祝 ミレー農場 開墾1周年

ミレーから車で15分。静かな林の中にあるミレー農場に、若さあふれる農業研修生、溝口君が来てくれるようになって1年。牧草地のようだったミレー農場は、着々と開墾されてすっかり畑らしくなってきました。真新しい畑で孤軍奮闘している溝口くんに1年ぶりにお話を聞いてきましたよ~。

開墾1周年のミレー農場にやってきました。

 

ミレー風子)
こんにちは。1年前に来た時はまだまだ開墾途中という感じでしたが、溝口君が農場研修生になってからは、すっかりこの農場も畑らしく整備されてきましたね。

溝口)
ありがとうございます。でもこの時期、めちゃくちゃ草の勢いが強いので、正直なところ、今、野菜よりも草の方が勝っているような状態で、毎日草刈りに追われています。

ミ)
ここまで開墾するのは大変だったでしょう。一年をふり返ってどうですか?

溝)
ちょうど去年の8月16日からここに来るようになって、すぐに取材をしていただいたんですよね。あれから丸一年。あっという間でした。自分でやりたいと思っていたことと、実際にやれることとのギャップがあったり、頭の中だけで描いていた構想を、いざ実践してみると、できる事とできない事があるということを体で体験したり・・・と、とても勉強になった1年でした。

ミ)
昨年はどんなものを作ったのですか?

溝)
とにかく短期間で育って、即、出荷できるようなものを作ろうと思い、葉物を中心に作る事から始めました。からし菜、ラディッシュ、玉ネギ、むらさき玉ネギ、ソラマメ、とうもろこし、枝豆、カボチャなどを作る予定だったのですが、玉ネギは台風でやられてしまったり、最初に蒔いたラディッシュは大きくならなかったり、とうもろこしも虫食いが多かったり・・・と、なかなか思うようにはできませんでした。

ミ)
今は何を作っているのですか?

溝)
ちょうど今、出荷しているのがこのオレンジ色のカボチャです。正式名は打木赤皮甘栗カボチャ(うつぎあかかわあまぐりかぼちゃ)という金沢の方の伝統野菜です。オレンジ色の実で水気が多く、粘り強くて甘いカボチャなんですよ。雑草に負けずに元気に育ってくれています。あと、こちらが枝豆。蒔く時期が遅かったので、ちょうど雑草が生える時期と重なってしまい、どうなるかわかりませんが、うまく育てば9月中旬から下旬にかけて出荷できると思います。あと、赤ネギという赤い茎の長ネギも植えてあります。こちらは11月中旬の出荷予定です。

ミ)
カボチャ、キレイな色ですねえ。このカボチャでお菓子を作ったら美味しそう!!

溝)
風子さん、このカボチャで何かおいしいお菓子を作ってください。カボチャプリンなんか合うと思うんですけどね・・・。

ミ)
じゃあ、店に帰って作ってみようかな。これからはどんなものを作付けしていく予定ですか?

溝)
秋になったら玉ネギ、葉ごぼうという種類の秋蒔きのごぼう、サラダ菜、からし菜、かつお菜、野沢菜なんかも蒔く予定でいます。

ミ)
1年間やってみて、来年の作付け予定みたいなものもできあがってきたのですか?

溝)
そうですね。1年やってみて、ようやく「こうしたらいいんだ」という目標のようなものがハッキリとイメージできてきたような気がします。僕はまだ新規就農で農作業用の機械は持ってないし、設備もあまりないんです。忙しくて作業が進まず、蒔く時期を逃してしまったりもしました。でも、そんな中でも出来る限り効率的にやれることを考えていこうと思ったのです。やりたい事はたくさんあるけど、あれもこれもと理想を言っても体は一つしかないし、できることには限りがあるので、効率よく野菜を作っていくには作付けの順序もうまく組み合わせていかなくてはならないから・・・。

ミ)
この1年間は実験だったのかもしれませんね。でも何事も実際にやってみてからでないと分からないことが多いですものね。ところで、どんなことが一番大変でしたか?

溝)
草刈りですね。刈っても刈っても雑草の勢いには勝てずに、毎日草と戦っています。とても厳しい作業ですが、想像以上というわけではありません。このくらいは覚悟していたことでもありました。でも、出荷する予定だった野菜が台風や虫にやられて収穫できなくなってしまった時はとても残念でした。それはそのまま収入の予定がなくなるということなので結構つらかったです。

ミ)
でも、私は溝口君が来る前のこの場所を知っているので、よくここまで畑らしい畑にしたなあ、すごいなあと思います。

溝)
たとえ畑の形が整っていったとしても農家としてはまだまだです。たとえば葉物を作っても収量を安定させないといけないんです。ベテランの農家さんだったら、蒔く時期をずらして一定期間ずっと収穫できるように作付けしていますよね。でも僕の場合、種を蒔く段階で収穫できる量も予測できないので、どれくらい出荷できるかもわかりませんでした。信頼される農家になるには、天候や虫食いなどのアクシデントはあるにしても、ある程度は一定の量を作れるようにしなくてはと思います。

 

 

生産物:カボチャ他
生産地:千葉県栗源町

 

溝口和孝さん
若さいっぱいの農業研修生、溝口 和孝さんです。

 

ミレー農場
開墾からちょうど1周年のミレー農場です。

 

虫除け
汗だくになって、虫除けを首から下げながらの農作業です。

 

かぼちゃ
鮮やかな色のかぼちゃです。打木赤皮甘栗カボチャ(うつぎあかかわあまぐりかぼちゃ)という金沢の伝統野菜です。

 

赤ネギ
茎が赤い長ネギ、赤ネギです。

 

ゴーヤ
長いゴーヤ(にがうり)もありました。

1年間の試行錯誤を経て、新たな目標ができました。

 

ミ)
この春ミレー農場に、東京にお住まいの方たちが見学にいらっしゃいましたね。私もあの時、一緒にご案内したのですが、皆さんとても喜んでいらしてよかったなあと思いました。

溝)
僕もあのときの農場見学会はとても嬉しかったです。消費者の方たちと直接交流できる機会はなかなか無いですからね。今後は消費者の方たちにも、できるかぎり収穫体験などをしていただけるように、余裕を持って野菜を植えておけたらなあと思いました。

ミ)
一番、嬉しかったことはどんなことですか?

溝)
農場見学会もかなりうれしかったのですが、もっとうれしかったのは、自分が出荷した野菜に対して「美味しかったです」というメールをいただいたことです。あれは本当に嬉しくて励みになりました。新米の僕が作った野菜を実際に購入して食べていただいている方がいるんだなあと思うと、すごく嬉しくて、がんばろうという気持ちになりました。僕はミレーの農場研修生なので、最初から作った野菜の出荷先があるというのは、すごく恵まれていることなのだなあと思っています。

ミ)
他の生産者さんともいろいろお知り合いになれましたか?

溝)
早川店長から、みみずの会の板橋さんを紹介していただきました。今は見習いとして、よき先輩方にいろいろなことを教えていただいてます。ベテラン農家さんに畑を見せてもらったり話を聞いてもらったりしているので、すごく勉強になります。それに、板橋さんのお宅にある攪拌機(かくはんき)を借りてぼかし肥料も作らせてもらってるんですよ。

ミ)
農作業の合間にミレーの事務仕事のアルバイトもしていると聞きましたが?

溝)
少し前まではやらせてもらっていました。ミレーの事務所にいれば、納品に来るたくさんの生産者の方たちとお会いして、直接お話もできるので、すごくよかったです。でも、アルバイトがあるとどうしても農作業の方の時間が取りにくくなってしまうので、事務所でのアルバイトはやめて畑に専念することにしたんです。

ミ)
これからの方向性はどういうものでしょうか?

溝)
この1年は出荷できるできないに拘らず、とにかくいろいろな野菜を作ってみたいという感じで、苗を農家さんにもらっては試しに作ってみたりしました。もちろん出荷できるほどの数量は採れないので自家用でしたが・・・。でもいろいろ作ったおかげでこの土地には何が合うのか、蒔く時期はいつがいいのかなどがわかってきました。無理して土地に合わない野菜を作るよりも、その土地に合った野菜を作っていったらどうかと思いました。たとえばカボチャはこの土地でも草に負けずグングンと成長していきました。受粉もここは虫がたくさんいるので、自然のままで大丈夫でした。来年はカボチャの作付けをもっと増やしていこうと思っています。それと季節を前倒したいというか、いつも遅れがちになっているので、早めに植えて、まだあまり市場に出回らないうちに出荷できる野菜を植えるなど、季節を先取りできたらいいなあと思っています。

ミ)
でも、本当にがんばって、何もないところからここまでやってこられたのだから、きっと来年は収穫も増えていくでしょうね。

溝)
だといいのですが・・・。まだまだ経済的には一人前の農家とは言えない状態なので、来年は経営的にも採算が取れるようにしていくのも目標です。

 

 

草取り
草取りは雑草との格闘だそうです。

 

整備されてきた農場
1年間経って、ミレー農場はだいぶ整備されてきました。

 

ゴーヤをつまむ溝口さん
様々な試行錯誤を経て、作付けや収量の拡大など、あらたな目標に向かって頑張っています。

 

農場見学は大歓迎です。お気軽にお越しください。

 

ミ)
ミレーのお客様に何か一言ありますか?

溝)
農場見学はいつでも大歓迎です。季節に合わせて何かしら収穫できるものを植えておけるようにしたいと思っていますので、その時にはぜひ収穫体験もしてみてください。それと、あまり他の農家さんが作っていないような珍しい野菜も作りたいと思っているので、「こんな野菜がどう?」と言う感じで作って欲しい野菜を言ってくだされば、可能な限り挑戦してみたいです。

ミ)
ご両親は何かおっしゃっていますか?

溝)
うちの両親は、子どものやることを信頼してくれているのかどうかわかりませんが、決して文句を言ったり否定をしたりはしないんです。今も両親と一緒の家に住んでいるのですが、僕の作った野菜を持って帰ると「新鮮だからおいしいわねえ」と言って料理してくれます。それに「好きなことをやっているんだからいいんじゃない?」って感じで見守ってくれているので、有難いなあと思っています。

ミ)
私も早速、溝口くんのカボチャを使ってお菓子を作ってみますね。すごく美味しそうなカボチャなので楽しみです。これからも大変でしょうけれど、がんばってくださいね。

ミレー農場にはほとんど木陰もなく、元気がよすぎる雑草が、刈っても刈っても伸びてくるためかヤブ蚊がたくさんいました。お話している間中、ちょっとでもじっとしていると蚊がやってくるのです。取材の間にいったい何ヶ所刺されたことか・・・!!。でもそれだけ自然のままの土地だということなのでしょう。ミレー農場でたくましく育った美味しいカボチャ。ぜひみなさんもお試しくださいね~!

取材:2005年8月16日

 

 

農作業の様子
「こんな野菜を作ってほしい」といった要望もうれしいそうです。

 

見学歓迎
「農場見学はいつでも大歓迎です。」

 

かぼちゃをもつ溝口さん
おいしいカボチャもぜひ一度お試しください。

 

 
お客様の声
 


 
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