千葉県成田市 宮野 哲雄さん

 ミレーがある千葉県の落花生は、日本全国の落花生の生産量の約75%を占める特産品です。そして、昨年お知り合いになった「宮野ピーナッツさん」は、土作りからこだわった農法に精通し、本当に美味しい落花生・ピーナッツを作っています。今回その宮野さんの落花生をめでたく!取り扱うことが決まり、早速インタビューに行ってまいりました。

 一般的に落花生を加工して煎り落花生などにする食品会社は、落花生の生産農家と提携し、出荷されてきた落花生をそのまま加工して販売をしています。宮野ピーナッツさんも地元の食品会社として、先代とあわせて60年もの間、落花生の加工・販売をしてきました。
 しかし宮野さんが他の食品会社と違うのは農家さんとの関わり方。宮野社長の名刺の一番上には「落花生の生産指導と加工販売」と書いてあります。その名刺にある通り、単なる加工販売だけではなく農家さんに対する「生産指導」を長年やってこられ、現在40件ほどの農家さんにどのような資材(肥料など)を使えばよいかなど、農法を指導しています。
 そして、十数年前からは、落花生を栽培している畑で前作では何を作ったか、農薬や化学肥料は使っていないか、といった生産記録を1件1件記録しています。

(写真上)倉庫の中に保管されている落花生 /(写真下)1袋1袋出荷日や生産者名がわかります
「昔は落花生には等級制度があったから、食味・品質もわかったけど、今では無くなってしまったのでそれぞれがやっているんだよ。うちのお客さんは『宮野の所のピーナッツなら良いんじゃないか』と紹介を受けてきたお客さんが多いから、その期待を裏切らないように落花生作りから農家さんと一緒に努力してきたんだ」  

 宮野さんはご自身で営業は全くしていないとのこと。販売先は百貨店やスーパーや消費者からの直接の注文など色々ありますが、「商品が営業してくれる」という言葉の通り、全て仲間内などからの口コミで拡がってきたそうです。  
殻を向いた落花生の状態を1粒1粒確認しながら、嬉しそうに説明してくれました
 宮野社長が、土作りや農法を強く意識するようになったのは「きっかけ」があったから。

「二十数年前に、扁桃腺が腫れて10日間入院をしたんだよね。病院では身体はある意味無菌状態にされるわけじゃない。そんな状態で退院した時、畑の臭いを嗅いだら『あれ?昔の畑はこんな感じだったっけ?』と思ったんだ」
  もともと農薬や化学肥料浸けになった畑の異変を感じとってはいたものの、具体的な行動はとっていなかった宮野さん。しかし、この退院したばかりの身体が感じ取った感覚は、「安全な土を作らなくてはいけない!」という思いを決意させるほど大きなものだったそうです。  
「それまでは美味しいものが求められていたから、化学肥料も使いながら食味だけを追究していたんだ。安全な土を作るという考えは無かったんだよ。でもこの入院をきっかけに、今度は食味だけでなく安全性も追及するようになったんだ」  

 それから、宮野さんは農薬や化学肥料を使わずとも美味しい落花生が作れるよう、様々な農法を勉強をし、新しい資材を試しては失敗を重ねていきました。その為にかなりのお金と時間を投じたそうです。また宮野さんについてきた農家さんも大変だったそうです。

「農家さんにいろいろな資材を試してもらった分、お金もかけてもらったし迷惑もかけたよ。収量が上がればよいけど、上がらなかった時などは大変だったんだ。宮野にはついていけないと離れていった農家さんもいたよ。」      

 そして、農薬や化学肥料を使わない農法を磨き上げながらやっと出合ったのが、天然ミネラルの塊である「有機コロイド」。数千年前のプランクトンや海藻などが化石になったものを粒子状にしたもの。これを畑に撒くと土がふっくらし水と酸素を適度に含むようになり、農薬や化学肥料を使わなくても作物の収量が上がる地力が得られるそうです。 「微量元素、つまりミネラルは人間にも必要だからね。」とおっしゃる宮野さん。現在では、この有機コロイドを使った農法を、落花生農家に限らず多くの農家に伝えているそうです。

「遠回りをしたし失敗もたくさんしたけど必要なことを学んだよ。農薬なんて無くても環境さえ整えてあげれば、良い作物が育つということがわかったんだよ。この世から農薬を無くしたいんだよ。そして、今までの失敗を通じて得た知識・経験を自分のものだけに閉じ込めておくんじゃなくて、色々な人に伝えていきたいんだ」

 宮野さんが取り扱う落花生は、全て無農薬であるだけでなく千葉県民も一押しする「千葉半立(ちばはんだち)」という品種。
 数多い品種の中でも「落花生の王様」「落花生のコシヒカリ」などと呼ばれています。収穫時期が遅く収穫量も少ないのですが、風味・コク・味が一番で落花生好きには高く評価され愛されています。

 また、宮野さんは加工にも工夫をしています。乾燥は自然に任せ、煎りムラを無くすために丁寧に乾燥を整えた落花生を、経験豊富な職人が一番香ばしく美味しさがひきたつタイミングで煎ります。

 その落花生を一口ほうばると、香ばしく噛めば噛むほどクリーミーな甘みとコクが口の中に広がり、もう止められない止まらない。。。あ~どうしてこんなに後を引くんでしょうね~。  

(写真上)職人の技が必要な落花生を煎る機械/(写真下)今年は、実が真っ黒な「古代落花生」の栽培にも挑戦するそうです

一度食べ出したら止まらない宮野さんの落花生

 今回、初お目見えする宮野さんの商品は、太陽の恵みを豊かにたっぷりと蓄えた落花生を使った煎り落花生、バターピーナッツ、落花生ペーストなどラインナップはいろいろ。
 子供のおやつにビールのおつまみに是非常備してみてはいかがでしょうか?


取材者:ミレー 片岡
取材日:2010年1月28日

 
お客様の声
 


 
トラックバック
 
clear.gif