親鶏の健康が卵に移るんだよ
鶏卵
千葉県香取市 小倉 睦夫 さん









◆菜の花に囲まれた「にわとりの家」
ミレーから車でおよそ5分、香取市ののどかな田園地帯にある小倉さんの鶏舎を訪ねました。取材当日は天気も良く、青空のもとには一面の菜の花。鶏舎の中には爽やかな風が通り抜けていて、餌をついばむ鶏たちも心地よさそうです。
---こんにちは~。ずいぶんいい陽気になってきましたね。鶏たちのご機嫌はどうですか? 「この時期、ニワトリはみんな元気だよ。今年の冬は特に寒かったから鶏たちも大変だったんじゃないかな?毎朝、手袋をせずに採卵するんだけれど、卵が冷え切っていてつらかったよ(笑)。夏になると、今度は気温が上がって水を飲む量が増えるから、少し味が薄くなる。今が一番調子がいいね」
外光が優しく差し込む小倉さんの鶏舎には、鶏がおよそ3,000羽。おとなり東野庄町の鶏舎の6000羽と合わせ、毎日、羽数の6割程、約5,400個の卵を出荷しています。
◆健康的な環境と出荷量の両立
養鶏のスタイルは、放し飼い、平飼い、開放型、ウインドレス型の4種類がありますが、小倉さんの鶏舎は「開放型」。たっぷりと自然の光や風を取り入れることで、ストレスを抑えながらも、効率よく採卵できるのがメリットです。
「効率を求めればウインドレス式が一番だね。ただ、太陽光も入らないし、風も空調コントロールだから鶏には窮屈かもしれないね。健全な環境という視点なら放し飼い・平飼いなんだろうけど、放し飼いは外界との接触が多い分、鳥インフルエンザなどのリスクが高くなるし、平買いでも鶏舎が窮屈だと、かえってストレスが多くなる。どの生産者も、それぞれの考えで取り組んでいるんだ」
ミレーにも小倉さんファンがたくさんいますが、お客さまからのご要望や、求められる出荷量にしっかりと応えつつ、鶏にとって最良の環境を求めた小倉さんの答えが、この「開放型鶏舎」なのです。
◆鶏も「腸活」? 餌へのこだわり
小倉さんの鶏舎は風通しに優れているからか、いわゆる「ニワトリ小屋」というような臭いは少なく、一般の人が鶏舎の中で大きく息を吸っても気にならないほど。
「なるべく良い環境で飼ってあげることと、あとは健康。この2つをきちんとできれば、臭いは少なくなるんだ。ここの鶏たちは太陽の光をしっかりと浴びているから、みんな元気だよ。日光には、ビタミンを生成する作用があるからね。あたりまえの事だけど、親鶏が健康だと卵の味も良くなるから、いろいろ工夫をしているよ」
鶏の元気を一番左右するのは、やはり餌。非遺伝子組み換えの穀物に海藻・木炭・酵素・酵母等をブレンドし、さらに農場内で発酵させた植物性乳酸菌を加えたオリジナル飼料に加え、マイナスイオンの活性水を使用。最良の餌の追及に余念がありません。
「最近は腸のはたらきに注目しているんだ。人間も、お腹の調子を整えるのにヨーグルトとか食べるでしょ?発酵食品を積極的に取り入れたり。それと同じでね、腸の作用を助けるような配合を研究しているんだよ」
◆「安心・おいしい」への道のり
---小倉さんは昔、ホテルマンとしてお勤めだったと伺いました。お父様の養鶏場を継いだ当初は、戸惑いもありませんでしたか?
「最初はね、右も左もわからないから大変だったよ。でも、いろいろな先輩に教えてもらったり、アメリカで研修させてもらったりしながら、少しずつ自分のスタイルを作っていたんだ。今はアジアから学びに来る人もいるんだよ」
試行錯誤しながら事業を軌道に乗せた小倉さんが次に取り組んだのが、おいしさに加えて「安全・安心」な卵づくり。自然環境や食の安心への機運を受けてのことです。
「いろいろ工夫をして鶏を健康に保ってあげると、その健康が卵にも移るみたいなんだ。だから栄養たっぷりで安全な餌にこだわるんだよ。うちの卵はアレルギーが出にくいからと、わざわざ遠くからザルを持って買いに来てくれる人もいるんだよ。卵って、毎朝1個食べるものでしょ?食卓でも重要な食材だよね。生産者として、責任を感じるんだよ」
◆卵の可能性を追い求めて
---この赤い卵は「アスタキレッド」ですね?一般向けの「ハーモニー」とはどのように違うのですか?
---「黄身が赤いのが特徴なんだよ。鶏の健康にも良いのでは?と思って、アスタキサンチンという海藻から作られた健康に良い色素を餌に配合したてみたら、成分がしっかりと卵に移ったんだよ。ハーモニーは濃厚ながら臭みが少ないのが特徴だけど、アスタキはさらに臭いが少ないんだ。食事から栄養を取り入れたい方におすすめの卵だね」
小倉さんは今、農場運営の多くを息子さんに引き継ぎながら、卵の可能性を求めて加工品の開発にも力を注いでいます。
「うちの卵で何ができるのか、それをいろいろと考えるのが楽しいんだよ。最近はヒビやサイズの問題で出荷できない卵を上手く活用する方法を考えているね。マヨネーズを作ったり、ワンちゃん向けのお菓子なんかも作っているんだよ。せっかく栄養たっぷりの卵だから、いろいろな形で世の中に活かしていければ嬉しいね」
---最後に、お客さまへ向けて一言お願いします!
「うちの卵で何ができるのか、それをいろいろと考えるのが楽しいんだよ。最近はヒビやサイズの問題で出荷できない卵を上手く活用する方法を考えているね。マヨネーズを作ったり、ワンちゃん向けのお菓子なんかも作っているんだよ。せっかく栄養たっぷりの卵だから、いろいろな形で世の中に活かしていければ嬉しいね」
うちの卵で何ができるのか、それをいろいろと考えるのが楽しいんだよ。最近はヒビやサイズの問題で出荷できない卵を上手く活用する方法を考えているね。マヨネーズを作ったり、ワンちゃん向けのお菓子なんかも作っているんだよ。せっかく栄養たっぷりの卵だから、いろいろな形で世の中に活かしていければ嬉しいね」
若い生産者に負けじと、持ち前の好奇心で卵の可能性を追及しいる小倉さん。たくさん食べて応援してくださいね!
ミレー 小久保
【取材後記】
たまにミレーの事務所に寄っては、「こんなの考えてるんだけどどう?」と新しい取り組みを相談してくる小倉さん。会話は冗談も多いですが、常に新しいものにチャレンジする姿は本当にイキイキとしていてまぶしいです。こんなに健康に気を遣った親鶏が生んだ健康な卵を、食べる私たちは、きっと健康になるはずです♪卵は定期購入もできますので便利です!
編集責任者 中村 彰宏
日本初の製パン「兵糧パン」
- ■材料
- 強力粉(昔は全粒粉):120g
- 砂糖:30g
- 卵:1個
- 水:少々
①卵と砂糖をかき混ぜ、小麦粉を入れてこねる。固さをみながら水を少し入れる(10ml以下)。※昔は水も多めで、しゃもじですくって焼いたようです。
②フライパンを弱火で温め、生地を2~4個分にわけて置く
③焦げないように返しながら、約10分焼く
1842年4月12日(パンの日)に始まった日本初の製パン。長期保存 するための固いパンです。甘みがあり、焼きたてが食べやすいです。
レシピ担当:子育て奮闘中の3児のパパ ミレー 中村