佐倉きのこ園

今回の取材はミレーでも人気のおいしい椎茸を栽培している佐倉きのこ園さんに行ってきました。いつも見慣れている椎茸ですが、佐倉きのこ園の椎茸はちょっと他の椎茸とは違うんですよ。そのおいしさの秘密について園長の齋藤勇人さんにお話を伺ってきましたよ~。

 

おいしい椎茸を栽培している佐倉きのこ園を訪ねました。

ミレー風子)
こんにちは。今日はきのこ狩りもできると聞いて楽しみにしてきました。私はこういう菌床栽培の椎茸ハウスに初めて入ったのですが、このブロックは何からできているのですか?

齋藤)
これが菌床のブロックと呼ばれるもので、ブナ、ナラ、クヌギのおがくず、とうもろこしのフスマなどをミックスして固めてあります。最初はバラバラだったのもが、椎茸菌を注入することによって徐々に四角く固まっていくのです。(それを「活着」と言うそうです)

ミ)
こちらのブロックには白い粉のようなものがついていますが、これは何ですか?

齋)
これはまだ菌が入って間もない若いもので、徐々に白い色が抜けていき10日後には椎茸が発芽します。向こうの列を見て下さい。もう椎茸ができていますよ。

ミ)
うわぁ、可愛いですね。本当に元気よくたくさんの椎茸がここから生えていますね。こちらのきのこ園ではこのハウスに入って椎茸狩りをするそうですが、どうやって狩っていったらいいのでしょうか?

齋)
受付でカゴとハサミをお渡ししますので、お好きな椎茸を見つくろって、根元からハサミで切っていきます。大きさに関係なく最後に椎茸の重量で精算しています。

ミ)
だったら皆さん、大きくっておいしそうな椎茸を選んでいくでしょうね。

齋)
そうですね。本当にいい椎茸が欲しい方は朝早くいらっしゃって、ご自分でよさそうなものを選んで狩っていかれますよ。でも発芽時期をずらしたブロックが35000本も置いてあるので、いつも交互にどこかしらの椎茸が狩り頃に育つようにしてあります。

ミ)
齋藤さんがこの「佐倉きのこ園」を始められたのは、いつ頃からなのですか?

齋)
平成6年からなのですが、最初は椎茸の栽培だけをやっていました。

ミ)
もともと椎茸がお好きで始めたのでしょうか?

齋)
よく皆さんにそう聞かれるのですが、きっかけは父が兼業農家で、この場所でコンクリートの加工工場をやっていたからなんです。当時の私は経営コンサルタント会社をやっていて遊休地の有効利用についていろいろ調査していました。それで父の会社は高齢の方や障害を持っている方が多く、重たいブロックを運んだりするのが大変で、何とかその方たちもできるような軽作業の仕事はないかと椎茸に目をつけたんです。

ミ)
椎茸栽培について専門に勉強されていたのですか?

齋)
全くの素人だったので、それを機に、各地の椎茸農家へ見学に行き情報を集めていたのですが、中々おいしいと思う椎茸に出会えませんでした。でも偶然見た新聞記事から同じ千葉県でとてもていねいに椎茸を作っている農家があるということを知り、さっそく見学に行ったのですが、その椎茸がとってもおいしくて驚きでした。それで私もこれならやりたいと思って、いろいろ教えていただき、最初は100坪のハウス一棟からスタートしました。

ミ)
その栽培方法というのはどんな特徴があるのですか?

齋)
一口に椎茸と言っても生育環境で味が全然違うんですよ。おいしさの三要素は水と空気と温度です。昼間から蛍光灯を付けて温度管理しているハウスもありますが、私の所では自然光を取り入れ、ドアも開け放ち、たえず自然の風を入れるようにしています。ただ温度が8度を下回ると菌の動きが止まってしまうので、冬場は暖房もつけますが、暑い時は暑いままに、涼しい時は涼しいままに、自然の環境に合わせた生育環境を整えるようにしています。寒暖の温度差が刺激になって椎茸が成長するからです。それに酸素を吸って二酸化炭素を吐くので人間と同じなんです。だから人間にとっても気持ちのよい森の中のような環境が最適です。水は地下50mから汲み上げた天然水を使っています。椎茸は酸化物質や化学物質を吸着させてしまうデリケートなキノコなので雨水にあたるのは禁物です。

 

生産物:椎茸
所在地:千葉県佐倉市

 

佐倉きのこ園
佐倉きのこ園にやってきました。

 

斉藤勇人さん
園長の斉藤勇人さんです。

 

菌床ブロック
椎茸の菌床となるブロックです。

 

椎茸が出ているブロック
椎茸が出ているブロックを発見。

 

根本からきります。
ハサミで根本から切って取ります。

 

菌床のブロックがずらりと並びます。
菌床のブロックがずらりと並んでいます。35000本もあるそうです。

 

 

肉厚で甘くて香りがよい椎茸です。

ミ)
とても環境に配慮されたハウスなんですね。そういう中ですくすくと育つ齋藤さんの所の椎茸の味について教えて下さい。

齋)
とてもおいしいです。私は実は椎茸があまり好きではなかったのですが、うちの椎茸だったらおいしく食べられますね。肉厚だし甘いし香りもいいし・・・。うちの椎茸しか食べられないと言う方もいらっしゃるくらいです。それにうちでは一切薬品を使っていないんですよ。椎茸栽培に関してはあまりJASの規定がないので、防カビ剤や防虫剤、成長促進剤などを使っているきのこ農家も多いんですよ。でも椎茸が様々な物質を吸着させてしまうことを考えると、それらの薬品をとても使う気にはなれませんね。

ミ)
環境をよりよい状態に整えてあげることによって、椎茸自体も丈夫に育っていくのでしょうか?

齋)
菌は目に見えないものなので、何とも言えないのですが、やはりじめじめした暗い場所で育てられたものよりも気持ちがいいのではないでしょうか?そういった気持ちの良い環境でおいしく育った椎茸たちだったからこそ始めてすぐに、スーパーや学校給食などに通年同一価格で直納できるようになったのかもしれません。

ミ)
では順調な滑り出しだったわけですね。

齋)
そうだったのかもしれませんが、今、思えば、始めた当初は菌の状態が最盛期だったのでしょう。でも椎茸は培養しているので菌に寿命があって、何年かたつと生産が徐々に落ちてくるのです。2年で劣化してしまう場合もあります。それで市場への出荷もできなくなった時期がありました。この菌の劣化はいくら経験を積んでも目で判断できないため、今では種類の違う菌を同時に使うようにしたり、新しい菌床を絶えず入れるようにしたりして、自衛しています。

ミ)
その後、バーベキュー施設も整備されたのですね。

齋)
やはり生産現場を見ていただきたかったのです。薬品に頼らずに清潔な環境で栽培されたうちの椎茸に「長生き椎茸」とネーミングして、体に良く、おいしさが長持ちする椎茸の生産方法をより多くの方に知っていただけたらと思っていましたので。それに椎茸狩りをするだけでなく、採れたてをその場で食べていただけたらなあと、平成11年にリニューアルしてバリアフリーにし、直売所を拡大し、地元の農家さんの野菜も販売するようになりました。バーベキューは23テーブルご用意しました。

ミ)
椎茸狩り以外でも食べる楽しみが広がってお客様も喜んでいらっしゃるのではないですか?

齋)
ただうちのバーベキューはお客さん気分で全部こちらが用意するというものではないんですよ。必要な食材をここの直売所で買っていただき、ガーデン使用料やコンロ使用料などは個別で有料になっていて、全てセルフサービス。片付けもやっていただいています。

ミ)
バーベキューというのはただ用意してもらっても面白くないですよね。やっぱり野菜を切ったり、材料を選んだりと自分が参加して初めて主体的なレジャーになるのではないでしょうか?

齋)
そうですね。ここでは材料をいろいろご用意してありますが、そこから何をするかを選ぶのはお客様ご自身なんです。その時間と材料と道具を使って、一連の行為をみなさんなりの楽しみ方でやっていただけたらいいなあと思っています。決して単なる娯楽施設的な場所にしたいと思っているわけではないのです。やはり皆さんに生産現場を見ていただきたいというのが一番大きいですね。

 

 

肉厚でおいしいしいたけ
肉厚でおいしい椎茸です。薬品を使わず育てています。

 

バーベキューの施設
佐倉きのこ園には、バーベキューの施設もあります。

 

バーベキュー用のベンチ
きのこ狩りもバーベキューもできて、一日楽しめます。

 

水場
設備はしっかり完備されています。水場です。

 

セルフサービス
ただし、すべてセルフサービスです。準備も片付けも楽しみの一つですね。

 

トレーラーハウス
トレーラーハウスもあって、宿泊もできます。

 

 

ぜひ生産現場も見に来てください。

ミ)
最初は一棟から始めたハウスが今では四棟もあって、収穫量もずいぶん増えたのではないですか?

齋)
多い時には一日で400キロもの椎茸が採れる時もあるんですよ。お客様が200人を超える日もあります。でも本当の意味でくつろいでいただけるのは、単に来客数が多ければいいというものではないと最近は思うようになってきました。むしろ単なるレジャー施設にはないような、ゆったりとくつろいでいただける時間をご用意できる、そんなきのこ園にしていきたいと思っています。

ミ)
ここでのきのこ園の経営スタイルを見ていたらきっと園長さんの誠実な姿勢は、お客様にも伝わっていくのではないでしょうか?最後に皆さんにお伝えしたいことは何かありますか?

齋)
椎茸は鮮度が命です。この斑点のようなものが傘に残っているのは新しい証拠です。空気や水にできるだけ触れないようにして冷蔵庫に保存し、おいしいうちにおいしく召し上がって下さいね。それにうちのきのこ園にもぜひ遊びにいらして下さい。トレーラーハウスに宿泊することもできますよ。


齋藤さんは学生時代、青少年赤十字運動に関わっていらっしゃったそうです。高齢の方や障害を持っている方が働きやすい仕事場としてきのこ園を考えられたことも、まさに齋藤さんらしい発想なのではないでしょうか。誰もが参加できるバーベキューという施設を整備したことで、生産現場を身近に見ていただける場もできたので、齋藤さんはさらなる新しい展開を考えていかれることでしょう。ますます楽しみなきのこ園です。みなさんもぜひきのこ狩りに行ってみて下さいね。楽しくっておいしいですよ~!。

取材:2004年12月2日

 

 

地元野菜
地元野菜の直売所もあります。

 

地元の名産物
地元の名産物なども販売しています。

 

ぜひ「長生き椎茸」をお試しください。
ぜひ「長生き椎茸」をお試しください。きのこ園にもお越しください。