなくいただくことが、人間としての礼儀というか、忘れてはいけない姿勢なんだと思っています。

加)
今までは生かされることのなかった命が、形を変えることによって生まれ変わる。生まれ変わることによって、またそのにんじんたちが新しく生き返るんだよね。農家にとってもそれは励みになるし、来年もまた作ろうという気持ちに立ち返らせてくれるような気がするよ。

守)
私たちは農家さんたちが翌年もまたがんばって野菜を作ろうと思っていただけるような環境を整えていかなければと思います。そういう意味でも加工品の開発は、市場に流通できない野菜に付加価値を見出し、生産者さんたちの活性化を目指しています。さらにそれを消費者の皆さんにお届けしていくことで、喜んでいただけたらと思っています。

ミ)
にんじんたちも大切にされて、美味しいジュースに生まれ変わってきっと喜んでいることでしょうね。生産者さんと流通業者さんの思いが結晶した協同開発のにんじんジュース、ミレーのお客様たちにもぜひたくさん飲んでいただけたらと思っています。どうもありがとうございました。
風子

私も小さな単位ではありますが、自分でオリジナルの商品を開発して、ミレーでも販売していただいた経験があるので、商品化するまでの行程がいかに大変なことであるか、よくわかります。まして大量に作るとなると、その労力たるやいかに大変か・・・。でも、守永さんの農家さんへの思いが伝わってきたとても楽しい取材となりました。丁寧に作られた美味しいにんじんジュースです。ぜひお試しくださいね!

取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2007年8月5日
 
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