グリーンポート・アグリ

「グリーンポート・アグリ」(以下、グリーンポート)とは、三里塚農法の会の龍崎さんたちが成田空港株式会社(以下、空港会社)と協力し、成田空港周辺の空いている畑を利用して、有機農業で就農したい人たちを応援していこうと立ち上げた会社です。今までは、龍崎さんを通してその活動についてお話を伺ってきましたが、今回は事務所や研修施設、そして畑などにもお邪魔してきました。グリーンポートで実務を担当されている職員の藤崎充典さんにご案内をお願いして、研修生の方にもお会いしてきましたよ~。

空港のすぐ近く芝山町のグリーンポート・アグリにやってきました。

ミレー風子)
こんにちは。芝山千代田駅のすぐ近くにグリーンポートの事務所はあるのですね。

藤崎)
私はこの事務所と、研修センター、そして畑を日に何度も行き来しているんですよ。私の他にも空港会社から職員が数名来て、一緒に仕事をしています。実は事務仕事より農作業の方が多い毎日なんですよ。

ミ)
グリーンポートの会社としての理念を改めて、教えていただけますか?

藤)
「空港会社と協力し、空港周辺の農地の活用を図り、地域農業の発展及び自然環境の保全に貢献する」ということです。具体的な事業としては、農産物の生産、加工、販売、農業研修事業の請負、農産種苗の生産及び販売などを行っています。

グリーンポート・アグリの研修センター
グリーンポート・アグリにやってきました。写真は研修センターです。

空港周辺の農地
成田空港の周りは、農地が多く、畑の上空を飛行機が行き交っています。
トラクター
グリーンポート・アグリは、農業の学校のようなもので、農業機材などを研修生に貸しています。

飼料
飼料なども研修生のために用意しています。
ミ)
研修生はどんな年齢層の人たちなんですか?

藤)
20歳代から50歳代までと幅広いです。昨年は6人の研修生を受け入れ、そのうちの3人が研修の延長を希望して、引き続き農家さんから指導を受けています。学校のようなものなので、畑や農業機材、資材、飼料など必要なものは皆、こちらで用意してあります。体一つで農業ができるのですが、その間の生活は自分たちで責任を持っていただいています。

ミ)
この秋からミレーにも野菜を分けてくださることになったそうですね。

藤)
そうなんですよ。せっかく無農薬無化学肥料で作った野菜なのに、出荷先がないのはあまりに残念ですし、来年は研修生も独立して就農するので、野菜の出荷先を見つけるのはとても重要な課題なんです。

週に2回は農家さんが来て農業の指導してくれます。心強いです。

ミ)
研修生たちは成田空港周辺の畑に就農するのですか?

藤)
そうですね。来年は成田空港周辺の空いている農地を割り振って、就農できる体制にしていきたいと思っています。この辺には 成田空港建設の為に移転した農家さんたちが残した農地がたくさんあるのです。有機農業を志す人たちが、この場所にどんどん就農していくことで、成田空港の周辺は実り豊かな土地になるでしょう。では次に、研修センターと畑にご案内しますね。

グリーンポート・アグリの畑
のどかなグリーンポート・アグリの畑です。

グリーンポートの事務所から、車でちょっと走った畑に案内していただきました。

 農機具をしまう小屋や堆肥を作る場所、作業をする小屋、みんなで会議をするための研修センターなどが畑の前に建っていました。

藤)
2週間に一度、全員で今の野菜の現状や生育状況などを確認し合う進行会議をこの研修センターで開いています。また、みんなの休憩や食事の時にも利用しています。

ミ)
講師の農家さんは毎日来て指導してくださるのでしょうか?

藤)
いいえ。講師の農家さんには、交代で週2回ずつ来ていただいています。数名の農家さんが交代で指導してくれるので、引き継ぎ事項はこのノートに書いてもらっています。今年はみんなでお米も作ったんですよ。天日干しにする「おだがけ(田んぼに設置した竹竿に実のついた稲を干す昔ながらの乾燥方法。地方によって様々な呼び方があります。)」なども農家さんから教えていただきましたよ。作業は大変でしたがとても良い経験になりました。

引継ぎ用のノート
引継ぎ事項を講師同士で伝えるノートです。真剣な指導です。
おかげさま農場の高柳さん
おかげさま農場の高柳さん(右)が講師としていらっしゃっていました。

ミ)
あそこにいるのは「おかげさま農場」代表の高柳さんではないですか?高柳さんも講師の一人なのですか?

 作業小屋の前にある畑では、3名の研修生たちが、高柳さんを囲んで熱心にお話を聞いているところでした。今日の指導は偶然にも高柳さんの担当の日だったのです。

ミ)
高柳さんこんにちは~。指導していらっしゃる様子を撮影してもいいですか?

高柳)
イヤだよ~。オレのことは写しちゃダメだからね(笑)

一人前の農家さんを目指す3人の研修生。これからが楽しみです。
3人の研修生
3人の研修生にお話を聞きました。左から根岸さん、橋本さん、幸島さんです。

研修生のお名前は20代のお2人が橋本誠一さんと幸島祥典さん、 50代の方は根岸潤一郎さんです。

 作業しながら3人の研修生の方たちに少しずつお話をお聞きしました。

ミ)
こんにちは~。この周辺の畑では何を作っているのですか?

幸島)
今は玉ネギのまわりの草取りをしているところです。こちらはしょうがとキャベツ、ブロッコリーなどがもうすぐ収穫できる畑です。向こうに植えてあるのがにんじんで、まだちょっと細めなのですが、もう少ししたら出荷できそうです。

ミ)
いろいろな野菜を作っていらっしゃるそうですね。

幸島)
そうですね。野菜は講師の農家さんに教えていただきながら30種類くらい作りました。僕たちが作った野菜を食べていただけるなんて、すごくありがたいなあと思っています。

ミ)
講師の農家さんが何人もいらっしゃるので、同じ野菜でも作り方や指導の方法などが違ったりする場合があるのではないですか?

橋本)
それはありますね。でも今はいろいろな方法を知りたいので、とにかくたくさんお話を聞いて勉強したいと思っています。台風のときなど、予定外のことが起きた時も、電話で教えてもらったりもしてるんですよ。本当に細やかに指導していただいてます。

ブロッコリー

元気なブロッコリー。全部で30種類くらいの野菜を作っています。


葉付きにんじん
にんじんは、まだ細く、もう少しで出荷予定です。

農作業の様子
草取り作業をする3人の研修生です。
ミ)
今回、初めてミレーのお客様にもグリーンポートの野菜を食べていただくことになったのですが、何かお伝えしたいことはありますか?

橋)
僕たちが作った野菜ではあるのですが、僕たちの力だけではなく、自然の中で育ったものだから、大地の恵みをしっかりと食べてもらえたらなあと思います。

ミ)
根岸さんは、どんなきっかけで農業をやろうと思ったのですか?

根岸)
私は、家庭菜園が好きでずっとやっていて、野菜を作るなら絶対に無農薬で作りたいと思っていました。そして、もっと農業をやりたいなあという気持ちが強くなってきた時、グリーンポートの事業を知って、研修生に応募したのです。

里芋の田楽
里芋の田楽を作りました。グリーンポート・アグリの研修生たちも、これから多くの野菜を提供してくださいます。おたのしみに。

ミ)
全く畑違いのお仕事で、環境も変わって、お疲れになりませんか?

根)
大変ですが大丈夫ですよ。有機農業をやっている大先輩の農家さんから、直接教えてもらえるので、すごく勉強になります。それに、美味しい野菜を自分でも食べたいし、皆さんにも食べていただきたいと思っています。

風子 農作業しながらでしたが、研修生の方たちから、少しずつお話をお聞くことができました。農業者として自立していくのは、とても大変なことと思いますが、先輩の農家さんたちから教えていただいたことを生かして立派な農家さんに育っていってほしいですね!成田空港の周りに、もっともっと有機農業をする人たちが増えて、豊かな実りをもたらしてくれますように!
取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2006年10月28日
 
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