生産者の紹介
千葉県匝瑳市 木原 正勝さん

 梅雨真っ盛りですね!このムシムシする暑さの中で皆さんに旬の美味しさを届けるために頑張っている農家さんがいます。先日はそら豆を、そして今はとうもろこしをお届けしてくれている木原さんです。この度、旬の味覚を生み出す現場を知りたく、とうもろこしの手入れや収穫で大忙しの木原さんのところに無理をいってお邪魔してきました。

 暑~い陽射しとムンムンとする湿気が充満している雨上がりのお昼時、小山の上を切り開いた台地にある木原さんの畑を訪れました。木原さんのご実家は、おじいさんに聞く限りでも六代は続いている農家。今年で三十八歳になる木原さんも農業高校を出た後、専門の大学に進んで農業を勉強し、そのまま迷い無く農家としての道を選びました。現在、一町五反(四千五百坪ほど)で野菜を作っており、その中で今はとうもろこしを約二万本ほど育てています。二万本といっても、とうもろこし農家としては大きくは無い方。実際、見渡す限りのとうもろこしでその高さは二mを超えることもあり、私の目にはたっくさん実っているように見えますが、一本の株から一つの実しか穫りません。なので私達が「こんなに作っているのか~」と思えるトウモロコシの畑でも、農家さんから見れば「大きくやっているとはいえない」そうです。

(写真上)畑では見渡す限りのとうもろこしが大きく育っています/(写真下)実の入り具合や虫に食べられていないか1本1本チェックします
 

(写真上)触ると花粉が飛び散る雄穂/(写真下)がっしりとタコ足状に地中に根を張っている支柱根

 木原さんは、とうもろこしを作るに当たって、株の根張りや栄養状態が最適になるよう注意して育てています。とうもろこしはイネ科の作物。畑のお掃除をする、といわれるぐらい畑に残っている肥料分などを吸い取ります。結構肥料食いなんです。しかし、最初からたくさん肥料をあげると根っこが張りません。なので最初は肥料は少なめで、わざと根っこが深く伸びるような環境にしてあげます。これにより、気根(きこん)ががっしりと根を張り、風が吹いても倒れにくくなります。 このようにまずはしっかりと根張りをさせた後に、適切に追肥していくという栽培方法をとっています。木原さんは言います。「結局は土作りや肥料の与え方のバランスが大事なんですよね。元肥には有機物の堆肥を入れて、窒素を極力抑えることで虫や病気が少ない状態になるんです。また栄養を求めて根もがっしりと張るので、強風などでも倒れにくくなる。逆に最初から肥料をたくさんいれると、根が深く生えず株は大きくなって倒れやすくなるし、虫もつきやすくなる。食味もあまりのらないんです」

  このような栽培方法をとっていることで、株は適切に育ちます。実際に、隣の畑より一週間遅く種を蒔いたのに、今の時期には木原さんのとうもろこしの方がお隣のとうもろこしより大きくなっているんです。最近は木原さんに「どうしてお前のところの方が大きくなっているんだ~?どうやっているんだ~?」と聞いてきて、同じように有機質の堆肥を入れて土作りを始めた農家さんも増えてきたそうです。また、とうもろこしが大きくなってくると、わき芽や余分な鞘をかきとる作業が必要になってきます。こういった一つ一つをかきとる作業を地元では「ひこかく」というそうです。実際には、欠きとらないでそのままという農家さんも多いのですが、やはりたった一つの実に栄養を集中し、甘みや旨味がたっぷり溜まるように、「ひこかき」は必要な作業と木原さんは判断しています。その他にも株間の雑草取りなど、この暑い中での作業は本当に体力勝負です。それほど手間隙を惜しまず作業をしても、とうもろこしは一株からたった一本しか収穫できません。美味しい一本を取るためのに、炎天下の下で汗だくになりながらの作業が必要なのです。

 本当に美味しく甘くて旨味がのっている木原さんのとうもろこし。もちろん、人間だけでなく虫も熟れ時を狙っています。全く虫がいなかったのに2~3日で虫がついて駄目になる、とういうこともあるのです。虫以外にも、野生のタヌキやハクビシンがやってきては、まさにこれから収穫という時に「バクッ」とかじってしまうことも。対策としてラジオを鳴らすなど色々考えていますが、100%防ぐのは難しいうようです。それでもまさに出荷がピークの今、木原さんは毎朝四~五時には起きて畑に行き、収穫を行っています。とうもろこしは朝穫りだからこそ美味しい、といわれている野菜です。

木原さんのとうもろこしは1粒1粒に甘さと旨味がギュ~っと詰まっています♪

 
木原さんも「朝穫りと日中に穫ったものでは全く味が違うよ。」と言います。私も早速家族で食べてみました。せっかく朝穫った新鮮なとうもろこしなのでまず生のままかじってみたら、家族全員「甘い~!」と思わず叫んでしまいました!話には聞いていましたが、鮮度が良いものはここまで甘いとは!恐らく普通のフルーツの糖度を超えていると思います。本当にびっくりしました!もちろん茹でて食べても美味しく、我が家の1歳の子も少ない歯で一生懸命かじりついていましたよ(笑)「朝穫れ直送」の木原さんのとうもろこし、皆さんも是非驚きの甘さと旨味を味わって下さいね♪

取材担当者:ミレースタッフ 片岡
取材日:2010年6月18日