田谷さんのさつまいも

秋の代表的な野菜であるさつまいもが旬です。一番早い農家さんではお盆が明けた頃から、収穫を始めています。おかげさま農場で美味しい紅東(べにあずま)を作っている田谷さんの畑も取材に行った時、ちょうど芋掘りをしているところでした。大きな芋掘り機が畑を進んでいきます。先についている鍬のような歯が土を掘り、さつまいもを次々に掘り起こし、ベルトコンベアの乗せて上に上がってきます。田谷さんは芋掘り機を動かしながら、後ろの台に乗せたコンテナの中に次々とお芋を並べています。あっと言う間に一畝、芋掘りが終わってしまいました。

おかげさま農場 田谷栄一さんの芋ほりの様子を取材しました。
田谷栄一さん
芋掘りの作業真っ最中。田谷栄一さんにお話を伺いました。

芋掘り機
芋掘り機を操作する田谷栄一さんです。にんじんやごぼう掘りにもこの機械を使います。

ミレー風子)
こんにちは。この芋掘り機の動き方には、いつも感動してしまいます。機械で掘られたさつまいもが、そのまま上まで運ばれてくるなんてすごいですねえ。最初、見た時は本当にびっくりしました。

田谷さん)
うちの畑作業はほとんど俺一人でやっているから、大変な作業はみんな機械を使っているんだよ。そうしなければ、広い畑でたくさんの野菜を作れないでしょ?この機械はにんじんやごぼう堀りの時にも使えるので便利だよ。

ミ)
2年ほど前にもさつまいもの取材に来たのですが、あの時の畑とは場所が違うんですね。ここは田谷さんのお家からちょっと離れているみたいですが?

田)
そうなんだよ。ここだけは借りている畑なんだ。大和いもを作っていた友達が使わなくなったので、うちで借りることにしたんだよ。空港がすぐ近くにあるけど、畑の面積が広くてまとまっているので、去年から使っているんだよ。

ミ)
新しい畑だと土の様子が違うのではありませんか?

田)
借りてからも何年かは何も植えずに、雑草を刈って畑にすきこみながら、土を休ませたよ。それから馬糞、豚糞、籾殻などで作った堆肥を入れて、去年初めてごぼうを作ったんだ。ごぼうの時にかなり肥料を入れたので、その後さつまいもを植えることにしたんだよ。

ミ)
新しい畑で、今年のさつまいもの生育はいかがですか?

田)
とっても甘くて美味しいよ。だけど、定植させた直後に低温が続いた時期があったから生育にもちょっと影響を受けたみたいだね。味には関係ないけど、さつまいもの表面に亀裂が入っているものがあるんだよ。低温障害の一つかもしれないなあ。

ミ)
夏が暑かったので、畑の水分不足などが関係しているのでしょうか?

田)
お芋はね、暑い時の方が美味しくなるし、水分もそれほどいらないんだよ。それに雑草よけのために敷いている黒いマルチには地温を上げる効果もあるし、ビニールの内側にも水分がたまるから大丈夫なんだよ。

畑の様子
田谷さんの新しい畑は空港のすぐそばにあります。すぐ近くで飛行機が離着陸しています。

芋を並べる田谷さん
紅東(べにあずま)という種類のさつまいもです。鮮やかな色です。

ミ)
マルチっていろいろな働きがあるんですね。でも芋掘り機をかける時、はがす手間がかかりますね。

田)
そうなんだよ。そのまま芋掘り機をかけられたらいいんだけどね。最初に蔓かり機で上の蔓を全部刈って、その後、カマで残っている蔓の根っこを切ってから、マルチをはずして、ようやく芋掘り機の出番になるんだよ。

無農薬のため、特に夏の間には葉っぱが虫に食べられてしまいます。
蔓刈り機
田谷さんの蔓刈り機。畑を押しながら進んで、蔓を短くカットしていきます。

虫食いの葉っぱ
無農薬のため、葉っぱは虫食いだらけです。
田谷さんは芋掘り機から降りて、今度は畝に蔓刈り機をかけていきます。押しながら歩くと、中の刃が草刈り機のように蔓を短くカットしていきます。近くで見ていると蔓が飛んできてすごい威力!!

田)
蔓のところにある葉がもう虫食いで穴だらけになっているでしょう?さつまいもは四季のうちで一番虫が多い夏を越さなければならないから、葉っぱがほとんど食べられちゃうんだ。薬も何にもかけてないからね。葉が全部なくなってしまうと、さつまいもが地中で芽を出そうとするから、早く掘り上げてしまわないとね。

 そう言いながら、田谷さんは蔓を切ってマルチをはがし、再び芋掘り機を動かし始めました。コンテナの中にはさつまいもが次々に並んでいきます。

 ところが、ガラガラ~という音がしたかと思うと、後ろにあるコンテナが、全部芋掘り機からずり落ちて、畑にひっくり返ってしまったのです!!

ミ)
大変~。せっかく掘ったさつまいもが畑にバラバラになっちゃいましたね~!!すぐに集めなくっちゃ!

 風子は慌てて近寄り、コンテナを起こしてさつまいもを入れようとしました。

崩れたコンテナを元に戻す田谷さん
崩れたコンテナを元に戻す田谷さん。

田)
いいよ、いいよ。何もしないで。さつまいもの蔓で手が汚れちゃうから。後ろにコンテナを置いた時、バランスが悪かったんだね。それよりさ、作業中にこんなアクシデントがあったってことを、ちゃんと写真に写しておいてよ。

 そう笑いながら田谷さんは手早くさつまいもをコンテナに入れ直しました。

安心して食べられて甘くてホクホクのさつまいもです。
さつまいもで一杯になったコンテナ
コンテナは、さつまいもが一杯になると20キロくらいになります。運ぶのは重労働です。

掘りたてのさつまいも
無農薬のため、皮ごと安心して食べられます。

さつまいもの揚げだんご
そのままでもホクホクでおいしいサツマイモを少し工夫して、さつまいもの揚げだんごを作りました。
ミ)
コンテナにさつまいもが満杯になると重そうですね。

田)
20キロくらいにはなるよ。芋掘り機に並んだコンテナを軽トラックに積み替えて納屋に運ぶから、最後は人の力がいるんだよ。もう年だから、芋掘り作業もだんだんきつくなってきたよ。重くて腰に負担がかかるからね~。

ミ)
この後も袋詰めまではもう一行程、作業があるんですよね。

田)
納屋に戻ってから、降ろす時はフォークリフトがあるからいいんだけどね。降ろしてから、さつまいもの蔓と根をカットする機械の中に入れるという行程があるんだよ。その後、ようやく袋詰めができるんだよ。俺一人ではとても手が足りないから、うちのばあさんにも袋詰めは手伝ってもらっているよ。

ミ)
私たちの手元にさつまいもが届くまで、畑で育つ時間も含めると、本当にいろいろな行程があるんですね。特にさつまいもは重たいので、量がまとまると力仕事になって大変ですね。でも田谷さんのさつまいもはとっても甘くて美味しいので、みなさん楽しみにしていると思いますよ。これからも体に気をつけて元気で作り続けてくださいね。

田)
そうだね。薬を使わないから、毎年、さつまいもの葉っぱは虫食いだらけだけど、中味は美味しいよ。安心して食べられるホクホク甘いさつまいもだから、皮ごとたっぷり食べてほしいね~。

風子

ありがとうございました。田谷さんはいつも大型の機械を動かしながら、お一人で広い畑でお仕事をされています。大きな田谷さんが小さく見えるくらい?ですが、無農薬の美味しいさつまいもを今年もたくさん作ってくれましたよ~。今が旬のさつまいも、皆さんもたっぷり食べてくださいね!

取材者:川端 えい子(風子)
年月日:2007年10月10日